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この場所では正直な自分でありたい

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前髪切りすぎた

「だあー!切りすぎたー」 鏡に映る自分の前髪は、明らかにぱっつんになっている。 ハサミを横向きにして切ったせいだ。 縦に入れてればこんなぱっつんにはならなかっただ…

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1日前
1

名前のない関係

あっつい むわんとした暑さで目が覚めた。 じっとりとした汗で体が湿っている。 起き上がってスマホを見たら4時を回ったくらい。 隣のすおちゃんはまだ寝てるみたい。 そう…

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3日前
1

楽器で言うなら〇〇

昼休みいつものメンバーでおしゃべりしていた。 「ねぇみんな〜自分を楽器に例えたらなんだと思う?」 「は?なんだそれ、どう言う意味だ?」 「じゃあ例えばさ、オレだっ…

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4日前
1

ほうじ茶パフェが好き

土曜日 お昼を食べに桜と楡井とポトスに来ていた。 二人はオムライスを、蘇枋はいつものブラックコーヒーをもらった。 コクがあり、程よく酸味が残るポトスのコーヒーが蘇…

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6日前
3

もっと知りたい

あの日のことが頭から離れない。 初めて楠美先輩の声を聞いた日。 耳元でそっと囁かれた声は想像を超える可愛さだった。 それは声だけ聞いたら女の子と勘違いしてしまうほ…

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8日前

先生と同室

22時、消灯の時間がきて四季と皇后崎は各々ベッドに入る。 とは言っても、まだ眠気はなくていつものように二人は小声で話し出す。 「なあ」 下のベッドにいる皇后崎に四季…

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8日前

声を聞かせてくれませんか?楠見と蘇枋

昼休み 級長日誌を梶さんに届けるために2-1の教室に向かう。 級長日誌は、自分たちのクラスや見回りについて共有したいことを書き連ねたもの 1-1の次は2-1に回すことになっ…

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13日前
1

特訓を覗き見したらキレられた

「お疲れさまです!桜さん」 「また明日ね、桜君」 7限が終わり、楡井と蘇枋は放課後の特訓のため早々に教室を出て行った。桜は二人の後ろ姿を見えなくなるまで目で追った…

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2週間前

振り回す人と振り回される人

「およ?あれ、桜君だね〜」 「だね」 朝、オレと桐生君は商店街でばったり出会い一緒に登校していた。 お店の人たちに朝の挨拶を交わしながら歩いていると、オレたちの数…

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2週間前
1

悪戯な二人

キーンコンカーンコーン 「蘇枋、テメーっ//何してくれてんだ」 「え〜何のことかな桜君?」 5限の授業が終わり、桜君が怒涛の勢いでオレを振り返った。 オレの席は窓際…

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2週間前
1

打ち上げBBQ

国崩大火後、打ち上げでBBQを行うことになった。風鈴高校の生徒はもちろん、棪堂率いる烽や獅子頭連と六方一座のメンバーらが風鈴高校の校庭に集まった。 四つ張られた大…

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2週間前

こっち向いてよ

金曜日の夜。23時。オレの隣で蘇枋が寝てる。 いや、そう見えるだけで本当に寝ているのかはわからない。蘇枋はオレに背を向けてあっちを向いているから。 まあ、オレにと…

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3週間前
1

熱中症になった蘇枋さん

おい蘇枋!しっかりしろ 見回りの最中に熱中症になったオレは、桜君に支えられて彼の家に着いた その途端 力が一気に抜けて玄関先で倒れこんでしまった。ほんとなにやって…

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4週間前

告白〜蘇枋と桐生

放課後、日誌を職員室に届け終わり教室に戻ったら。すおちゃんが一人、黄昏れていた。今日は見回りがないので、他のみんなは早々に帰ったらしい。 「すおちゃん?何してる…

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1か月前

一年トリオと楠見先輩

放課後、 今日の見回りは多聞衆が担当となっていた。 班のメンバーは、オレと桜君、にれ君。そして、2年の楠見先輩だ。 今まで多くの先輩たちと見回りしてきたけど、楠…

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1か月前

甘えたな桜君

「お邪魔します」 街の見回りが終わった放課後、オレは桜君家に来ていた。帰り道が同じということもあって、ちょくちょく桜君家にお邪魔することが増えた。 別に何をする…

