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とてつもなくクソダサい話 営業編

僕は20代前半の頃
引越しの見積営業をしていた。


引越しの見積は
訪問→見積もり→契約or検討
という流れを約1時間ぐらいで行うのだ。


見積もり中に
トラックの空き状況の確認の際に
1度店長に電話をし
値段交渉の結果等を再度
店長に電話する。


その場で契約をゲットできれば
最高の気分で次にいけるのだが
もちろんお客さんが
「ちょっと考えさせてください」
我々にとって恐怖の検討ボタンを
押してくるケースも多々ある。


契約の場合そのまま
家を出てもとくに何も言われないのだが
検討の場合絶対に店長に一報を
入れないといけない。


そこで
「なんで契約になれへんのや!」
とほぼ激詰めされる。
それがお客さんの前で何故か
上司にヘコヘコするという
お客さんにとって謎の光景が
繰り広げられる。


僕はそれがとても苦痛だった。


この状況を避けられないものか。
僕に明暗が浮かんだ。


見積もり後
このお客さんは即決は無理!
確実に検討だと思ったら
店長に報告をせず家を出る。


その後車に乗り込み
車内で電話をする。

しかしそれだと室内より
外の雑音が入る可能性がある。


僕は一旦スーツのジャケットを脱ぎ
頭を完全にジャケットで隙間なく覆う。


もし外から誰かが見たら
完全にイカれてる奴か
性犯罪者と思われても仕方がないだろう。


その状態で店長に電話をした。


店長はまだ室内にいると
完全に思い込んでいる。
もしお客さんに自分から話してみたい
代わってくれと言われたとしても
お客さんが嫌がっていると
なんとか切り抜けるつもりでいた。


完全に僕の作戦は成功した。


そんな事を続けていたある日
店長が

「おーい。今日コイツ連れて行ってー」
と後輩の営業同行を命じてきた。


僕は普通に何も考えずに
営業に挑んで1件目から検討になった。

そこで気付いた。

「あ!、後輩おるやんけ!」

これはマズイ。
あのジャケット被りの術が使えない!
どうする。どうする。どうする。
素直に検討の電話をここでいれるか。


僕は迷った。
迷いに迷った。
その結果、いつも通り家を出た。


二人で車に乗り込む。


「いいか、見とけ」

僕はかっこよくジャケットフードを被り
店長へ電話をした。


「店長、お疲れ様です。お客様がちょーっと
 やっぱり色々考えたいとおっしゃっておりまして 
 即決は難しいということでして・・・」


後輩の顔はもちろん見えないが
確実に空いた口は塞がっていないだろう。


僕は電話を終えジャケットフードを降ろした。
うっすらと汗をかいた。


僕は正面を見て次の場所へ車を走らせた。


その次は契約を頂けたので
クソダサい姿は1度のみで済んだのは
不幸中の幸いであった。



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