見出し画像

初めてのソロ登山は想像以上の宝物になった

小学校の遠足以来の高尾山登山。
しかも初めてのソロ登山ということで、かなり不安があった。

そんな中、無事登頂して見た山頂からの景色と、奥高尾の
もみじ台の景色は最高に澄んでいてキレイだった。

1人でのぼったぞー!という達成感もまた、景色を一層
美しくしていたのだろう。

あ〜、気持ちいい!癒された〜!と山頂の空気を存分に味わい、いよいよ下山である。

帰りもケーブルカーには乗らない。リフトも然り。
迷わず徒歩で決定である。

帰りは薬王院に寄りたいので1号路を目指す。
奥高尾の、もみじ台から5号路を通り、途中で1号路に出て、薬王院に向かう。

途中、長く急な階段をトントント〜ンと、おりて行く。
くだりだから良かったけど、コレがのぼりだったら死ぬな…とゲンナリ。

薬王院から山頂を目指すのはかなりキツイ!要注意と
心のメモ帳に書き込んでいると、建物が見えて来た。

高尾山薬王院奥之院不動堂である。
江戸時代初期に建立された薬王院で最も古い不動堂だ。

山頂からおりて来て最初に見える建物なのだが、来た事があっただろうか?記憶に無い。

長年、薬王院には来ているが、こんな山側まで来た事は無いのかもしれない。
徒歩で山頂からおりて来たからこその発見だ。
嬉しい・・・

ホクホクしながら更におりて行くと、薬王院の建物が眼下に見えた。
いつもと違って薬王院を上から見るのは変な感じだ。

ああ〜、山頂からおりて来たんだなぁ〜わたし・・・
ジ〜ン・・・と、満足感で胸がいっぱいになる。(まだ、高尾山中腹)

さて、どうしようか。

何の事かというと、
「高尾山健康登山手帳」を買うか、買わないか、である。

「高尾山健康登山手帳」とは、高尾山薬王院の御護摩受付所で
購入できるものだ。

みんなの健康のお手伝いとして平成11年(1999年)に開始されたそうで、
薬王院の御護摩受付所で来山1日1回でこの手帳に1押印してくれるのである。
21回押印がされると1冊終了で満行となるそうで、なんとご褒美があるのだ。

2回目までの満行は「お祝い善」として精進料理が頂けたり、3回目以降は
記念品が頂けたりするそう。
これは登山の励みになるというものだ。

手帳は1冊700円でスタンプは1回100円だ。
以前は高尾山に行った時は御朱印を頂いていたが、ご褒美が頂ける
登山手帳はすっごく惹かれる。←俗なわたし・・・
(ちなみに御朱印は1回300円)

手帳を買うのは良い。
だだ、登山が続くのかが問題なのだ。

満行となるのに期限は無いというが、わたしのことだ・・・
登山をしなくなったら持っている事さえ忘れるだろう。←ダメダメ

今回のソロ登山がイマイチだったら山に行かなくなる。(断言)
そうなると買っても、もったいない。

どうしようかと散々迷い、結局登山が楽しいかどうか次第だなと思い、
買うか買わないかは、登山してから決めようと思った。

で、実際に登山をし、山頂からくだって来たわけだが、薬王院に着き、
さてどうするか・・・というわけである。

どうするも、こうするも無い。
悩む必要は無い位、今のわたしの心は決まっている。

買うぞ!高尾山健康登山手帳!

当然の決断である。

意気込んで御護摩受付所に入ると先客がいた。
ポンッと健康登山手帳に印を押してもらっている。

登山の先輩!
わたしもこれから健康登山手帳始めます!
押忍ッ!と心の中で気合を入れ、先客が去った後
「健康登山手帳をください!」とニコニコ顔で伝えた。

ジャジャーン!
健康登山手帳始めました。わ〜い!

手帳と共に健康登山の証のルールが書かれたプリントをもらった。
説明も丁寧にしてくれて、ワクワク度もマックスだ。

ペタリ!

嬉しい。
顔がニマニマしちゃう。

ああ・・・わたしも登山する人の仲間入りしたのね〜(高尾山限定)
楽しんで満行するぞ〜!と、赤くなりかけた薬王院の木々に誓ったのであった。

さ〜、健康登山手帳も無事ゲットし、下山である。

1号路をテクテク進む。
くだるわたしの反対から、今からのぼる登山者とたくさんすれ違った。

さすが、高尾山。
午後からでものぼる人達が多い。
ケーブルカー、リフトがある山だからなんだなぁ〜。
気軽にのぼれるというのは、やっぱり良いものだなぁと実感した。

景色がひらけた場所に出た。

キレイ・・・

ソロ登山からソロ下山途中のわたしの目には、なんだかより一層美しく澄んで見える。

心地良い疲労感から来るのだろうか。

気持ち良い景色に見惚れていると、下の狭い所からのぼってくる女性がいた。
こんな所に階段があったんだ!とビックリ。

この人もソロ登山なのかな?と彼女が通って来た道をのぞいてみる。

すっごい狭くて急な階段だ。
看板には「2号路、琵琶滝」とあった。

琵琶滝か・・・行った事も無いし見てみたいな。
わたしもこの道から下山しようか・・・と、ふと思った。
どれどれ・・・と2号路へ行く道を見ると「悪路注意」の看板がある。

