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私の恋愛

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私の恋愛の中で生まれた感情を、良いものも悪いものも隠さず綴った記事のまとめ
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眠りにつくまで

眠りにつくまで

目が覚めたら、一緒に寝ていたはずの彼が隣にいなかった。

不安になって見渡すと、ソファで眠る彼を見つけてほっとした。

前日、私は仕事でしんどいことがあって、年甲斐もなく会社で少し泣いてしまった。誰にも見られないようにしていたつもりが、彼の目に留まってしまったようで、業務用のチャットで「何かあったの?」とメッセージが来ていた。

「何でもないです」と返したけれど、なんのためにそんな嘘をついたのかは

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恋が始まる苦しさ

恋が始まる苦しさ

恋がまた始まった。
相手は13歳上の職場の先輩。

もともと仲の良かった私たちの距離が、ある日の飲み会をきっかけに縮まって、触れ合える距離になってしまった。

その時芽生えた得体の知れない感情。

私はそれを、気の置けない先輩、尊敬する人、もともとそう思っていた彼に直接触れることができてしまったことから来る「ただの高揚感」だと思おうとした。

けれどそうではなかったみたいで、ここ数週間でそれは明確

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可愛くなったね

可愛くなったね

「なんか可愛くなった?」

金曜日の夜、久しぶりに会った彼がそう言った。

嬉しくて少し恥ずかしかった。

21時からの約束だったけれど、珍しく18時過ぎには会社を出られたから、一度家に帰ってシャワーを浴びて入念にメイクを直して髪も巻いた。

可愛くなったよ、私。ちゃんと可愛くしてきたんだよ。

ここ数ヶ月、私の方からなんとなく距離を置いていた。
理由はいくつかあって、うまく言葉でまとめられない。

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ちゃんと好きだよ

ちゃんと好きだよ

2週間前に聞いた彼の言葉が、ずっと頭から離れない。

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彼と初めて出会ったのは、ちょうど半年前の、秋の匂いが微かに香るようになってきた頃だった。

通い慣れた立ち飲み屋で初めて見る人だった。よく笑ってよく喋る人で、きっといつも会話の中心にいるような盛り上げ役みたいな人。

第一印象はそんな感じだった。あと、左手の薬指に指輪をつけていて、スマホのロック画面は2歳くらいの子どもの写真だった

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「ごめん」と言わないでほしかった

「ごめん」と言わないでほしかった

好きな人に好きだと伝えてから、もうすぐ2ヶ月が経つ。

「俺も好きかも。でもまだ分かんない。」

あの時、そうやってちっぽけな期待を私に抱かせた彼。

彼と1ヶ月ぶりくらいに会った。いつものように夜ごはんと称して飲みに行った。飲み始めてちょっとしてから、彼と会う前に買ったちょっと高めのチョコレートを渡した。遅めのバレンタイン。

もともと今日はこれを渡すことを口実に会う約束を取り付けたようなものだ

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普通の恋がしたい

普通の恋がしたい

偶然出会って、ひょんなことから意気投合して、お互いなんとなく好きになって、少しずつ距離が縮まって、些細なことにときめいて、そんな恋がしたいとふと思った。

何度もデートを重ねて、お互いの気持ちが同じだと知るまでに時間がかかって、手を繋ぐまでに時間がかかって、キスをするまでに時間がかかって。そういうくすぐったい恋。

こう思うのは、アプリで当たり前のように出会えて恋ができる時代だからなのか、自分がそ

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片思いの苦しさ

片思いの苦しさ

親友が私にくれた問い。

恋は選択の連続だ。特に、片想いの場合は、より悩ましい選択を迫られる。

友達、遠くもないけれど一番近くでもない、相手にとって当たり障りのない存在として注がれる平凡な優しさ。きっと一生続く優しさ。

恋人、誰よりも一番近くで、相手にとって最も愛おしい存在として注がれる特別な優しさ。きっといつか終わってしまう優しさ。

私の親友が選んだのは、前者だった。特別な優しさが欲しくて

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好きと伝えること

「好き」

彼と一緒にいる間、彼を見ながら何度も心の中で呟いたこの言葉を口に出すまでに随分と時間がかかった。

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先週のはじめ、「土曜日空いてる?」と彼からメッセージが来た。先週の土曜日はクリスマスだった。空いていると答えた。

