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甘いものに目がない私


久しぶりに気になる人ができた。


4ヶ月前に付き合った彼氏と最後に会ったのは1ヶ月半前。最後に連絡を取ったのは2週間前。随分と前から分かっていた。もう終わりなのだと。

別れようという言葉は彼も私も口にしていないけれど、もうとっくに終わっていた。

彼のことはもちろん好きだったけれど、会わないうちにその気持ちはどこか遠くに行ってしまったみたいだ。彼もきっとそうだと思う。




彼のことを全く考えない日々が続いていたある時、男友達に合コンをしようと言われた。何の躊躇いもなく承諾して、お互いに友達を2人ずつ誘って、昨日合コンをした。

初めての合コンだった。最初は緊張したし気まずかったけれど、お酒が進んでいくうちにみんな打ち解けて、2次会のカラオケまでけっこう盛り上がって楽しかった。

私に合コンの話を持ちかけてきた彼と会うのは1ヶ月ぶりくらいだった。彼とは暇な時に飲みに行く仲で、性格も似ているから、気が合う男友達くらいに考えていた。

なのに昨日はなんだかいつもと違って見えてしまった。今まで2人でしか会ったことがなかったから、初めて他の人もいる中で彼を見た時、あれ、なんか気になるかも、なんて思ってしまった。

大きな瞳のつり目が笑うと線になって、目尻に皺が浮かぶのが、不覚にも愛おしいと思った。

合コンの始め、合コンをセッティングした側である私たちがどういう関係なのかという話題になった。仲のいい気の合う友達、2人揃って目を合わせながらそう答えた。偽りはなかった。その時は。

実際、私たちはただの友達だった。手を繋いだこともなかったし、お互いに触れ合ったことはなかった。



それなのに、なぜだろう。気づけばカラオケでキスをしていた。飲みすぎてしまった。

触れるだけのキス。温かいハグ。タバコとアルコールの匂いの中に微かに香水の甘い香りがした。

私のほっぺたを両手で挟んで、私の顔を見ながら屈託なく笑う彼の顔に、胸がキュッとなった。

あー、これは危ないな。アルコールのせいで働かない頭で、ときめいたらだめだと必死に自制したけれど、これはちょっと無理そうだ。



その時、女の子2人は先に帰ってしまっていたから、その場にいたのは彼と私と彼の友達2人。

彼の友達が私たちを見て、友達じゃないの?なんて茶化してきたけど、私たちは友達だもんねと笑い合ってまたキスをした。甘いなあ、ふとそう思った。


そこから4人でカラオケを出て、みんなでタクシーに乗って彼の家に行った。

みんなで騒ぎながらラーメンを作って食べて、サッカーを観た。楽しかった。


午前3時、ベッドとソファは彼の友達が占領していたから、彼はカーペットの上で寝ようとしていた。私が部屋の隅っこでうとうとしていたら、彼が「一緒に寝る?おいで」と言ってきた。甘い。

彼は私を胸に抱きながら、私の顔をいじったり頭を撫でたりおでこにキスしたりしていた。たまに可愛いとつぶやく彼が可愛いなと思いながら眠りについた。


午前8時、寒さで目が覚めた。ベッドを占領していた友達も起きたから、私は彼を起こして、ベッドで寝なよ、と言った。そうしたらまた彼が、「一緒に寝る?」と言ってきた。

甘い。甘すぎる。さらっとそんなことを言えてしまう彼にときめかざるを得なかった。

そして私たちは一緒にベッドに入って手を繋ぎながらもう一眠りした。



午前10時、2人して二日酔いを嘆きながら起きた。

起き上がった彼は、水を飲んだりタバコを吸ったり片付けたりして部屋をうろうろしている間、私のそばを通るたびに頭を撫でたり後ろから抱きしめたりしてきた。甘いって。

そのあと、だらだらと帰る支度をしていた私をソファで見ていた彼が、私の手を引いてきた。そこから少しだけじゃれあった。彼は朝も可愛くて、甘かった。


午前11時半、彼の家を出た。駅までの長い道を、二日酔いにこたえる太陽の眩しさを恨みながらだらだら2人で歩いた。手を繋ぎたかったけれど、繋がなかった。

これといって特に話はしなかったけれど、また遊ぼうねと言いながら別れた。眼鏡をかけた眠そうな顔が可愛かった。別れる時、ハグしたかったけれど、しなかった。



家に帰って、甘ったるいアイスを食べながら彼のことを考えていた。はまってしまいそうだ。私は甘いものには目がないんだ。


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