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1か月前
1

前髪切りすぎた

「だあー!切りすぎたー」
鏡に映る自分の前髪は、明らかにぱっつんになっている。
ハサミを横向きにして切ったせいだ。
縦に入れてればこんなぱっつんにはならなかっただろうに。
切ってしまったものは仕方ない。
桜ははあーと大きくため息をつく。
どうすっかなー
こんなのクラスメイトに見られたら、絶対笑い者にされる。
見られたくねえ
とりあえずキャップを被って桜は学校へ向かった。

教室に入る前に一度深呼吸

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名前のない関係

あっつい
むわんとした暑さで目が覚めた。
じっとりとした汗で体が湿っている。
起き上がってスマホを見たら4時を回ったくらい。
隣のすおちゃんはまだ寝てるみたい。
そう見えるだけかな。
仰向けで腹の上に両手を組んで目を瞑るすおちゃん。
寝ているときまで背中がピンとしてて、ほんと隙がないよね
動かないお人形さんみたい。
寝息もない。 

そっと布団を抜け出しエアコンのスイッチを押す。
そのまま冷蔵庫に

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楽器で言うなら〇〇

昼休みいつものメンバーでおしゃべりしていた。

「ねぇみんな〜自分を楽器に例えたらなんだと思う?」
「は?なんだそれ、どう言う意味だ?」
「じゃあ例えばさ、オレだったらどんな楽器が似合う?」
「桐生さんに似合う楽器ですか?」
「そうだな〜桐生君はフルートっぽくない?」
蘇枋が応える。
「あーなんかわります!」
「せやな〜ワシはあれだと思う、なんだけっけな、ピアノみたいな」
「キーボード?」
「そう

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ほうじ茶パフェが好き

土曜日
お昼を食べに桜と楡井とポトスに来ていた。
二人はオムライスを、蘇枋はいつものブラックコーヒーをもらった。
コクがあり、程よく酸味が残るポトスのコーヒーが蘇枋は好きだった。
温かいコーヒーを一口飲むと、その香りと味わいに全身がじんわりと癒されていく。
美味しいな…

チリンとドアベルが鳴り振り向けば、ドアの前に多聞衆二年の級長と二人の副級長が立っていた。
向こうも自分たちがいることに驚いてい

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もっと知りたい

あの日のことが頭から離れない。
初めて楠美先輩の声を聞いた日。
耳元でそっと囁かれた声は想像を超える可愛さだった。
それは声だけ聞いたら女の子と勘違いしてしまうほどで、その声だけで人を惹きつけられるのではないかと。
囁かれたセリフと相まって、その時の楠見さんはどこか色っぽい雰囲気があった。
あのとき先輩はどんな顔をしていたのだろう?
そんなふうにして蘇枋はいま、教室の窓から外を眺めてあの日に思いを

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先生と同室

22時、消灯の時間がきて四季と皇后崎は各々ベッドに入る。
とは言っても、まだ眠気はなくていつものように二人は小声で話し出す。

「なあ」
下のベッドにいる皇后崎に四季が声をかける。
「なんだ?」
皇后崎の返事を確認してから四季は話し出す。
「無駄先と遊摺部って同室じゃん?あいつらどんな会話してるか気にならねえ?」
「…別に」
皇后崎は大して興味がなさそうに答える。
「えぇーオレめちゃくちゃ気になる

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声を聞かせてくれませんか?楠見と蘇枋

昼休み
級長日誌を梶さんに届けるために2-1の教室に向かう。
級長日誌は、自分たちのクラスや見回りについて共有したいことを書き連ねたもの
1-1の次は2-1に回すことになっている。
基本的には桜君が届けにいくのだけれど、桜君はクラスの仲間に絶賛愛され中なので、代わりにオレが届けようと申し出た。

ガヤガヤ騒がしいした2-1の教室
前の扉からを中を覗くと、窓際に目当ての人がいる。
ヘッドホンをつけた

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特訓を覗き見したらキレられた

「お疲れさまです!桜さん」
「また明日ね、桜君」

7限が終わり、楡井と蘇枋は放課後の特訓のため早々に教室を出て行った。桜は二人の後ろ姿を見えなくなるまで目で追った。

「寂しいの?桜ちゃん」
いつの間にか横に来ていた桐生が桜の顔を覗き込んでいる。
「寂しい?なんで?」
「にれちゃんとすおちゃんが行ってしまって、後を追うようにずっと見てたから〜」
「そ、そんなことねぇよ。」

