【詩】無限の旅〜素描〜

きみが海の中で星のかけらを集め続けたのなら
水鏡に映っている星の海でぼくは
当然のように太陽のかけらを集め続けている
虚空に散らばった無数のかけらを
無限の時に渡って
繋げ合わせても決して元に戻らないような
数えきれない砂のようなかけらを
永遠の時に渡って探し求める
返らない歌を歌いながら
海の波をつくりながら
光のない空を泳いでいく

海の底できみが青い星の細片に傷つきながら
その美しい歌声を響かせる幻想が
導きの詩篇となり
人々の心に光を顕すとおり
水鏡の向こうで暗闇もまた歌を歌う
嘆きにもなろう、涙にも
心を震わせる水底の太陽よ
きみが孤独である限り
ぼくも孤独を骨格にして泳ぐ
軋む痛覚こそが光になる
無限の旅でも歌は枯れることはない
飢えが癒えることがないとしても
集まることのないものを集めることを
願いと祈りと呼び続ける限り
これが生命と呼ばれる限り
ぼくはこの旅が愛おしい


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