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知られざるクエストの旅路

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独自の目標を立てて実行した、旅の記録です。 このマガジンに掲載した紀行文を基に動画を作成し、 YouTubeにて公開しています。 https://www.youtube.com/…
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記事一覧

【Q10.宇都宮LRTと、その先】2.芳賀・高根沢工業団地から安住神社まで

【Q10.宇都宮LRTと、その先】2.芳賀・高根沢工業団地から安住神社まで


 宇都宮ライトレールの終点「芳賀・高根沢工業団地」停留所から、更に先に進みたい。とは言っても、この先には公共交通機関は、何も存在していない。選択肢は一つ。徒歩である。

 歩道橋を渡り、幹線道路脇の歩道を、北に向かって歩き始める。右手にはホンダの工場の、広大な敷地が続く。工業団地を走る自動車道は車線も多く立派なものだが、車の姿はそんなに多くない。
 この方向に歩く人間は自分だけかと思ったが、そう

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【Q10.宇都宮LRTと、その先】1.宇都宮ライトライン完全乗車

【Q10.宇都宮LRTと、その先】1.宇都宮ライトライン完全乗車

 湘南新宿ライン・宇都宮行のボックスシート、進行方向に向いた、通路側の席に座っている。隣の窓際席には高齢女性、その対面の窓際席には高齢男性、私の対面の通路側席にはスーツ姿の中年男性がそれぞれ腰掛けている。
 10時12分、荒川を渡り埼玉県に入る。浦和にてスーツの男性が、大宮にて高齢男性が降りる。私は窓際席に移動し、車窓の撮影を開始する。

 10時26分大宮発。ここまでは定刻通りだ。東北本線は、昨

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【小笠原滞在記】【完結】3.父島最終日・おがさわら丸復路

【小笠原滞在記】【完結】3.父島最終日・おがさわら丸復路


 父島滞在の最終日は、竹芝に帰るおがさわら丸が15時に出港する。それまで時間があるが、自分は特にアクティビティやツアーは予定していない。二見港がある島の中心部まで、オーナーが車で送ってくれるというので、お願いする。自分以外の宿泊者は、今日の午前中も何らかのアクティビティを予定しており、ツアー会社の車が迎えに来るとのことだ。

 この三日間で、同宿の方々とは様々な雑談をし、少し打ち解けた。ある晩な

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【小笠原滞在記】2.父島のドルフィンスイムとホエールウォッチング

【小笠原滞在記】2.父島のドルフィンスイムとホエールウォッチング

 父島滞在三日目は海のアクティビティだ。出発前に海パンに着替え、上着はウインドブレーカー、ズボンには撥水性のスウェットを着用する。宿の亭主の車で、集合場所まで送ってもらう。二見港近くの、青灯台だ。
 小舟が停泊している小さな桟橋があり、幾つかのグループが既に集まっている。自分のツアー会社のグループはどれか? すぐに見つかる。昨日の森ツアーの時に同行していた、松葉杖の女性の姿が目印になってくれた。

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【小笠原滞在記】1.父島の森歩き

【小笠原滞在記】1.父島の森歩き

 父島滞在中に宿泊するペンションは、朝夕の二食付きだ。非常に充実していて、器も盛り付けも美しい。ボードに書かれた、今日のメニューの書き文字も洗練された飲食店舗のようで、書き慣れている感じがする。自分が撮影すると、他の宿泊客も同じように撮り始めた。亭主は本土の飲食店で、それなりの修行を積んだ人なのかもしれない。

 メニューには、島の食材が豊富に使われている。ご飯は白米ではなく、三分つきぐらいの玄米

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【Q9.東京最北のバス停から東京最南のバス停まで】後記.父島の小港海岸・大村地区の商業施設

【Q9.東京最北のバス停から東京最南のバス停まで】後記.父島の小港海岸・大村地区の商業施設

 

乗って来た村営バスは、折り返しの便となって父島の北側、村役場方面へと戻っていく。その姿を見送る。

 小港海岸は、亜熱帯植物の森を抜けた先にある。森の入口には、靴底の泥を落とすためのカーペットが設置され、スプレー容器に入った消毒用の木酢液が置かれている。植物の種や虫卵等を不用意に拡散させないために、これを吹きかけてから進めと案内されている。生態系保全のためだ。その指示に従う。
 林道の入口に

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【Q9.東京最北のバス停から東京最南のバス停まで】3.父島・二見港から小港海岸バス停まで

【Q9.東京最北のバス停から東京最南のバス停まで】3.父島・二見港から小港海岸バス停まで


 11時00分、おがさわら丸は定刻通りに父島二見港に入港する。
 接岸時には船が揺れるため、乗客はデッキから退出し自室にて待機するように、アナウンスが流れる。入港時の様子をギリギリまで撮影したいため、ギリギリまで粘る。
 下船もまた等級順なので、自分の順番まで待つ。 

 上陸。埠頭では、おがさわら丸の船尾からコンテナを下ろす作業が行われている。客船ターミナルは、おがさわら丸で到着した我々と、島

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【Q9.東京最北のバス停から東京最南のバス停まで】 2.竹芝桟橋から小笠原諸島・父島まで