げ・・・
悪路・・・マジか・・・
ちょっと怖いかも・・・

今日はソロ登山初日だし、結構疲れている。
悪路に注意をし、踏ん張る体力がわたしに残っているだろうか。

しばし考える。

いや・・・
琵琶滝は、かなりそそられるけど、残りの体力に自信があるとは言えない。
安全第一!
次回のお楽しみにとっておこう。

2号路はやめて、来た道の1号路をくだる事にした。(エライぞ。わたし)

1号路は、のぼって来た道なので安心してくだれる。
・・・と思いきや、そうだった・・・

1号路は例のマイケル・ジャクソンの斜め30度のポーズが出来る程の
急角度の坂が延々と続くのだ。
うひゃ〜・・・

のぼりの時は、当然のごとくヒ〜ヒ〜言いながらのぼったが、くだりはくだりで
太ももと膝、ふくらはぎにガッツリ負担が来る。

太もも痛い・・・ふくらはぎも痛い・・・

くだりの坂がキツいというのは、こういう事なのかと
今回マジで実感した。

太ももとふくらはぎの痛みを感じつつも、どんどん坂を降りて行く。

ふと、本当に、ふと、寂しさが心の中いっぱいに広がった。

わたしの初ソロ登山が終わろうとしている。
なんだか寂しい・・・

もうこの楽しく癒される時間が終わってしまうのだ。(足は痛いけど)

チョロチョロと水の流れる音が聞こえてきた。
小川だ。この水場が見えたらもう1号路の終わりもすぐだ。

数時間前、反対側から見た景色。
なんだかずっと昔の事のようだ。

あの時のわたしはこれから始まるソロ登山に不安と期待でドキドキ
ワクワクしていた。

登山というと、キツくて絶対に自分はやらないと思っていた。

それなのに今、山頂で念願のおにぎりを食べ、奥高尾のもみじ台まで行って
景色と澄んだ空気を存分に味わい、無事くだって来ているわたしがいる。

登山が終わりに近づいて寂しいと感じているわたしがいる。

最後の坂。
向こうに見えるのはケーブルカーの駅に続く道だ。
一歩一歩、噛み締めて歩く。

八十八大師めぐりの看板を通り過ぎる。
つーか、高尾山内に八十八大師めぐりというのがあったのかと
初めて知った。
まだまだ高尾山、知らない事だらけだ。これからが楽しみだ。

ケーブルカーの駅、清滝駅に到着。
時計を見ると3時6分だ。
のぼり始めたのは10時20分だったので5時間弱、高尾山にいた事になる。

楽しかった。

癒された。

緑の木々、素晴らしい景色、澄んだ空気、すれ違う人の笑顔、吊り橋、
自分の汗。

そして、1人であるということ。

歩く中、ふいに無になる瞬間があった。

何も考えず、ただただ黙々と歩を進める。
そういう時は、なんだか頭がクリアになる。

妙にスッキリした感覚があって、その感覚がものすごく心地良かったのだ。

ソロ登山ならではの感覚なのかはわからない。
しかし、またソロ登山をやりたいと思う原動力になるには十分だった。

おっと・・・!
下山後のストレッチをしなければ!
ストレッチをちゃんとすると、筋肉痛予防になるらしい。

体のケアも大事。
イッチニ〜、サンシ!と足のストレッチを重点的にして、
高尾山口駅に向かう事にした。

新宿行きがすぐに来た。ラッキー!
京王線の電車に乗り込む。

ふぅ〜・・・と一息つくと視線を感じる。

あれ?天狗さんがこちらを見ていた。

「また来るが良いぞ」
そう言われているように感じた。

「今度は紅葉がキレイな時期に来ようと思っています。」

心の中でそう答えた。

●関連記事●


#エッセイ #登山 #ソロ登山 #高尾山 #ハイキング #ソロ活 #自分らしく生きる #アウトドア #八王子 #東京 #山 #おでかけ #随筆 #イラストレーター #インスピレーション #癒し #言葉 #やってみた #写真








この記事が参加している募集

やってみた

ありがとうございます✨頂いたサポートはイラストレポやエッセイのタネになるものに使わせて頂きます。😊