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自分より才能のある後輩をどう扱うか


2024年4月4日(木)朝の6:00になりました。

天才は孤独の中で培われ、人格は世に揉まれて磨かれる。

どうも、高倉大希です。




予定どおりに進めたい。

わたしたちは、自然とこう思うようにできています。


すべてが予定どおりなら、先を見通すことができるからです。

先のことがわかると、安心して過ごせます。


一貫性のある人が、好まれる理由も同じです。

一貫性があれば、その人の次の言動を予測することができるのです。


一貫性を保ってさえいれば、考え続ける辛さから逃げられるのです。一貫性テープを再生すれば、多くを考える必要がなくなり、楽に生きられます。ジョシュア・レイノルズ卿が述べたように、「考えるという本当の労働を避けるためなら、人はどんな手段にも訴える」のです。

ロバート・B・チャルディーニ(2021)「影響力の武器」誠信書房


「遅れているから、今日の授業はスピードを上げていくよ」

学校にいると、こんな言葉が聞こえてきます。


ここで気にされているのは、予定との差分です。

そこにいる生徒たちが、理解できているかどうかではありません。


べつに、その先生がわるいとは思いません。

冒頭にも述べたとおり、自然とそうなるようにできているのです。


「目的と手段の混同」は、特に「手段として行われている活動」そのものに「価値がある」と思われているときに起こりがちですが、「教育」というのはまさにその典型でしょう。

岡本薫(2001)『教育論議を「かみ合わせる」ための35のカギ』明治図書


自分より才能のある後輩をどう扱うか。

ここに、先輩の度量が表れるのだろうなと思っています。


わたしたちは、予定どおりに進むことを望みます。

しかし自分より才能のある後輩は、まったく予定どおりに動きません。


自分の予想を超える意見を出し、自分の予想を超える成果を出します。

だから多くの先輩は、後輩を自分の予想の範囲内に押し込めようとしてしまいます。


人のマネジメントとは、人の強みを発揮させることである。人は弱い。悲しいほどに弱い。問題を起こす。手続きや雑事を必要とする。人とは、費用であり、脅威である。しかし人は、これらのことのゆえに雇われるのではない。人が雇われるのは、強みのゆえでたり能力のゆえである。組織の目的は、人よ強みを生産に結びつけ、人の弱みを中和することにある。

P.F.ドラッカー(2001)「エッセンシャル版 マネジメント 基本と原則」ダイヤモンド社


きっといちばんの理想は、後輩が自分を遥かに超えていってくれることです。

気なんて一切つかわずに、羽ばたいていってくれることです。


それが実現できるかは、先輩の度量にかかっています。

超えていく後輩の背中を、押すことができるかどうかです。


世界一の剣豪は、自分の首を狙う剣士を育てました。

まあ、そういうことです。






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