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病院に頼るな!

今回は、ジャーナリストである船瀬俊介さんの著書
「3日食べなきゃ7割治る」という本の内容を紹介します。

現代の日本は飽食の時代にあり、どこに行っても食べ物を
手に入れることができる便利な世の中です。
そんな中で、多くの人は食べ過ぎているから、もう少し食べることを
減らしませんかと提案しているのが、今回紹介する本です。

私たちが小さい頃は、「1日3食しっかり食べなさい」と言われて
育ってきたと思いますが、食べる量を減らした方が健康になれると
言われても、納得できない人がいるかもしれません。
腹八分目という言葉を皆さんも聞いたことがあると思いますが、
本屋に行ってみれば健康本のコーナーには「小食で健康になれる」
という種類の本がたくさん並ばれています。

年を取れば体調不良になるのは仕方ないと思っているかもしれませんが、
決してそんなことはありません。
本の内容を通して、いつまでも元気で過ごすための方法を
学んでいきましょう。





現代人は食べ過ぎている

食べる量を減らすことによって、

・寿命が延びる
・老化を遅らせることができる
・年を取らなくなる

というメリットがあり、これらのことについて
分かりやすく解説します。

今から約80年ほど前に遡りますが、昔は
「栄養を摂取すればするほど私たちは健康になれる」
信じられていました。
しかし、その考えを覆す衝撃の実験データが発表されたのです。

それは、米コーネル大学で教授をしているマッケイ氏の論文です。
マッケイ氏の発表は、「摂取カロリーを6割に制限したネズミは
2倍長生きした」というものであり、逆に言えば、
好きなだけ食べることができたネズミは寿命が半分に縮まったと
いうことでもあります。

実験内容は、まずマウスを2つのグループに分類して、
一方のグループはカロリーを60%に減らしてエサを与え、
もう一方のグループには食べたいだけ食べさせました。
その結果、摂取カロリーを60%に制限したマウスの平均寿命は、
食べたいだけ食べたマウスの約2倍に伸びたと
結論付けられているのです。

それまでは「栄養は多ければ多いほど身体に良い」という理論が
栄養学の常識でしたので、その常識がこの論文によって真っ向から
否定されたという事です。

・・・・、しかし、この実験はあまり話題になりませんでした。

なぜならば、摂取カロリーを減らすだけで寿命が2倍近くに伸びる
可能性があり、カロリー制限で病気が激減して寿命が倍増すると
示唆された訳です。
これがもし本当だとしたら、病人が減って利益も減ってしまうと
いうことを意味しますので、医学界にとっては都合の悪いデータです。
学問が、巨大利権により封殺、隠蔽されてしまうことは
現代でも日常茶飯事のことです。



ところが、研究者たちの探求心は闇の圧力に
屈したわけではありません。
特にアンチエイジングの学者は、「カロリー制限が寿命を伸ばしたり、
アンチエイジングに繋がるのではないか?」
ということで、
マウスだけはなく様々な動物実験を行ったのです。

それから現在に至るまで、世界では数十例ものカロリー制限効果に
対する実験が行われていて、驚くべきことが次々に判明しています。
カロリー制限による寿命の延長効果は、ゾウリムシなどの微生物から
ミジンコなどの甲殻類、昆虫、サルなどの哺乳類まで観察されました。

例えば、霊長類のサル実験でも、カロリーを70%に制限したサルは
2倍長生き出来たと判っています。
これは、60頭のサルをA群とB群に分けて、
A群の摂取カロリーを70%に制限、
B群には食べたいだけエサを与えました。

そしてこの状態で、なんと15年間も観察を続けたのです。
その結果、カロリーを70%に制限したA群の死亡率は、
好きなだけ食べたB群の死亡率の半分だったと分かりました。
そして、A群のサルは単に長生きしただけではなく、
男性ホルモン(DHEA-S)が減らないという特徴がありました。

