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クリスマスに読みたい聖書の話⑦〜イザヤ書9章1−6節(1)

アドベントの第二週が始まります。第二週目はイザヤ書9章1−6節から。ところがこの箇所は読みようによってはとんでもなく好戦的に響く可能性があります。


1 闇の中を歩む民は、大いなる光を見/死の陰の地に住む者の上に、光が輝いた。2 あなたは深い喜びと/大きな楽しみをお与えになり/人々は御前に喜び祝った。刈り入れの時を祝うように/戦利品を分け合って楽しむように。3 彼らの負う軛、肩を打つ杖、虐げる者の鞭を/あなたはミディアンの日のように/折ってくださった。4 地を踏み鳴らした兵士の靴/血にまみれた軍服はことごとく/火に投げ込まれ、焼き尽くされた。5 ひとりのみどりごがわたしたちのために生まれた。ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。権威が彼の肩にある。その名は、「驚くべき指導者、力ある神/永遠の父、平和の君」と唱えられる。6 ダビデの王座とその王国に権威は増し/平和は絶えることがない。王国は正義と恵みの業によって/今もそしてとこしえに、立てられ支えられる。万軍の主の熱意がこれを成し遂げる。

イザヤ書9章1−6節 聖書 新共同訳

特に6節の「ダビデの王座とその王国に権威は増し…」から、ユダ地方(ヨルダン川南西部地域)の勝利宣言を読み取り、それを2700年近く引きずってダビデの王座こそが秩序と安定であると信じそれ以外を徹底的に攻撃することがまかり通るからです。読み違えも良いところだと私は思います。でもそれは読み方論だけでは済まされないのです。そうやって読むことで、利するより大きな体制があるわけです。その体の中で読んでいれば、この箇所は現在のガザへの攻撃も正当化されてしまうのですから。テクストには「正義と恵みの業によって…立てられ支えられる」とありますから、決して攻撃によって立てられたものを「平和が絶えない」とは言えない

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