eos Hoshiyo

詩を書いてます、思ったまま気楽に気軽に投稿したいなって思います。

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マガジン

  • 私がここ一年ほどに書いた詩のアーカイブと新しく書いた詩を投稿していきます。

  • black and transparent

    透明すぎるものは黒く見える、そうあって欲しいと望んだ

  • スターリーユニコーンダンス

    彼はユニコーンによって何を徴するのか、私は隠したい、私はあらわしたい。いつまで続くかわからない、言葉遊び

  • 七月国の物語

    これらは星々の御座にまします七月国の王子様から聞かせていただいた物語。いくつもの寓話が、夜空に散乱している中の一つ。ここで誰かの何になるわけでもなく、ただ慰めに語られる、七月国の物語のひとつ。 悠古の約束の下、いくつもの星の物語を、いつも私と紡いでくださることを、尽きることなく感謝します。

  • 遠きミラ、追憶の

    今は遠き不思議の星ミラに関わる追憶の詩。

最近の記事

【詩】冬の箱いっぱい

かがやく星夜ふる星夜 六芒の光の生まれまことの名 夜はあかるく夜はあかるい 雪よりも月よりも夜よりも 冬の星夜はダイヤモンドと白の箱 あかるいあかるい 出会いと思い出の箱いっぱい 積み上げるほど箱いっぱい クリスマスカードを買ったので、装飾してたら興が乗ってきて、書きたくなってカードに書いた詩です。 良いクリスマスを!

    • 【詩】無限の旅〜素描〜

      きみが海の中で星のかけらを集め続けたのなら 水鏡に映っている星の海でぼくは 当然のように太陽のかけらを集め続けている 虚空に散らばった無数のかけらを 無限の時に渡って 繋げ合わせても決して元に戻らないような 数えきれない砂のようなかけらを 永遠の時に渡って探し求める 返らない歌を歌いながら 海の波をつくりながら 光のない空を泳いでいく 海の底できみが青い星の細片に傷つきながら その美しい歌声を響かせる幻想が 導きの詩篇となり 人々の心に光を顕すとおり 水鏡の向こうで暗闇もま

      • 【詩】まだもっと水になれ

        まだもっと水に近づいて まだ足りない まだもっと水になっていく まだ足りない 水に浮かぶ花弁の張力も浮力も失って 沈んだなら溶けて 遊色さえ飲み込んで プラジオクレースとアノーサイトの間 渇いた水から溢れ出す 暗湿の透明を注ぎ 終いに水になる 水になる 水だけが長大で簡潔な掟を保存して それを秘密に仕舞い込み あらゆるものに行き渡る 水になれ、水になれれば 誓いも定めも呑み込んで どこまでもすべてに変わる 暗流の底へと沈み 星よりも深くへ落ちていき 水になれ、水になれ

        • 【詩】月星はかように歌った

          あなたがわたしに月星を与えるのなら 世界の水はどこまでも注ぎ落ち 時間と言葉の隙間を満たすだろう 日照りの太陽に向かい 理不尽な掟を語る者など 黒い水の中に沈めてしまうのだ 無機と有機が円環の巡りに踊らされ 過去が次々と組み上げられてはまた崩れ 人々がつかむ理の端切れを 濫流が奪い去り押し流す 一つ光もなく意味もない闇に あなたが星の名を与えたから わたしは荒波で海砂を掻き乱すように 小さなものたちを吹き散らす あなたを脅し縛るもの あなたを咎め貶めるもの どんな名前の糸も

        【詩】冬の箱いっぱい

        マガジン

        • 126本
        • black and transparent
          8本
        • スターリーユニコーンダンス
          6本
        • 七月国の物語
          16本
        • 遠きミラ、追憶の
          5本
        • アネモイの歌
          5本