この男性ホルモン(DHEA‐S)は副腎皮質で生成され、
若返りホルモンとも言われている物質です。
この男性ホルモンは、年を取るにつれて減っていくのが普通なのですが、
A群のサルは、このホルモンが減っていないことが判明し、
体の免疫力が強いまま維持されていたことも立証されました。

また、サルを使ったアンチエイジングの実験として、
ウィスコンシン大学の研究もあります。
実験開始から20年後、摂取カロリーを70%に制限したサルは
8割が生きていたのに対して、カロリーを制限していなかったサルは
約半分しか生きていませんでした。

そして研究者は、カロリー制限をした27歳のサルと、
カロリー制限をしなかった28歳のサルを比較しました。
サルで言うところの27歳は、人間だと80歳くらいになります。
この2頭を比較したところ、研究者は次のように述べています。

「2頭のサルは、同じ年齢とは思えない」
「見た目や運動能力など、多くの面で肉体年齢に5~8歳程度の差がある」



また、特に研究チームが注目したのは、ガンと心臓病の発生率です。
摂取カロリーを70%に制限したサルは、カロリーを制限して
いなかったサルはと比べて、ガンと心疾患の発生率が
半分未満に減少していたことが分かったのです。

さらに、摂取カロリーを制限していたサルは糖尿病の予防にも
劇的な効果がありましたので、カロリー制限が糖尿病の
完全な予防になっていると断言しました。
逆に言うと、好きなだけ食べていたサルたちは、ガンや心臓病で
命を落とし、糖尿病で苦悩し、認知症や脳委縮で老化して
いったということです。






人間にも通用するのか?

ここまでの内容は、ネズミやサルで実験した結果ですから、
これが人にも当てはまるのかということを、別の目的で調査した
実験がありますので紹介します。

この実験は、将来の宇宙旅行などを想定したもので、
密閉した空間での生理的、心理的な影響を調べたものになります。
実験に参加した男女8人の摂取カロリーを、基準値の25%削減した
1,800kcalに設定して2年間生活してもらいました。

その結果は、

・平均体重が18%減少
・血液中のリン脂質量が減少
・血中コレステロール値が低下
・インスリン値が低下
・血糖値が低下

という変化がありました。
つまり、体の脂肪分や血糖値が低下して、スリムで引き締まった
健康体になったということです。
この8人の実験は、カロリー制限が私たちの体に与える影響について、
貴重なデータを提供してくれています。

さらにもう一つ、人を対象とした実験がありました。
ハーバード大学医学大学院 遺伝学の教授を務め、
長寿研究の第一人者であるデビット・A・シンクレア氏の著書
「LIFE SPAN~老いなき世界~」
という本を引用します。



2017年のジャーナル・オブ・ジェロントロジー誌に掲載された
論文によると、デューク大学の研究チームが145人の成人を対象に、
基準となるカロリー摂取量よりも25%少ない食生活を
続けてもらおうとしました。

しかし、人間はマウスのようなわけにはいかず、2年間で実際に
達成されたカロリー制限は平均で12%ほどに留まりました。
ところが、それでも被験者の健康状態は著しく改善していました。
また、血液や尿などの検査(バイオマーカー検査)からは、
老化のペースが落ちていることも確認されています。

これら2つの人体実験からも、カロリー制限が人間に対しても
有効だと推測されますが、LIFESPANの著者である
デビット・A・シンクレア氏は自身の本の中で、
間違いなく確実に老化を止める方法を教えてくれています。

「食べる量や回数を減らすことが、今すぐ誰にでも確実に
老化を止めることが出来る方法」

「そうすれば長寿遺伝子のスイッチがオンになり、ありとあらゆる
病気を遠ざけて、私たちを健康にしてくれる」


カロリー制限が老化を防止してくれたり、若返りに役立つ秘策で
あることはほぼ間違いないでしょう。






手遅れということは?

