【詩】前を走ったりせず明日へ行こう

前を走ったりせず明日へ行こう
誰かより先を行こうとする必要はない
満ち足りた花は道端に咲いているし
足音は軽やか、空の雲の白さなら
君が目を上げて確かに見ている
尊いものは朱子織の星のように
数多と春の錦に散りばめられて
かき集める必要さえもない

誰かより先に行くことよりも
ずっと素晴らしい旅がある
例えば一輪小さな野菊を手折り
他愛ない言葉を歩速の拍子で交わすこと
そうやって明日へ行こう

こんなにも幸せな気持ちのままで
君の後ろを歩いていく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?