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スマホ依存対策、敗北の記録 -脱スマホ依存方法15種試してみた-
みなさん、スマホ見てますか?
私は、朝起きて1時間見て、ご飯を食べながら見て、気の進まないタスクの前に見て、休憩で、トイレで、信号待ちで、歩きながら、もちろん寝る前も見て、1日11時間は見ていました。
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そこから私は様々な脱スマホ依存方法を試し、敗北を重ね、最終的に効果のある方法を編み出しました。
見ていってください。末期患者の血の轍と、たった一つの確実な方法を。
効果がなかった、もしくは逆効果だった手法
多くは、世の中で「効果がある!」と言われている手法たちです。しかし、末期患者の私には全くの無意味か、むしろ逆効果でした。軽度な依存になら効果ありかもしれませんが、あなたにとってはどうでしょうか?
1. 本当に必要なアプリ以外消す、隠す
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効果:なし(むしろ悪影響)
マジで意味ないです。またインストールします。その度に自己嫌悪が募り、むしろ不健全です。何度も試しましたが、毎回こうなります。↓
〜アンインストール初日〜 晴れやかな気分。決意と自己効力感に満ちている
〜2日後〜 イライラが自己効力感を上回る。意志の力でなんとか続ける
〜1週間後〜 衝動が弱まるのを感じる。脱スマホできたかも?私はなんて意志の強い人間だ!
〜3週間後〜 仕事が忙しく、心身ともに疲れ果てる。乗り切るためには慰めと気晴らしが必要だ。前ならスマホを見てたな…いや我慢だ
〜3.5週間後〜 ストレスで全然寝付けない。動画見て寝落ちしたい。でもダメだ…いや、こんな時まで制限すべきなのか?(判断力が落ちている)むしろ動画で脳を疲れさせた方が早く眠れるはず(言い訳)。私は意志が強いからまたやめられる(希望的観測)。ショート動画3本だけ見よう!
〜1ヶ月後〜 脱スマホ?あんなのむしろ体に悪いよ。制限なんてせず適度な距離を保つのが賢い大人さ(1日8時間使ってる)。時には息抜きしないと仕事の効率も悪いしね(メールを1行書いてはスマホをいじる)
これは、この方法をとったときに限らない「脱スマホあるある」です。
以下、サクサクいきましょう。
2. 通知をオフにする、最小限にする
効果:なし(むしろ悪影響)
軽度の依存症なら効果はあるかも。しかし、重度依存症の私にとっては、逆効果の猿知恵でした。
確かに、通知が無ければ集中は切られません。しかし、まだ集中しきっていない段階では、通知が無いせいで「もしかして、今メッセージきてないかな?」と思って自らアプリを開いて確認するようになってしまいました。
開いたついでに勿論タイムラインやストーリーを見まくり、気づけば1時間経っています。チェーンスモーキングになぞらえて「チェーンブラウジング」と名付けました。そのうち学会で発表したいです。
3. スマホをカバンにしまう
効果:なし すぐ取り出します。
4. スマホを別の部屋に置く
効果:なし すぐ取りに行きます。
5. 使いたくなったら深呼吸する
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効果:なし
スマホを見たいという情動に駆られたら深呼吸し、スマホを見たがってる自分を眺め、いま見るべきでない理由を落ち着いて考える。マインドフルネスです。
特別な環境やアプリも必要ない、非常にいい方法だと思います。
唯一の欠点は、ほとんど机上の空論である点です。
依存対象であるスマホを握りつつ我慢するにはマインドフルネスLv100は必要でしょう。依存症の人間にはほぼ不可能です。
この理論を提唱する人は、経験ゼロのシャイボーイに「ナンパすれば度胸ついてモテるようになるよ」とドヤるおじさんと同じです(追記:ナンパは迷惑なのでやめましょう)。
余談ですが、多分世の中で脱スマホ依存方法を発信している人の大半は、自身はほとんど依存してないと思います。じゃないと、こんなナメた机上の空論ばかり発信されている事態に説明がつきません。
6. 画面を白黒にする
効果:なし
全く効果を感じませんでした。効果ないし、見づらいし、ただ損してるだけです。
7. 「21時以降は使わない」など、自分ルールを決める
効果:なし(むしろ悪影響)
しばらくはいいですが、手法1と同じように、心身が弱ると我慢しきれなくなります。
そして、そのままズルズル使ってしまう上に、一度ルールを破ると、今後どんなルールも効力が薄れます。もはや人生に悪影響です。
ルールを守り続ければいいだけですが、これが難しいです。必ずと言っていいほど途中で「え、これいつまで続けんの?永遠??マジで???」と気づきます。
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そして、その果てしない地平線に目を向けてしまった瞬間、ゴールのない道を永遠に走り続ける日々を想像しながら我慢することになります。未来の分の苦しみも追加で感じることになるのです。
脱スマホに限った話ではないですが、守れないほどのルールや達成が厳しい目標は、むしろ害悪なので設定しない方がいいでしょう。
8. 利用ルールや目標を定め、ご褒美を用意する
