![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/110611802/rectangle_large_type_2_10e1e3829249a8ef748fed71fe091c90.jpeg?width=1200)
現代アートを観るということ
現代アートというと「理解し難いもの」
という印象を持っている人は多いだろう。
![](https://assets.st-note.com/img/1689152458467-8IkwMulktX.jpg?width=1200)
今となってはスマホひとつで手軽に
撮影できる写真だが、その歴史は
19世紀に入ってからと意外にも浅い。
それまでの文化や歴史的なイベントを
知る術は絵や文字による記録に限られる。
![](https://assets.st-note.com/img/1689152554240-w3Qjmh1xqT.jpg?width=1200)
つまり、写真のない時代の絵と、
現代の絵では描く意味が変わってくる。
写真のない時代の絵画の役割といえば、
凡ゆる事件や出来事、人々の暮らしぶりを
描き写した風俗画や、肖像画を含む人物画、
宗教画などをメインとしていた。
![](https://assets.st-note.com/img/1689156374165-W3zlWPgUzY.jpg?width=1200)
しかし、写真が登場し、それが庶民にまで
普及したことにより絵画のもたらす意味
そのものが変革の時を迎えたのだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1689156326766-y83hxv2BN2.jpg?width=1200)
「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 I」
「記録」をする必要がなくなった絵画は、
新たな存在意義を求められることとなり、
世の作家たちが模索し始めたのが
「写真では表現できないこと」である。
![](https://assets.st-note.com/img/1689153324327-R9IfE6ljYh.jpg?width=1200)
メッセージ性の強い作品、新たな技法や
アイディアに注目が集まるようになっていく。
ピカソやブラックによって生み出された
「キュビズム」という概念は、まさに
「写真では表現できないこと」であり、
世界に絵画表現の在り方を根本から
考え直させる機会を与えたと言える。
![](https://assets.st-note.com/img/1689156035745-T5AQpNpKQD.jpg?width=1200)
現代アートは定義付けが曖昧で、
一体どこからどこまでが現代アートの対象
なのかという見解は作家や評論家、
鑑賞者により様々だが、メッセージ性に
注目して鑑賞してみて欲しい。
作家自身の生い立ちやバックグラウンド、
社会に向けての問題提起、新たな概念の発信。
現代アートの中にはそんな
メッセージが多く込められている。
![](https://assets.st-note.com/img/1689154991456-m7MiWbyPVX.jpg?width=1200)
それが提起された意味を考え、
解決の糸口を見つけることは
鑑賞者側に委ねられている。
美術や芸術を鑑賞することは、
「ものごとを幅広く多角的に捉える」
能力を育むことにつながる。
![](https://assets.st-note.com/img/1689156206080-wABhjf3yWc.jpg?width=1200)
SNSの発達や、新型コロナウイルスによる
自粛生活によって、人と人とのつながり、
コミニュケーションの在り方が変わり
相手の気持ちや立場を汲み取ったり
重んじたりすることが難しくなった。
![](https://assets.st-note.com/img/1689155678734-b4SEW1VHer.jpg?width=1200)
言葉の選び方ひとつで人の人生をも
狂わせてしまう可能性のある現代社会。
そんな今だからこそ、自由で正解のない
現代アートに触れ、他者の存在や思考、
多様性について認め、柔軟な思想を
身に付けることが重要ではないだろうか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?