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Guitar1227

またを見ていた。

飛ぼうとしてうまく飛べなかったのか、見上げても色が無かったのか、よくは思い出せないけれど、そんな微妙な「空」の夢。

靴下を用意する子どもでも遠足前の子どもでもないけれど、リュックに荷物を詰めて、新しくおろしたものを身につけて、眠れぬ夜を過ごした。色々なことを思い起こしながらその日歌った曲を最低限のトリミングだけしてアップして、全然思ったように準備は整わなかった、片付けも、"Affirmation"歌い直しも(ロブの曲も)間に合わなかった、けれども仕方ない、全ては仕方なかった、"C'est la vie."だ、と、目を閉じた。どうせまた1、2時間で目覚めるだろう。そしたら出発だ、と。

案の定浅い眠りで、冒頭の余韻のような感覚と共に起きた。嫌な感じがした。

最悪のタイミングだった。"Tomorrow comes with one desire"だったのに。久々に電車に乗れるはずだったのに。

この時のために一年弱、結局充分には間に合わなかったけど動いてきた。色々飛んだり麻痺したり壊れたりしている私だけど、固く決めてきたことだけれども、リミットを外すものが無ければきっとガードがかかってしまう。ここしか無かった。

たとえ息絶えていたとしても、制御できない血まみれの状態で発見されたらと思うと戦慄した。実際の生息地や種類、性質までは確認しなかったけど、血に誘われてクマやその他の野獣がやってきて生きながらに食いちぎられることになるのではという懸念が頭をよぎった。そんなの(物理的な)生き地獄以外の何物でもない、それでは救済にはならない、意味がない。

出発できなくなった。

絶望した。呪われている。残酷にも程がある。

あまりのショックに、文字通り、寝込んだ。夜まで。そして起き上がって、ふと街へ出た。何故そうしたのかは、正直よくわからない。

入り口付近にツリーが飾られているデパートには入る気がしなかった。それで、「この時間でも開いていて、混雑していなくて、ケーキが買えるところ」という条件で浮かんだお店へ向かった。そして、いつものように、普通のケーキを1ピースだけ買った。私鉄系のスーパーにも寄って、肉を買った。

私にとってその日は、志村さんのことを想いつつ、ケーキと鶏を一人分買って食べる日だった。

翌日も、翌々日も、寝込んでいた。こんなに長く眠ったのは久しぶりだった。寝てばかりで負担がかかったせいか、起きあがろうとすると腰と首が痛い。今も。ギックリ腰とやらになるのではないかと恐れている。

「空」の夢の残骸の関係か、また思い出したことが出た。

私はすっかり洋楽を忘れくるりやフジファブリックのライブジャンキーになっていた時期以降に一枚だけ、ダレンのアルバムを買っていた。

前に、ダレンダブリンに移住をした(?)というのと彼の二度目の結婚のことが結びついた謎記憶を書いたことがあるんだけど、それは私が謎タイミングで何故か手に取った"The tension and the spark"(2004)に入っていた"Dublin sky"の印象からだったのではとわかった。

ダブリンと結婚がセットで記憶されていたということは、アルバムが出てから少なくとも一年後以降に手にしたのではと思う(し、体感としてはここ10年くらいの間のことだったような気もする)のだけれども、きっかけもタイミングも全く思い出せない。
そしてこのアルバムでは、私は"Dublin sky"だけがお気に入りで、"Dublin sky"だけを繰り返して聴いていた(正直、それ以外は合わなかったのだ)。のに、それも忘れていた。

色々よくわからないけど、この曲も今浮上してきたということはきっと歌っておくべきなのだという気がした。ので、歌いに出た。

歌わない日が出ると、低音と、低音から快適音域の間の、地声だと出しにくいけど切り替えるには低い微妙エリアがすぐに影響を受ける。この曲はそんな微妙エリアが多くて、特に後半で声がひどく裏返ることなどが頻繁。
今回もここ最近続いている記録用のラフ練習&録音(編集が楽だからすぐにアップできる)で、明確に間違えたところだけ途中で歌い直してトリミングした形なんだけど、後半は何箇所も切ることになった。そしてその過程で訳がわからなくなって、トリミングし過ぎてメロディーが欠けたまま保存してしまったり("How many days"と"Have I been wasting"の間)歌詞も間違えていたり("nights"の部分を"days"と歌っていた)と、相変わらず頭が死んでいる。

今回初めて歌詞を読んだけど、"Dublin sky"はとても美しい「喪失」の曲だった。(リピートして聴いていたくせに、何故かCD購入当時歌詞は読んでいなかった。)