【Q9.東京最北のバス停から東京最南のバス停まで】 2.竹芝桟橋から小笠原諸島・父島まで

 

旅行会社「ナショナルランド」の窓口を探し、必要書類を提出する。HISから送られたメールに添付されていたPDFを、予め印刷しておいたものだ。今から乗る「おがさわら丸」の往路の乗船券と、復路の乗船券の引き換え書類を受け取る。復路の引き換え書類は帰りの便の乗船直前に、父島の二見港に提出するものなので、それまで絶対に無くさないようにと念を押される。オリジナルのクリアファイルに入った状態で、そのまま渡

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【Q9.東京最北のバス停から東京最南のバス停まで】 1.鍾乳洞バス停から竹芝桟橋まで

【Q9.東京最北のバス停から東京最南のバス停まで】 1.鍾乳洞バス停から竹芝桟橋まで


 奥多摩町の「鍾乳洞」バス停は東京都最北のバス停だが、その事実は特に注記、強調されていない。渓谷を望む都道204号、日原街道の路傍に、ただ静かに佇んでいるだけだ。
 バスが来るのは平日のみ。今日は祝日なので来ない。よって今回のクエスト「東京都最北バス停から最南バス停まで」は、徒歩で開始されることとなる。
 16時40分、鍾乳洞バス停を出発。この時点を以って、クエスト開始だ。バスが運行されている平

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【Q9.東京最北のバス停から東京最南のバス停まで】序.日原鍾乳洞にて

【Q9.東京最北のバス停から東京最南のバス停まで】序.日原鍾乳洞にて

 

 青梅線の終点、奥多摩駅に着いたのは13時00分。日原方面へ向かう西東京バスの、次の発車時刻は14時11分だ。時間があるので昼飯でも喰おうと駅前を散策していると、最近出来たばかりのフードコートを発見する。奥多摩の地にフードコートとは珍しいと思って中を覗くと、営業しているのはラーメン屋一店舗のみであった。

 奥多摩清流ラーメンというのを食べる。普通に美味い。酒は澤乃井のカップ酒を一杯。青梅線

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【Q8】倉橋島・鹿島の最先端を目指す

【Q8】倉橋島・鹿島の最先端を目指す


今回のクエストの旅程

1.呉駅前から倉橋島まで(広島電鉄バス)

 呉市内のビジネスホテルで目が覚める。
 広島県に来たついでに、どこかを観光しようと思い、昨日は呉市内の博物館施設等を見て回った。今日は早朝の呉駅前からバスを乗り継ぎ、倉橋島とその先の鹿島に行ってみるつもりだ。
 この二島は瀬戸内海の島だが、橋梁で本州と繋がっており、平成の市町村合併を経て、現在は呉市の一部となっている。全く未知

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【Q7.完結】【Q7.日本の懸垂式モノレールに1日で全て乗る】4.スカイレール完全乗車

【Q7.完結】【Q7.日本の懸垂式モノレールに1日で全て乗る】4.スカイレール完全乗車

 瀬野駅の駅スタンプを、改札窓口で借りて押す。
 駅周辺は、ごく普通の住宅街といった雰囲気だが、商業施設が、駅の規模に比して極度に少ないように感じる。広島市近郊の山陽本線はそれなりの本数があり、通勤・通学需要に対応した快速列車も走っている。見たところ、この駅もそこそこの利用者が居るのに、何故なのだろうか? 関東や近畿地方にこのぐらいの大きさの駅があったら、もう少しコンビニやスーパーが出店しているの

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【Q7.日本の懸垂式モノレールに1日で全て乗る】3.大船駅から瀬野駅まで

【Q7.日本の懸垂式モノレールに1日で全て乗る】3.大船駅から瀬野駅まで

 9時46分、湘南江の島発。湘南モノレールに乗って今来た道を、湘南モノレールに乗ってそのまま大船まで引き返す。往路とは逆側の席に座り、車窓に貼りつく。

 湘南江の島から、次の目白山下駅までの区間は、ここだけ単線だ。最後の一区間だけ単線という構造から、西武新宿線をふと思い出した。すぐにトンネルに入る。

 丘陵地に造成された戸建て住宅を望む。
 大船駅手前の長いカーブを徐行する時に、進行方向左手の

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【Q7.日本の懸垂式モノレールに1日で全て乗る】2.湘南モノレール完全乗車

【Q7.日本の懸垂式モノレールに1日で全て乗る】2.湘南モノレール完全乗車

 7時06分千城台駅発。朝陽の中の住宅地を走り、都賀駅まで向かう。

 7時13分、モノレール都賀駅着。千葉みなと方面へ去っていくモノレールを見送る。地上を走る総武本線を眼下に見下ろす。改札窓口の駅員からスタンプを借りて押す。

 JRの都賀駅の窓口でも、同様にスタンプの有無を尋ねると「旅の記念になるようなものではございませんが……」と謙遜しつつ小さな長方形のハンコを貸してくれた。特に何のイラスト

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