【詩】犠牲、春のために

春を呼んで風よ
空に残した明るいシアンを
全てあげるから
大地が咲かせた喜びを飾り
四隅も明るい詩を謳い
色とりどりのリボンと
白い花々をその手から投げて
春を呼んで風よ

朝露と草花の香り
まるで何の悪いこともなく
まるで希望だけのせせらぎ
かつての国にあったけれど
長い間ここへ訪れぬ春を
星を宿す瞳、夜を宿す髪を輝かせ
風よ、あなたが大地を蘇らせて!
見知らぬ国にではなく
確かにここへと連れてきて
期待と昂揚を香りにのせて
春を言葉もなしに目覚めさせて
まだ涸れずに残った涙の水を
小さな水晶の杯に
あげるから

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