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(終)【針箱のうた】終わってを終わって

どうもフク孫です。

ここまでお読みくださった方、ありがとうございました。

現在、NHK朝ドラは伊藤沙莉さん主演の『虎に翼』で戦前戦後、法律の世界で活躍した初の女性の人生を描いています。

それとは比べるべくもありませんが、今回『針箱のうた』を改めて精読してみて、自分の知っているあの祖母の人生が、昭和が「昭和時代」と呼ばれる令和において、まるで一つの時代ドラマのように感じました。

正直なところ、本文中のHの発言には「あれ、ここではずいぶん立派で妻子に対して理解と思いやりがあるようなことを言っているが、実際のふるまいはだいぶ異なるじゃないか」と思うことがしばしば、否、しばしばしばしばしばしばしばし(以下略)……くらいでした。

たとえば、遅滞なく生活費を入れることについて、「生活費を入れなかったら妻に怒られる」ということで笑いが取れると思っている点。
今日的には完全にアウトだと思います。

家族の生活費を入れないなんて、ぼくには考えられない。もしぼくがそんなことしたら、連れ合いに何と言われるか分からない。(笑い)

12【針箱のうた】戦後時代1945~1986(昭和20~61)年(2/2)|フク孫 (note.com)

この聞き書きを活字に起こしたのは、Hの配偶者、ここで言われている「連れ合い」です。Hの恐妻家ポーズのために悪者のように言われた女性がこの文章を書き起こしている……わたしはこの構造は不均衡でいびつだと思います。
(これを敢えてことさらに言挙げしたのは、この文章を読んだどなたかが、「こういう言い方をしてもよいのだ」と誤学習してしまうのを防ぐためです。)

これを令和の今日にWEB上に上げるにあたって、表現が気になる点はほかにもありますが、この聞き書きを誰よりも大事にしている父のために、これ以上をここであげつらうことはしないでおきます。
 
 

最後に改めて、お読みくださって本当にありがとうございました。
 
 

わたしの父への葛藤に対する、葬送の儀式として。
 

2024年7月22日 フク孫

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