食事制限をしたところで、私はもう60代、70代、80代なので、
今更手遅れでしょうと残念がっている人もいるかもしれません。

しかし、年を取ってからカロリー制限を実行しても
若返るということが分かっていますから、年齢を理由に
諦める必要はありません。

老化タンパク質というものを知っているでしょうか。
これは、年を取るにつれて体内に少しづつ増えていくため、
どれくらいあなたが老化しているのかを示す指標となるものです。

年寄りのラットに対して、摂取カロリーを制限した実験があります。
すると、老化タンパク質の割合が、若いラットと同じレベルにまで
減ったことが分かりました。
つまり、年を取ってからでも腹7分目とか、
ファスティングなどのカロリー制限を行えば、
若返りは可能です。

若返りを目的としたカロリー制限は、何歳からでも効果が
期待できると言えるでしょう。






空腹による健康効果

ファスティングや断食を行って空腹になれば、その空腹が素晴らしい
健康効果や美容効果をもたらしてくれます。
ファスティングとは、一定期間食べ物を食べないということですが、
朝食だけを抜くパターンや16時間食べないパターン、
1日食べないパターンなどがあります。

それではここからは、空腹になることの健康効果を紹介します。


1.デトックス効果

食べ過ぎによって、体の中に蓄積している余分なものを
取り除くことが、ファスティングの最大の目的です。
余分なものは、脂肪や毒素として私たちの体中に蓄積しており、
それを体毒(たいどく)と言います。

ファスティングをすることで、この体毒を取り除くことができるので、
言ってみれば体の大掃除ということになります。
体中にこびりついた汚れをきれいにすることで、私たちが
本来持っている能力を最大限に発揮できます。

今は飽食の時代と言われていて、私たちは急激に好きなだけ
食べられるようになりましたが、身の回りには農薬を使って
育てられた野菜や果物、食品添加物を使用して製造している
食べ物(加工品)が溢れています。
さらには汚い空気や、シャンプーや化粧品などに含まれる
化学物質などが、私たちの体の中に徐々に蓄積していきますので、
こういったゴミを大掃除してくれるのがファスティングです。

そして、ファスティングをすると内臓にも
目覚ましい効果があります。
例えば、肝臓は毒素を分解し、腎臓は毒素をろ過するという役割を
持っておりますが、食べ過ぎの状態だとこれらの臓器は休む暇がなく
働き続けなければなりませんから、いつかは悲鳴を上げてしまいます。
その結果、肝臓や腎臓、胃腸などの機能が弱ってしまい、十分な働きが
出来なくなると、体に不調が現れるのです。



しかし、臓器というのは回復力を持っているので、
一時的に食べ物をストップすることで、内臓機能の働きを
復活させることが出来るのです。

私たちは普段、様々な毒や異物に囲まれて暮らしていますから、
こういったものが体の中に入ってこないように
気を付けるべきではありますが、100%排除することは
できませんので、断食やファスティングなどを行って、
毒や異物を排出することが重要というわけです。

また、現代人の味覚が少しおかしくなっていると言われています。
今の世の中には食品添加物がたっぷりと入った食べ物が
溢れていたり、必要以上に甘すぎる食べ物もあります。
こういった食べ物にさらされている中で、私たちの味覚は
自然な状態からどんどん遠ざかってしまうのです。

しかし、断食やファスティングなどを行えば、狂ってしまった味覚を
リセットすることができます。
味覚が正常に戻った結果、それまで何の抵抗もなく口にしていた
添加物まみれの食品に対しては、「これはおかしいぞ」という
違和感に気づけるようになるでしょう。



2.遺伝子を活性化させる

空腹になれば遺伝子が活性化すると言われても、あまりピンとこない人が
いると思いますので、具体的に説明していきましょう。

空腹によって活性化する遺伝子の典型例として、
長寿遺伝子と呼ばれるものがあります。
細胞老化の原因となる活性酸素を打ち消してくれたり、
免疫細胞を正常化したりする「サーチュイン」という
酵素を持っている遺伝子です。

