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俺の予想を超えてゆけ


2023年12月9日(土)朝の6:00になりました。

昨日の教え方で今日教えれば、子どもの明日を奪う。

どうも、高倉大希です。




すばらしい書き手は、読み手の疑問を見事に先まわりします。

ちょうど疑問に思ったことが、つぎのページで述べられます。


さらにすばらしい書き手は、その疑問自体を意図的に生み出します。

読み手に疑問を抱かせて、その疑問を自ら解消するのです。


ここまでくると、感心をとおり越してなんだか悔しくなってきます。

そんな悔しい思いまでもが、見透かされている気がしてきます。


くりかえしますが、大事なのは自己決定させること。それを促すために、とにかく子どもへの問いを重ねること。小さな自己決定の積み重ねが、子どもをリハビリというか元気にさせていくんですよ。

工藤勇一、鴻上尚史(2022)「学校ってなんだ!日本の教育はなぜ息苦しいのか」講談社


書くことは、教育とすこし似ています。

相手の反応を、徹底的に予想します。


こう働きかければ、子どもたちはこんなことを考えるだろう。

そんな予想をくり返しながら、学びの場をつくるわけです。


経験を積めば積むほど、予想の範囲内に結果をとどめられるようになります。

つねに先まわりしながら、動けるようになるわけです。


社会をよくしようとする活動のほとんどで、あたりまえのように「治療」が行われている。すばやく効率的な治療が施され、対応、復旧、救命の努力が称えられる。 だがもっとすばらしいことができるはずだ。 後手に回るより、先手を打とう。いま世界に必要なのは、救命がもはや必要でなくなる世界をめざして果敢に戦う、静かな英雄たちだ。

ダン・ヒース(2021)「上流思考」ダイヤモンド社


ただし、教育の中でもっともおもしろい瞬間は、予想の範囲内で結果が出ることではありません。

もっともおもしろいのは、子どもたちがこちらの予想をはるかに超えていく瞬間です。


最低限、ここまでは到達させよう。

あわよくば、ここまでいってくれればいいな。


そんな大人の予想を、見事に超えていく瞬間がときどきやってくるのです。

そんな瞬間を目にすると、悔しさをとおり越してなんだか嬉しくなってきます。


作者すら気付いていない作中で生じた現象を掴んだり、「このように鑑賞する方法もある」と新たな角度から作品に光を当てなければ意味がないと考えている。

又吉直樹(2023)「月と散文」KADOKAWA


よい読み手は、書き手の予想を超えてゆきます。

よい学び手は、教え手の予想を超えてゆきます。


お前の予想を超えてゆく。

そんな読み手であり、学び手でありたいなと思います。


俺の予想を超えてゆけ。

そんな書き手であり、教え手でありたいなと思います。






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