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遠きミラ、追憶の

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今は遠き不思議の星ミラに関わる追憶の詩。
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記事一覧

【詩】繰り返し、ミラ・バリアブル

地平に沈んだサインスター
通りすぎた微睡の星世代
何億年も前の話なんて退屈な
そんな話をしたいわけじゃない

留め置かれたイブニングスター
鍵かけられた東の庭
最初から、
始めなければ良かったねこんな御伽噺

今日も脈動星を探して
何度でも気づいて忘れ
また振り向いてこんな御伽噺

空に架けても眩いポールスター
誰もが目当てにする光よ
全ての歌のはじまるところ
全ての兆しの結ぶところ

忘れてしま

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【詩】青い星のアーキタイプ

たどる星列、古い名前、α、β、γ、σ、
星は距離とも係わらず順列にされ
繋がれた物語は恣意に書き換えられた
薄い器に注ぎ砂漠で生まれた生命
最初から嘘をついて契られた約束
暗示の全てが積み上がってできた壮大な分子の世界
弱い力、見えない物質、斥力、確率波
どこかでまた、心ひとつのために
ゆるい螺旋がぶつかり壊れて
蝶の翼を揺らしに小さな粒子を投げかける

残酷な矛盾を疑いもなく肯

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【詩】嘘告鳥の古い説話

【詩】嘘告鳥の古い説話

この古い説話を君は覚えているだろうか。

かつて白い翼のある鳥が、戯れに嘘をつき、
神々の時の神殿にひとつの傷をつけた。

その小さな鳥にとっては、
喉から出た軽くて小さな一言だったが、
荘厳な神殿の無垢なる柱には、
一つの傷も許されない。

名も無い鳥は天の庭を追われ、
その翼の光を奪われた。

その日から、その鳥の身はどんな日差しを受けても黒一色。
どんな朝焼け夕焼けの中でも、何の色も映さない

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【詩】ふしぎの星の竪琴の詩

蒼穹の隙間を流れていた竪琴の音
言葉が嘘でも風は真実
傷つける感触や憎悪の炎は尤もらしく聴こえ
正義や意志が白く光って見えるけれど
結局はそんな翼で空は飛べない
あれが欲しいこれが欲しいと言ったらいい
一番手に入らないものを欲しがるためには
それ以外の全てを掴んで捨てて

寒色の青空の中には何も無い
人が知るものは何も無いけど
それ以外の全てがあると歌う竪琴の寂しい音色
遠ざか

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【詩】二度とミラには帰らない

憎悪の彩り縁取る蒼穹に
遠い星から花びらが降る
燃やし尽くして血に濡らし
僕らの閉ざしたゲート
いつか白い翼を手に入れたなら
嘘も赦されると思ってた
人が幸福と呼ぶものを背に生やし
振り返った時笑ってもらえると思ってた

僕らの閉ざしたゲート
最も欲しかったものを得られないまま
疵の寓話を書き終えた
大人になるために閉ざした扉
もしそれを開けて叫んだら
僕はもう魔物 白い翼

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