サーチュインという酵素が、細胞の若返りや長生きに繋がるので、
サーチュインを作り出せる遺伝子のことを
長寿遺伝子と呼んでいるのです。

長生きするためには長寿遺伝子のスイッチを如何に入れるかと
いうことがポイントになるのですが、スイッチをオンにする方法が
ファスティングやカロリー制限です。
長寿遺伝子は、カロリー制限をすることによってスイッチが入り、
サーチュインという酵素が作られ、病気を遠ざけたり
若返りの効果が期待できます。

さらには、「断食をするようになったら体質が変わった」とか、
「原因不明の難病が治った」という話を聞いたことがあるかも
しれませんが、その理由は、断食やファスティングなどを
行うことによって、これまで眠っていた遺伝子を起こすことが
できる可能性があるからです。


3.猛烈に頭が冴える

断食やファスティングを経験した多くの人は、頭が冴えるとか、
記憶力や理解力が高まるといった変化を経験します。

さらには、

・物事に動じなくなった
・メンタルが強くなった
・体がしなやかに動かせるようになった
・疲れにくくなった

などのようなことを実感する人も多いようです。

脳にブドウ糖が届かなくなったら、エネルギーが不足して
脳が働かなくなると言う人がいるかもしれません。
しかし、私たちの脳がエネルギー源にしているのは
ブドウ糖だけではなく、ケトン体をエネルギー源として
使うことができます。



実際に断食している人の脳を調べてみると、ブドウ糖は30%しか
エネルギー源として使われておらず、脳の50%はケトン体に
シフトしていたということが分かっています。
断食やファスティングを批判する人は、
「脳はブドウ糖しかエネルギー源にしない」とか、
「断食は血中ブドウ糖を低下させ、脳機能が低下する」
主張しているのですが、私たちの脳はケトン体も栄養源になっていると
いうことをまだ知らない人もいるようです。

ケトン体というのは、脂肪が分解されてできる物質です。
ケトン体をエネルギー源とした脳は、脳波の一つである
アルファ波を増やし、βエンドルフィンという物質の分泌量が
増えることも分かっています。
アルファ波は心身が最もリラックスした状態で出てくる脳波で、
βエンドルフィンは別名快感ホルモンとも呼ばれます。

断食やファスティングなどを行えば、アルファ波やβエンドルフィンの
効果で心身が平穏に保たれ、幸福感がもたらされて頭が冴えわたります。






自分に合ったファスティングとは

ファスティングと言っても、様々な方法があります。
最もお手軽なものがプチ断食と呼ばれるもので、
これは朝食だけを抜くものです。
朝食を抜いて1日2食にするというのは、大した苦労もありませんので、
いつまでも続けることが出来るでしょう。

学校では「朝食をしっかり食べなさいと教わってきたけど、
1日2食で大丈夫なの」と思う人がいるかもしれませんが、
江戸時代までは1日2食が普通でした。


そして、よく雑誌などで取り上げられているのが16時間断食です。
これは、1日のうち最低16時間は何も食べずに
消化器官を休ませるという方法です。

食べ物などの摂取を1日8時間以内に制限することが
ポイントとなりますが、実際にやってみれば空腹に慣れてきて、
体が軽くなったとか、頭が働くという効果を実感できます。
よくお腹が痛くなるとか、胃もたれなどの症状が気になっている人は、
是非一度挑戦してみてください。

その他にも、1日まったく食事をとらない1日断食、
3日間まったく食事をとらない3日断食、
さらには7日間まったく食事をとらない一週間断食といった
ものもあります。

ですが、様々な書籍や論文を見ている限り、自分で行っても良いのは
1日断食までのようで、それ以上の本格的な断食は
専門家の指導の下で行う必要があると書かれています。

生活習慣病という診断を受けて、例えば高血圧や脂質異常症などの症状は、
摂取カロリーを抑えることで改善が大いに期待されますので、
自分に合う方法をいろいろと試してみてください。



終わり

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