特訓がない日は、桜は

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振り回す人と振り回される人

「およ?あれ、桜君だね〜」
「だね」

朝、オレと桐生君は商店街でばったり出会い一緒に登校していた。
お店の人たちに朝の挨拶を交わしながら歩いていると、オレたちの数歩先の店で桜君が立ち止まっていた。
そこはさぼてんというパン屋さんで、桜君はお店の人にパンを貰っているようだった。白いビニール袋を受け取りぺこりと頭を下げる姿は、遠目からでもわかるくらいおどおどしている。

なるほどな
こんなふうに桜君

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悪戯な二人

キーンコンカーンコーン

「蘇枋、テメーっ//何してくれてんだ」
「え〜何のことかな桜君?」

5限の授業が終わり、桜君が怒涛の勢いでオレを振り返った。

オレの席は窓際の一番後ろ。右隣が桐生君で、オレの前は桜君だ。そう、今の席順は桜君、オレ、桐生君の最高なトライアングルができている。くじ引きで決まった席がこんなに最高になるなんて思っていなかった。

桜君の後ろの席になりわかったこと。それは桜君が

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打ち上げBBQ

国崩大火後、打ち上げでBBQを行うことになった。風鈴高校の生徒はもちろん、棪堂率いる烽や獅子頭連と六方一座のメンバーらが風鈴高校の校庭に集まった。

四つ張られた大きなタープに各衆で集まり、飲んだり食べたり焼いたりと各々楽しくBBQをしている。

多聞衆では、柊と梅宮が食材を焼いてくれていた。網で焼かれた肉の美味しそうな匂いが漂ってくる。

「おーい!一年たち、肉やけたぞ〜みんな集まれ」
梅宮の呼

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こっち向いてよ

金曜日の夜。23時。オレの隣で蘇枋が寝てる。
いや、そう見えるだけで本当に寝ているのかはわからない。蘇枋はオレに背を向けてあっちを向いているから。

まあ、オレにとってはどっちでもいいけど…
オレはなんの躊躇いもなく蘇枋の布団に忍び込む。蘇枋の体にかかったタオルケットを、自分の方にも引き寄せる。そうして後ろから蘇枋の背中に腕をまわす。オレはこうするのが好きだった。蘇枋のいい匂いに包まれる。安心でき

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熱中症になった蘇枋さん

おい蘇枋!しっかりしろ

見回りの最中に熱中症になったオレは、桜君に支えられて彼の家に着いた
その途端
力が一気に抜けて玄関先で倒れこんでしまった。ほんとなにやってんだろ、オレ…

今日は37度という、とんでもなく暑い日だった。オレは暑さに弱いから覚悟はしていた。しんどい日だろうなと。でも、まさか自分が倒れるとは思っていなかった。ましてや桜君に介抱されるとは。

オレの体は暑さに弱い。だから夏は嫌

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告白〜蘇枋と桐生

放課後、日誌を職員室に届け終わり教室に戻ったら。すおちゃんが一人、黄昏れていた。今日は見回りがないので、他のみんなは早々に帰ったらしい。

「すおちゃん?何してるの〜」

「桐生君……特になにも」

「いやいや、
夕日見ながら絶対何か考えてたでしょ 笑」

「いや、ほんとに何もないよ。
ただぼーっとしてただけだって」

「ふぅ〜ん…」
釈然としなくて曖昧に返事をした

「まあ、強いて言えば桐生君を

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一年トリオと楠見先輩

放課後、
今日の見回りは多聞衆が担当となっていた。

班のメンバーは、オレと桜君、にれ君。そして、2年の楠見先輩だ。

今まで多くの先輩たちと見回りしてきたけど、楠見先輩と被るのは今回が初めて。先輩とは直接話したことがないから内心ちょっと楽しみな気持ちだった。

そんなオレの気も知らず、教室であからさまに興奮しているのはにれ君だ。

「桜さん!今日は楠見先輩と見回りですよ!
あぁ〜すご〜い!こんな

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甘えたな桜君

「お邪魔します」

街の見回りが終わった放課後、オレは桜君家に来ていた。帰り道が同じということもあって、ちょくちょく桜君家にお邪魔することが増えた。

別に何をするでもない。雑談したりお茶を飲んだり。級長・副級長ということもあり、普段学校でゆっくり過ごすのは難しいため、こうして二人きりでのんびりできるのは悪くない。

いつものように桜君の布団に腰を下ろした。桜君も隣に座るかと思いきや、間髪を入れず

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