効果:なし
「3日間我慢できたらハンバーガーを食べられる」「我慢できた日はカレンダーに赤いシールを貼る(シール自体が脳にとってご褒美になる)」などいろいろ試しました。
ムダでした。毎日ハンバーガー食べてました。
9. 利用ルールや目標を定め、人に宣言する
効果:なし
宣言する相手によっては有効だと思います。
例えば、厳しい家族と同居している場合、その人に宣言すれば、有効かもしれません。知り合いに宣言する程度では、効果がありませんでした。
10. スマホ依存改善アプリを使う
効果:なし
2種類のアプリを試しました。
ひとつめは、他のアプリを使用しない時間が続くと魚が育つというような、スマホを我慢するとでご褒美がもらえるアプリです。しかし、動画サイトやSNSを上回るほど楽しいわけもなく、すぐ飽きました。
ふたつめは、SNSを開こうとすると一瞬深呼吸を促してくれるアプリです。初めは悪くないと感じましたが、だんだん「はいはーい、深呼吸しましたー。じゃ、使いまーす」という感じになっていきました。
入学当初は先生にビビっていたのに、夏休みあたりからタメ口を使い校則も破りだす感覚です。
いいアプリがあれば知りたいです。
11. 利用時間制限設定をする
効果:なし
iPhoneでは「21時以降は使用禁止」「SNSは1時間まで」などの設定ができますが、自分で解除できるので無意味です。このままでは「自分ルールを決める」に毛が生えた程度です。しかし、後述する「自分以外の人にスクリーンタイムパスコードをかけさせる」までやると、最も有効な手法に化けます。
効果があった手法
12. 画面ロックパスワードを異常に長くする
効果:★☆☆☆☆
FaceIDや指紋認証はオフにし、パスワードを139桁にしていました。
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ここまで長いと、面倒だし、途中でミスってやり直しになるし、もういいや、となることが多くなります。おかげで、トイレや歩いている時など、スキマ時間で開くことは大幅に減りました。
しかし、寝る前など十分時間があれば、じっくりパスワードを入力して利用していました。あと、次第に入力が早くなり、139桁をほぼノールックで1分ほどのタイムで解除できるようになり、やめました。少しは効果があったが、本当に少しでした。
13. スクリーンタイム機能で利用時間を知る
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効果:★☆☆☆☆ → ★★☆☆☆
※重要度★★★★★
利用時間を知るだけでは改善しませんが、具体的な数値を突きつけられないと、スマホをめちゃめちゃ見てる自分に気づかぬふりするのが人間です。まずは、怖くてもスクリーンタイム機能をONにして利用時間を把握することが第一歩になります。
14. 利用時間制限設定をし、自分以外の人にスクリーンタイムパスコードをかけさせる
効果:★★★★★
これが、唯一脱スマホ依存を達成できた方法です。
ここまで紹介した方法がなぜダメだったか?それは、「スマホを使おうと思えば使えてしまう」から。言い換えると「意志の力に頼った」方法だからです。
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スマホ依存は薬物依存と同じく脳を変化させ、意志の力でどうにもならないことがわかっています。そのため「どう頑張っても有害な活用ができない」状態にする必要があるのです。
iOSに搭載されている「スクリーンタイム」を使えば、一見、アプリの利用時間を制限できそうですが、パスコードでロックする仕様上、自分でパスコードを設定すると、自分で解けてしまいます。もー、ジョブズのおっちょこちょい!
しかし、それならば、自分以外の誰かにパスコードをかけてもらえばいいんです!単純ですが効果は絶大です。
設定方法はこちらのページに書いたので、早速試してみてください。
ちなみに、機能制限した上で「カバンにしまう」や「別の部屋に置く」等の手法を併用することは有益です。
前提として、スマホは目に入るだけで集中力を奪うことため、目に入らないようにすること自体は望ましいのです。
ただ、機能制限をしていないと、ついカバンから取り出した時に使ってしまうためほぼ無意味という話です。機能制限をしていれば、カバンから取り出しても使えなくてすぐにしまうので効果があります。
15. 人生の目標を見つけ、そのために生きる
効果:★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
スマホを見るひまがないくらい、熱い人生を。
まとめ
ほとんどの方法は意思に頼った精神論であることがわかりましたね。
弱い依存状態の人なら効くかもしれませんが、、少なくとも私には無意味でした。
私と同じレベルの重症者の方はぜひ、誰かにスクリーンタイムパスコードをかけてもらってください。
設定方法→ https://note.com/essense_lab/n/n8e7bad5dee84
適切な相手が見当たらない場合、都内であれば私が設定しにいきます。その他にもスマホに関する悩みがあって相談したい方、一緒に何かしたい方など含め、X (Twitter)のDMでご連絡ください。
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