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ドナウの旅人/宮本輝

kanaさんから勧めてもらって読んだ本。

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ドナウ河に沿って旅をする2組のカップルが主人公(なのかな?)のお話です。
西ドイツからずーーーーーっと河沿いに下って何ヶ月もかけて旅をして。
設定だけ見るととても「いいなー」って感じたし、ストーリーとしてもとても「いいなー」って感じでした。

3つの河が混じりあうパッサウにも行きたくなったし、一気にくるというバイエルンの春もとても魅力的だし、共産圏でのゴタゴタとジプシーの歌と、そういうの全部がとっても具体的に書かれていて、写真のような小説だなあと感じました。

この間まで「もう全部めんどくさいからルーマニアとか通ってトルコまで行って帰ろうかな〜なんて考えてたけど、これを読んで「東ヨーロッパは怖い!」ってイメージがちょっとついちゃって、でも時代が違うもんなー、今は充電器さえあればだいたいのことがスマホでどうにかなるしクレジットカードもあればまあ不自由しないよね?とかも思います。

ただこの小説の登場人物たちにはどうにもあまり共感とかができなくて、まあ長瀬、小泉、エミ、ペーターには「おーうんうん、わかるーー!」みたいなところがちょくちょくあったけど、特にマサコとキヌコの母娘にはどうも親近感がわかないというか。

昭和的すぎるからかな?
最初読み始めたとき、マサコの人物描写とかで「ムムム?」って思って。作者についてとか全然知らず、調べず、ただ勧めてもらって、設定が面白そうで、ヨーロッパが舞台だから今の私に良さそうじゃんって思ってポチッとして。それは確かに今の私にぴったりでストーリーは面白かったけど。

なんかこう、昭和のあるべき女性像、って言われかねないような、あまりにもこうあるべし感が強くない?って思って作者について調べたら案の定おじいちゃんだった。
いや時代的に仕方ないとか、そういうものだったとか、そもそも今の世でも、時代がどうとかではなくナチュラルにこういう女性っているんだとは思うけど、少なくとも私の周りにはマサコみたいな話し方をする女性はいなくて、だからなんかこう、リアリティのない人間だなあって思った。
「写真のような小説」と感じた所以はここにもあるのかもしれない。マサコもキヌコも、エミもガビーもアムシュタイン夫人も、ちょっと見られることを意識しすぎて女でいようとしすぎて小説的すぎる、そんな感じ。

まあそんな小説っぽさを除いても旅はめっちゃ旅って感じだったし小泉たちの演奏は私も聴きたいし長瀬がこれからどうにかがんばってくれたら私もがんばれるかなって感じで、えーっと、いいなー!私も仲間と旅に出たいー!ひとり旅も好きだけど頼れる人と気ままな旅したいー!って感想です。いや定住したいわ。毎日安心して同じベッドで眠りたいわ。

あ、長瀬の絶望と、絶望だと思い込んでいたものと、には「まじほんとそうだよねー」って私の中の女子高生が抑揚のない声で同意していました。

何より言いたいのは、私はシギィよりペーター派ですということ。
めちゃくちゃ雑だけどとりあえず感想文としておいておく。
今日もう一冊めちゃくちゃすごい小説を読んだのでそれについても今週中には書きたい。

なんだかとっても眠い。なんだこれは。
シャワーしてミイラになって(前回参照)寝ます。おやすみなさい!

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