        記事

          【詩】沈降の歌

          白銀や白金に傷をつけて 無疵の鋼や夜の青玉に 無数の擦り傷を まろい深海の水に降り続く 無限の雪の殻は ぼくの肌を撫ぜさえもせず通り過ぎるだけ 何も知らない無垢と 何か失った空虚とは違う 目を覚さないままでもしも このまま海泥の褥に眠るなら ぼくは何のために歌声を失ったのだろう 残酷も棘も横暴さえも すべては合図に過ぎない 伝説も栄誉も希望さえも すべては序奏に過ぎない 朝陽よ、誰も知らない言葉によって 闇の底へと刃を差し込んで 報われなくていい 救われなくていい この

          【詩】沈降の歌

          【詩】歌と、あらゆる連想を

          陽炎と水気の中に星さがし 瞬く間の星霜のおり重ね 境目のない漣と潮汐のほんのひとかけらにも 君の花、君の火花を探す 贈れるものが無いのなら 歌と、あらゆる連想を お誕生日の記念に!

          【詩】歌と、あらゆる連想を

          【詩】前を走ったりせず明日へ行こう

          前を走ったりせず明日へ行こう 誰かより先を行こうとする必要はない 満ち足りた花は道端に咲いているし 足音は軽やか、空の雲の白さなら 君が目を上げて確かに見ている 尊いものは朱子織の星のように 数多と春の錦に散りばめられて かき集める必要さえもない 誰かより先に行くことよりも ずっと素晴らしい旅がある 例えば一輪小さな野菊を手折り 他愛ない言葉を歩速の拍子で交わすこと そうやって明日へ行こう こんなにも幸せな気持ちのままで 君の後ろを歩いていく

          【詩】前を走ったりせず明日へ行こう

          【詩】極楽鳥の淡い影

          君の落とした七色の影を見て 人は言う、風喰い鳥は眠らないと 絢爛を引き装い羽ばたく羽根の 微風にさえ乱れ戦ぐ細やかさを隠し 空の頂はまだ遠い けれど君は、儚さを己で引き破る必要はない 淡色の羽影を恥じることはない ましてや風に向かう翼を 罪に思うことはない、誰に理解されずとも 理解されずとも その影さえも、誰かのグレアになるのだから

          【詩】極楽鳥の淡い影

          【創作童話】ボレアスのお客様

           吹雪が一日中吹きつけて止むことのない北の峰の雪の吹き溜まりのとても分厚く積もったところに、白い子グマのボレアスが住んでいます。雪に穴を掘って丸い扉を取り付け、中に快適な家を作って一人で暮らしています。  家の中はボレアスの好きなものでいっぱい。壁には赤いタペストリー、木の本棚には分厚い児童書のコレクション。また、愛らしくて幻想的な絵本の数々…自慢の百科事典。 暖炉、揺り椅子、ふわふわの膝掛け、素敵な燭台、ハーブの香りの蝋燭。キラキラと輝くガラスの置物。  美味しいスープを作

          【創作童話】ボレアスのお客様

          【詩】バイオレット・ダンス

          月光よりも、 なんて美しいシロップ 君が嫌いなバイオレットの香り 悲劇の宝石を溶かしたような 甘苦い重いカクテルのなか 僕とダンスを 沈みゆくシルバーシュガーゆっくりと 飛んでいく微かな炭酸の空世界 暮れない夕紫のユートピア 藍色のドレスを揺らして 切り抜かれたハート 抒情的なピアノを鳴らし 透明な哀しみの青色の 僕とダンスを 額装されないカンバスに 毒のように甘い百花蜜 二人で描いた絵 渇きを癒すこのカクテルに 僕は満面の笑みで君を誘う 僕とダンスを 一番甘美な短調で聴

