本が次の本を呼ぶ
2023年9月9日(土)朝の6:00になりました。
彼は頭の上で、「おーい、でてこーい」と叫ぶ声を聞いた。
どうも、高倉大希です。
読み手は、身勝手です。
書き手がどれだけ苦労して書いたとしても、つまらないと思ったら簡単に読むことをやめてしまいます。
どうか最後まで読んでくれ。
書き手は、一生懸命に読み手をこの場に引き止めます。
読み手は、引き止めようとしている書き手の気持ちを、逆にうざったく感じます。
書き手の願いはむなしいことに、読み手にはなかなか届きません。
一方で、魅力的な書き手は、見事に読み手を誘います。
その動線は、書き出しからすでにはじまります。
気がつけば、読んでいた。
読み手は、見事に読まされてしまうのです。
このような文章を書く人は、同時に優秀な読み手でもあります。
ひとりの読み手として厳しい視点をもっているからこそ、安易な作戦で読み手を誘おうとはしません。
そんな中で、ときどき次の本を呼んできてくれる本と出会うことがあります。
最後まで読むだけではとどまらず、その次の本にまで誘われてしまいます。
まんまと誘われてしまっているなと思いつつ、どうしてもその本に手を伸ばしてしまいます。
そしてまた、手を伸ばしたその本が期待を裏切ることなく、やっぱりちゃんと魅力的な本なのです。
このループにはまってしまうとおしまいです。
本が次の本を呼び、気がつけば積読の山ができあがります。
この note で、アイキャッチのごとく他の方の文章を引用している理由のひとつはここにあります。
次を呼んできてくれる文章は、憎らしくもあり、魅力的でもあるなと思うわけです。
この記事が参加している募集
サポートしたあなたには幸せが訪れます。