ただ暇だから誘われただけなのだろうと分かってはいたけれど、好きな人とクリスマスを過ごせることがただ嬉しかった。

彼と会ったら好きだと伝えよう、そう決めて

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甘いものに目がない私

甘いものに目がない私

久しぶりに気になる人ができた。

4ヶ月前に付き合った彼氏と最後に会ったのは1ヶ月半前。最後に連絡を取ったのは2週間前。随分と前から分かっていた。もう終わりなのだと。

別れようという言葉は彼も私も口にしていないけれど、もうとっくに終わっていた。

彼のことはもちろん好きだったけれど、会わないうちにその気持ちはどこか遠くに行ってしまったみたいだ。彼もきっとそうだと思う。

彼のことを全く考えない日

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パスコードは息子の誕生日

パスコードは息子の誕生日

彼氏と1ヶ月ぶりに会った。

昨日お酒を飲んだからか、今日は昼前まで寝てしまった。

11時くらいに目を覚ましてケータイを見たら、「今日空いてるんだっけ」と彼氏からLINEが来ていた。

予定を聞かれるのは久しぶりだったから、少し驚いた。やっと会えるのかと思うと嬉しいはずなのに、なぜか怖くなった。

空いていると返事をすると、彼の家の近くの銭湯に行こうと誘われた。

なんだか気落ちした。銭湯も嫌い

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時間は合わせるもの

時間は合わせるもの

なかなか時間が合わないまま、彼氏と会わなくなってもう3週間が経った。

「予定なかなか合わないね」

彼が言った。

「合わせられなくてごめんね」

私はそう返した。

些細なことかもしれないけれど、大きなズレだと思った。

時間は自然と合うものではない。合わせる気がないと合わないものだ。彼にはその気がないことは、随分と前から分かっていた。

仕事が常に忙しい彼。休みも不定期で、彼が私に合わせるの

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平気だから気にしないで

平気だから気にしないで

2回目のワクチン接種後、案の定高熱が出た。

1回目の接種後も熱が出たけれど、その時は実家にいたから平気だった。

1回目を打つ前、彼氏が「実家じゃなかったら心配だから俺が行くよ」と言っていた。嬉しかった。

今回は一人暮らしのアパートに1人。つらい。平気じゃない。彼氏に来てほしい。

それなのに、「平気だから気にしないで」というLINEを送ってしまった。

こういう時くらい素直になれよ、私。

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特別な恋

特別な恋

同じキスでも、同じハグでも、同じデートでも、何ひとつとして同じものはなくて、一つ一つが特別だ。

私にとって、今までしてきた全ての恋が特別だったように、今の恋愛も特別だ。

でも、ふと、彼にとって私との恋愛は別に特別なものではないのかなと思ってしまった。

私の「会いたい」に応えてくれない彼と、彼の「会いたい」に応える私。

なかなか連絡を返さない彼と、すぐに連絡を返す私。

忙しいから会えないと

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終わらせよう

終わらせよう

学生生活最後の夏休み。もう2週間が過ぎた。

夏休み前まで、鬱と不安障害を徐々に克服しながらも、依然として何もできないまま過ごしていた私だったけれど、夏休み直前にこの日々を終わらせる決意をした。

ゼミの先生の「卒業はできるから、頑張ろう」という一言が、私を後押ししてくれた。

卒業するために卒論を書き始めて、卒業後の自分のために就活を始めた。

しばらく何もやってこなかった私にとって、卒論のため

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