マガジンのカバー画像

生活すること

159
生きるって何だろう?それは生活することなのではないだろうか────30才で伊東市にある海の街へ移住して感じたことを書いています。
運営しているクリエイター

#HSP

社会と私の間にはいつもアートがある

社会と私の間にはいつもアートがある

他者と上手く混ざり合えたら、伝えられたらアートなんて必要ない。私はいつも社会と自分の間にできた溝を埋めるように作ってきた。作らないでいられることはそれだけ人生が充実している証拠でもあり、作れることは自分だけの逃避場所があるということ。アーティストが元気な時より病んでいる時の方が作れるなんて話があるのは、創作行為が現実からの逃避だからなのだろう。

作る時は一人だ。みんなで一緒に作るバンドなどは例外

もっとみる
輪郭がぼやかされた世界は退屈

輪郭がぼやかされた世界は退屈

ここしばらくは落ち着いた日々を過ごしている。減らした薬も身体に馴染んできたのだろう。医者には元々の量が少ないから一気に100mg減らしても大丈夫と言われたけど、怖くて50mgにしてもらった。そしてちゃんと減らした分だけ波の揺れを感じた。私は人より敏感なところがあるみたいだから、薬も効果を感じやすいのかもしれない。

どうやったら薬を飲まずに躁状態を抑えられるのか、という質問を医者へした時に、薬を飲

もっとみる
私の海

私の海

今日は海岸の浜辺で文章を書いている。今朝はあまり穏やかな気持ちではなかったから、一通り作業を終わらせて海へ来た。そういう日はよくあるけれど、この街が私の心の補助をしてくれている。薬も本来ならば効果があるとされる量の半分で済んでいるのは、この街の存在がとても大きい。海の香り、風が肌に当たる感覚、山に生い茂る緑の色、空の透明度、鳥の鳴き声、太陽の温度、人々の会話。全てが一瞬で通り過ぎているようでも、そ

もっとみる
一人が好きなのは悪いことじゃない

一人が好きなのは悪いことじゃない

一人の時間が好きだ。一人でいることを寂しいと感じない。流石に山奥で仙人のように籠っていたら寂しさを感じるのかもしれないけど、必要最低限の社会との繋がりがあれば充分だと思ってしまう。挨拶を交わす干物屋さんや八百屋さんがいて、世間話をするご近所さんがいて、たまに泊まりに来たりお茶したりする友達がいて、すぐに連絡できる家族がいて、遠く離れていてもSNSを通して繋がってくれている人たちがいて、今こうして書

もっとみる
凪になって

凪になって

平らになってしまったら、この世界がつまらなくなると思っていた。刺激のない日々なんて、退屈で気が狂ってしまう。だから日常というものをどこかで恐れていた気がする。私は大人になるまでの記憶、つまり人生の3分の2の記憶がほぼない。人前で歌ったとか、賞を獲ったみたいな大きな出来事は覚えているけど、普段は何で遊んでいたかとか、クラスに誰がいたかとか、そういう日常の記憶がすっぽりないのだ。私は普段一人だったのか

もっとみる
幸せのハードル

幸せのハードル

今日書きたいと思ったことを書いていくことにしている。「生活すること」というマガジンのタイトルもあってないようなもので、私たちの1分1秒は全て生活に繋がっているから、何を書いても生活の話になるというわけ。生活しているということを忘れてしまうと、生きている感覚がしなくなっていく。だから忘れないようにここへ書いている。

突然だけど、幸せって何だろうって思いませんか?これは怪しいセミナーではない(笑)も

もっとみる
海について

海について

海が好きだ。見ているだけで私は生きているんだなと思える。山は動かないし、空は雲が流れないと動きが見えないけど、海は鼓動のように絶えず波打っていて、時には静かに、時には荒ぶり、それはまるで人間の感情のようで自分と重ねているのかもしれない。共に生きている瞬間を感じている感覚。地球の表面はほぼ海だし、人間もほぼ水分だしね。だから海水が苦手で海水浴ができないのはあまり関係なくて、ただそこに存在してくれて、

もっとみる
何もできなくなるまで

何もできなくなるまで

私が生活について書きたいと思った長い前置きはこの辺にしておいて、そろそろ本題に突入していきたい。とは言っても、明確に内容が決まっているわけでもない。以前までの私だったら、こういうものをいついつまでに完成させたいから、これぐらいのペースで書いていこうみたいなことをしていたと思う。それは私ならできる。とても得意。でも今はそうではない生き方に興味を持っているから、あえて無計画に書き進めていきたいと思う。

もっとみる
生活すること

生活すること

都会の陽の当たらない狭い部屋でこのまま腐ってしまうくらいなら、後回しにしていたことを全部やってみようと思った。それらを総まとめして名前を付けるとしたら、「生活すること」かな。

いつも何か目標を掲げてそこへ向かって走っていくのを繰り返してきて、生きがいを感じていたし得意でもあったから、この先もそれをずっと繰り返していくもんだと思っていた。でもどうやら違うらしい。目的地を決めなければ進めない不安や、

もっとみる