          【詩】バイオレット・ダンス

          【詩】水の主人

          あなたはあなたこそ 水の主人 暗い水の始まりが 大いなる蛇と呼ばれ 創世の鳥の前にあり 太陽の船の前にあり 星になる前の毒と霧から生まれた 誰も知らない質量 有象万象の放射が溢れ出す その前に一番底に凝集し 鬱積する深い眠り 表層が嵐立つとも沈んだままの あなたがあなたこそ 嘆きの凝晶、輝くことのない黒の底 流れ去ることのない喪失の語 忘れ去られた始まりの星 あなたが沈み、天空が定義された こんなにも広くなってしまった 孤独な世界の大気の底に残された あなたはあなたこ

          【詩】水の主人

          【詩】金星を呼ぶ歌

          あなたは夜空の炎だ 姿を見せれば明明と煌めく金星よ 西空を見つめる旅人の目を 奪わずにはいられない それなのに、冬の冷たい千切雲次々と 目隠しをしてヴェールを被せ あなたを冥くしようとする 夕暮れ時にこそ明く燃えることを 諸人に望まれ祈りを受ける星よ 木星が大粒の涙を落とす 月は細く無力な憂歌を歌うばかり 氷の黒雲は吹けば飛ぶようなものなのに 遠いあなたの栄光の火を隠す まるであなたが居ないかのように 旅人は落胆し、残された孤独を思う あなたという炎が居なければ 明日への星

          【詩】金星を呼ぶ歌

          【詩】犠牲、春のために

          春を呼んで風よ 空に残した明るいシアンを 全てあげるから 大地が咲かせた喜びを飾り 四隅も明るい詩を謳い 色とりどりのリボンと 白い花々をその手から投げて 春を呼んで風よ 朝露と草花の香り まるで何の悪いこともなく まるで希望だけのせせらぎ かつての国にあったけれど 長い間ここへ訪れぬ春を 星を宿す瞳、夜を宿す髪を輝かせ 風よ、あなたが大地を蘇らせて! 見知らぬ国にではなく 確かにここへと連れてきて 期待と昂揚を香りにのせて 春を言葉もなしに目覚めさせて まだ涸れずに残った

          【詩】犠牲、春のために

          【詩】さびしきものよ面影よ

          祝ぎの宴の花影透かしみた 障子の歌う口笛を 塞いでおくれ 童の手拍子、椛の葉 冬の来たればしんしんと 雪落つ音に枕して さびしきものも眠れるか 春の来たればぽつぽつと 雪解け雫に目を覚まし 明るき瀬へと流れ込み 空に上がりて雲となり 散っていつかは忘れるか さびしきものよ 面影よ

          【詩】さびしきものよ面影よ

          【詩】金砂のストームグラス

          こんなにたくさんのものを失くした 砕けないはずの構造を破ってまで 金砂のストームグラスに 埋没させた朝夕の万色 落とし物を受け取ろうともしない君は 何も無くしていないと信じているから 砂遊びをくりかえす昼夜 重ねゆく薄紙の日記帳 目覚めない金砂の嵐 静まる日を待ち続ける フラスコの中にうずくまり 星の見えない眠りのスクロール 四つの錠が溶けるのはいつ? 約束しよう、 彗星線は幾筋も降り注ぎ 金砂石を通しても遮れず 誰の手にもつかまえられず 取り除くこともできない こんなにた

          【詩】金砂のストームグラス

          【詩】眠るセイレーンのための歌

          空想の絵の具を集める 星座でできた君の金の箱 今はもう自由に虹を描けるだけの 探し続けた黄色もあるけど うつ伏せに絵筆を持ったまま 君は眠ってしまった 透明弦のアルペジオ 凝った碧を粉にして 君は想像の水に入り 金剛石の涙をばら撒いて 息を全部溶かしてしまう 目を覚まして 息などしなくていいから 現実の潮の中で 君の絵の具は分子を結んだ もう怯えなくていい 雨が降ることも ただ君は感情の喉を開き 歌ってごらん ここに二人がいることを 閉ざされたままの瞼で 君が想像を拒むも

          【詩】眠るセイレーンのための歌