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ぼくが聖書を好きな理由

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キリスト教の礼拝でするお話の原稿はこちらにまとめています。そんなに「新しい」とは自負していませんが、「正統派」に疲れた方々に届けたい聖書のまた一味違った魅力を書いています。
大体月に4本です。 一本200円の記事をマガジン登録で500円でお読みいただける設定にしています。…
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#イザヤ

クリスマスに読みたい聖書の話⑨〜イザヤ書9章1−6節(3)最終

クリスマスに読みたい聖書の話⑨〜イザヤ書9章1−6節(3)最終

イザヤ書9章1−6節についての分かち合いの最終稿です。ここまでの記事はこちらから。

イザヤが、見たものについてのお話です。

ずっと向こうにあるものとは、

「ひとりのみどりごがわたしたちのために生まれた。ひとりの男の子がわたしたちに与えられた」(5)

です。
 様々に解釈が可能です。ここに書かれているこどもは

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クリスマスに読みたい聖書の話⑧〜イザヤ書9章1−6節(2)

クリスマスに読みたい聖書の話⑧〜イザヤ書9章1−6節(2)

前回に引き続き、イザヤ書9章1−6節からの分かち合いです。

「深い喜び」「大きな楽しみ」(2)、預言者イザヤが語る言葉とは真逆のリアルに直面しているのは2700年ほど前のユダ地域の支配者アハズ王だけではないでしょう。聖書は歴史的な書物です、というのはその通りと思います。だからこそ聖書は今の私たちのあらゆる営為に関係しているという点が落とされてしまうことが多いとも思います。
歴史とは何かについては

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クリスマスに読みたい聖書の話⑦〜イザヤ書9章1−6節(1)

クリスマスに読みたい聖書の話⑦〜イザヤ書9章1−6節(1)

アドベントの第二週が始まります。第二週目はイザヤ書9章1−6節から。ところがこの箇所は読みようによってはとんでもなく好戦的に響く可能性があります。

特に6節の「ダビデの王座とその王国に権威は増し…」から、ユダ地方(ヨルダン川南西部地域)の勝利宣言を読み取り、それを2700年近く引きずってダビデの王座こそが秩序と安定であると信じそれ以外を徹底的に攻撃することがまかり通るからです。読み違えも良いとこ

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クリスマスに読みたい聖書の話⑥〜イザヤ書7章10−17節(4)最終

クリスマスに読みたい聖書の話⑥〜イザヤ書7章10−17節(4)最終

イザヤ書7章10節〜17節からのお話の続きです。

https://note.com/figtreegarten/n/n5dde5187066c

前回は「見よ、おとめがみごもって」の「おとめ」について書きました。イザヤがアハズ王に指した「その女」が、誰だったのかは分かりません。その女性が、

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クリスマスに読みたい聖書の話⑤〜イザヤ書7章10ー17節(3)

クリスマスに読みたい聖書の話⑤〜イザヤ書7章10ー17節(3)

イザヤ書7章10−17節からのお話の続きです。

沈黙がもったいない、1秒を惜しむ有り様を是とすると、誰かが自分を助けてくれるかもしれないという想像力はわきません。時間をかけて良くなっていくという希望はありません。このあり方は、自分が結果を見なければ気が済まないのです。それは世界が自分を中心に回っているという感覚と同じです。自分の命をこの人が抱えて生きてくれるという思いになれれば、沈黙に価値がある

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クリスマスに読みたい聖書の話④〜イザヤ書7章10−17節(2)〜

クリスマスに読みたい聖書の話④〜イザヤ書7章10−17節(2)〜

イザヤ書7章10−17節から考えたいテーマは「恐れと沈黙」です。
 王となった一国の支配者が恐れのあまり手っ取り早く自分よりも強いと思えるものたちに取り入ろうとする話です。よくよく考えてみると、

私たちが危険を回避したい、なんとかして目の前の難局を乗り越えたいとあたふたとするときどうするでしょうか?一番簡単な方法で、即効性のあることに手を伸ばして早くこの局面から脱出したいと願う私の有り様がそのま

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クリスマスに読みたい聖書の話②〜イザヤ書7章(2)

クリスマスに読みたい聖書の話②〜イザヤ書7章(2)

ユダの王は、近隣諸国と同盟を結んだペカがエルサレムへ迫ってくるとの情報を得て狼狽した時の話がこの箇所です。王の動揺は「森の木々が風に揺れ動くよう」(7:2)と描写されています。それもそのはず、おそらくユダの王の目にはこの同盟軍というのはアッシリアをあしらうこともできるようにすら思えたでしょう。そこで、考えてしまうのです。同盟軍によって攻撃されるぐらいなら、

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神 動く

神 動く

一昨日これまで住んでいた居宅をお返しし、新しい場所へ移りました。
 これまで住んでいたところとは、2021年に入ってすぐとにかく出て行かねばらなくなった事情があり、同時に子どもたちが大学進学をするかもしれないという受験真っ只中で、本当にどうすればいいのかもわからないので、どっちに転んでもなんとかなるよう、家賃が高くても一時避難的にと考えて追われるように逃げた先。ハイスペックなマンションでしたが、や

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出てこい

出てこい

神は愛といえども、こんなにも厳しいのか、と思えるような言葉が連なっています。

愛の歌?

預言者イザヤは、パレスチナ、南ユダ地域で、具体的にはエルサレムで「愛の歌」をうたおうと声を上げました。その愛の歌の内容は次のようなものです。

 神が民を愛している。
 ぶどう畑の手入れをしたが、ぶどうの実は「酸っぱいぶどう」だった。
 あれほど手を尽くしたのに
 酸っぱいぶどうがなった
という歌です。

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よろめき倒れる者へ〜イザヤ書3章1−15節より

よろめき倒れる者へ〜イザヤ書3章1−15節より

ユダヤは王国になりました。周辺諸国と同等になりたくて、王制を受け入れました。しかし、二世代目にはすでに破綻したのです(早)。王制度は世襲が基本です。すぐに王位継承の大問題が生じました。三世代目では南北の地域にそれぞれの王が立てられました。

南王国には、外国の技法と建築材を取り入れ荘厳な神殿がありました。神殿を象徴として、「我こそ正当な王権を継いでいる」と威張ります。一方で北側では「正義を貫いた」

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愛の歌の底力

愛の歌の底力

歌の底力を感じます。わたしがこのことを教えられたのは毎週月曜日に沖縄県宜野湾市普天間で米軍普天間基地の野嵩ゲート前で歌を歌う友人に出会った時です。2012年から歌は続き、

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