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燃え尽き症候群になってから約1年以上経過

昨年のこのタイミングあたりに自分の燃え尽き症候群についての経験を投稿。その頃から約1年が経った。最初の投稿からなにが起きたか、そして現在どうしていて、この状況ををどう感じているのかを書き留めたいと思っている。


実は2回燃え尽きた


1回目は昨年の4月ごろに経験。通常通りにやっていたメールの確認、メッセージの返信が苦痛に感じた。メールの内容が頭の中に入ってこない。ちょっとした洒落たランチでテンション上がるかと思いきや、食事もなかなか楽しめない。その頃から仕事に対して悲観的になったのも周りは気づいていた。勇気を出してお世話になっていた上司に話をして、理解をしてくれたものの、このような形でメンタルやられたのは初めてで、正直ショックが大きかった。自分は会社員失格と思ってしまったのだ。詳細はこの記事で語ったが、1回目の燃え尽きは約5~6か月かけて回復に努めた。

2回目は完全回復したかと思って転職活動をしたのちに今の会社に居残りながら別の部署に異動したときだ。回復期間はもちろん十分な休息をとることや、セラピーを通して自分と向き合う時間を設けたり、頑張れない自分に優しくはなってみたおかげもあって、以前よりは元気になった気がした。自分の仕事環境や将来に向けてのキャリアについて考える余裕がでて、転職活動に繰り出したのだ。結局は前からお世話になった上司たちに説得され、自分のなりの条件に応じてくれたのもあって、異動という形で今の会社に居残った。最終的には物事がうまくいかず、以前の状況よりひどい労働環境に身を置いてしまったため2度の燃え尽きを経験。

その後、いろんなことを考慮したうえ、今の会社に居残り続け別の部署に再度異動することになった。現在は幸いにも理解のある上司やチームに恵まれ、心身ともに健康的なライフスタイルをやっと実現できた気がした。


仕事を通して自分の価値を見出すことには卒業した


正直、シンガポール就職は自分によってはじめての海外就職でかなりプレッシャーは大きかった。環境から、コミュニケーション方法、働き方などなど変化が多く、仕事に慣れるまで思考回路を180度、いや360度変えていかないとやっていけなかった。ここに住み始めて本当にシンガポールに恋してしまったからこそ、仕事で成果を出さないと居残れない。折角いただいたシンガポール就職の機会が台無しになる。そんな恐怖を毎日感じながら、与えられた仕事はなんでもこなしたし、毎日残業してもできるだけ作業を終わらせられるようにしていた。

ありがたいことに上司のみならず、チームメンバーや同僚たち、クライアントからも高い評価を得ることができ、自分の価値を仕事でやっと証明できた。2020年に入ってから、コロナ渦で全員リモート体制に入り、働き方が大きく変わった。2021年からは会社側の都合で組織変革が始まり、今までの働き方がさらに大きく変わり…その変化についてくのも心身的に限界だったのか、燃え尽きた。

燃え尽きたての頃はやるせない気持ちに押しつぶされていたが、ある程度時間が経つと吹っ切れ始めた。転職活動を進めていくうちに、会社は自分の経歴と経験をこんなに評価されるもんなんだと自信がついた上に、信頼できるマネージャーのチームと一緒に働かないかといお誘いをもらったのもかなり自分の自信につながったともいえる。というよりかは安心感。自分が今まで費やした時間や労力は無駄ではなかったと確信できた。

そんなことで社会人最初の数年は走り続けたが、ここにたどり着いて初めてスローダウンしようと決めたのだ。バリバリ働いたころと同じレベルでのエンジンで走ることはできないが、最小限のエネルギーで最大限のパフォーマンスを出すスキル身に着けた。省エネであっても仕事が回るのではあればそれでいいんだと初めて気づかされた。


自分を守れるのは自分しかいない


結局のところ、仕事のため、会社のため、チームのため、クライアントのために全力を捧げたところで、いくら体調崩しても救命はしてくれない。会社が負担できる医療費なんて限られているし、セラピー費なんて一銭も会社から出してくれなかった。厳しい現実だけど、結局は体調崩して会社を休んでもできる会社側のサポートとしては休んでいる間も出してくれる給与、人事との面談、限られた医療費のサポート。

自分の健康を害したところでその代償を被るのは自分で、誰も守ってくれない。どうせあなたが働けなくなってしまって、使えない人材となってしまったら、会社は新しい人材を探しに行けばいいだけ。要するに身を削るように働いても、会社にとってあなたの代わりは探せばいくらでもいると思っている。『自分も仕事探そうと思えばいくらでもある』という感覚でいないと自分が辛い思いをするだけ。もちろんこれは需要と供給のバランスを考えてのこと。自分のスキルや景観がほかの会社にとっても役に立てられるという風に思わせられないのであればもちろん選択肢は狭まる。究極のところ、自分を守れるのは自分しかいないというのはそういうことである。


自分の中での優先順位が変わった


『精神科医が見つけた3つの幸福』でも紹介されたように、健康とつながりという土台が成り立っていないとどんなに成功しても幸せになれない。要するに仕事のせいで自分の健康状態が悪化したり、人間関係に支障が出た場合は、いくら仕事でうまくいっても人は決して幸せになれないということ。学生の頃から学業から、社会人になってキャリアばかりしか目に見えていなかったがそれは間違いなのだというこの地球上に28年間生きてきてやっと気づかされた。

自分がこんなに頑張っていた理由も幼少期の頃の経験によるものだとセラピーを通して学んだ。成果を出して認められないと選択肢が限られてくる、選択肢が限られてくるということは自由にも制限が出てくる。若い頃の経験を通して学んだのが、勉強も仕事も頑張っていかないと人生における選択肢が狭まり、自由度も低くなり、いずれかは不幸になるということ。決して間違いではないけど自分の健康や人間関係を犠牲にする必要はなかった。何故かというと頑張らなくても死にやしないからだ。

ということで、これからの目標としてはできるだけ健康的なライフスタイルを送ること。そしていろんなコミュニティを通して知り合った人たちとの関りや家族、友達との関係性を大事にすること。そして強いて言えば、自分が熱中できるものに時間を割けられるようなワークライフバランスを実現すること。

そして、健康や人間関係と同様、時間の大切さをこの燃え尽きの経験で学ばされた。人生の大半を仕事で費やしてきた20代。ちょっとした合間に趣味なり、遊びなりの時間を作れたのは確かにありがたいことだけど、仕事を優先第一として考えてしまうと、このちょっとした楽しみも同時に奪われてしまう。確かにお金があればあるほどいい。でも会社も仕事も、あなたの時間をお金で買っている場合が多い。それでもいいのであればそれでいいのだけど、私は少なくとも今限りある時間を今以上に大切に扱いたいと思う。どんな貧しい人でも、お金持ちな人でも、時間だけはみな平等に与えられている。『どうせ、いつかみなこの世からいなくなる』と私は日々思い起し、今日もまた丁寧に生きていきたいなと思えるのである。

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