何となく、最初のパートナーの方を想った曲なんじゃないかという気がしたんだけど、どうなんだろう。レコーディング時期などからすれば、確実に離婚後&性自認の転換後だと思うんだけれど、曲中のギターリフ、"I want you"(Savage Gardenの1stアルバムに入っている、彼らのブレイクのきっかけになった曲)のものと一緒だし(この曲内の弾き方や位置付け方はだいぶ穏やかだけど)、冒頭の「通りを孤独に歩いている」シーンなんて、"the lover after me"のデジャヴだし。加えて"Have I been wasting all those years?"だから、わりと長い間、喪失と涙を抱えていることになるはずで、そうするとやっぱり"the lover after me""I don't know you anymore"の先なのではと思えてくるんだよね。(ちなみにこの曲と"the lover after me"は共にGで調も同じ。)川縁のシーンからもお相手が女性なんじゃないかって気がする(これはジェンダー的先入観でよくないことなのかもしれないけど)。
そういえば、私が歌詞に触れない段階で何故か惹かれて持っていかれてしまったという点も"the lover after me"と似ているな。まあこれはダレン側ではなく私の反応の問題だけど。そしてやっぱり謎感覚は謎過ぎる。

謎感覚、無意識の曲の取捨選択や記憶の制御とも関わっていて聴覚との連動がある気がするんだけど、何なんだろう。

野鳥版日本語↓
ーーーーー
僕は今夜孤独な通りにいるんだ
どうしてこうなってしまったんだろう
僕のどこがそうしてしまったんだろうか、わからない
重たい雲がダブリンの空を覆っているよ
僕には何が残されているのだろうか
僕にはいったい今何があるんだろうか、わからないよ
だから距離をとってみることにしたんだ
そして"Amazing Grace"を歌ったよ
僕達の思い出全てを曇らせてね
でも、ずっと、君の痕跡が
君の

あの川縁で笑っていた日を思い出すよ
君は僕と一緒に飛ぼうとしていて
僕は君が向かって飛んでくるのを受け止めようとしていたね
君の震える鼓動はとても速く脈打っていた
両手を包み込んで君は約束したね
かたく手を合わせて僕ら、一緒に「3つ」まで数えたね
でも僕は君の指が滑っていくのを感じたんだ
そして君の考えが変わるのを見た
もしあの時、僕が君を引き寄せていなかったなら
君は僕に一人で飛び込ませていたんだろうなって思うんだ
君無しで、僕ひとりでね

彼らはわざわざ君をハリウッドから送って寄越したんだ
でもきっとダブリンの空が君を変えてしまったんだろう
君の瞳の中にダイヤモンドを入れてね
僕はずっと、僕達なんとかやっていけるって思っていたんだよ
最初に君の口から聞きたかった

あとどれくらい、君の存在を惜しめばいいの?
君を忘れるために、あと幾晩かかるの?
僕はこの間何年も、無駄にしてきたの?
この涙に支配されることで
どれほどの夢を投げ捨ててきたことになるの?
どれだけの希望を捻じ曲げればいいの?
僕は無価値なものとして埋められてしまったの?
この痛みに支配されることで

僕は君をどれだけ乗っ取ったの?
どんな風にここで振り返ればいいの?
どうすれば僕は終えられるんだろうか?
こうしてダブリンの空の下、泣きながら横たわっていることを

あとどれくらい、君の存在を惜しめばいいの?
君を忘れるために、あと幾晩かかるの?
僕はこの間何年も、無駄にしてきたの?
この涙に溺れることで

あとどれくらい、君の存在を惜しめばいいの?
君を忘れるために、あと幾晩かかるの?
僕はこの間何年も、無駄にしてきたの?
この涙に溺れることで
ーーーーー

何となく、ダレンには、性に関係なく、最初のパートナーの人はとても大切な存在だったんだろうなと感じる(実際に"Dublin sky"がその方を思って歌った曲なのかは不明だけど)。こんなに想い想われるって、悲しいけど素敵だなって思う。失意の中、歌われた"Amazing Grace"はどんなに悲しく美しかったことだろう。

またこんな時間になってしまった。

数日後にどうしているか、わからない。せめてあと少し、"Affirmation"歌い直しの編集をしてポストできればと思っていたんだけど、なかなかその気も起きない。



また盛大に失敗した
戦争は終わらない、身勝手な人間が望まないから
カボチャのタルト
適当な肉が無かったので手羽元になってしまった。育てているローズマリーと。

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