【詩】さびしきものよ面影よ

祝ぎの宴の花影透かしみた
障子の歌う口笛を
塞いでおくれ
童の手拍子、椛の葉

冬の来たればしんしんと
雪落つ音に枕して
さびしきものも眠れるか

春の来たればぽつぽつと
雪解け雫に目を覚まし
明るき瀬へと流れ込み
空に上がりて雲となり
散っていつかは忘れるか
さびしきものよ 面影よ

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