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ハイブリッド良妻賢母、タキマキに憧れる女たち

無添加さらさのCMで素敵な笑顔を披露する、モデルのタキマキこと滝沢眞規子さん。
アタックでもナノックスでもなく、「無添加さらさ」のCMに起用される彼女のイメージは、まさしく良妻賢母。

スーパーセレブ妻として数々のブランド服を着用し、通常の日本人の8倍くらいのアボカドを食す彼女。普通に考えれば、やっかみの対象となってもおかしくはありません。
しかし、私も含め、多くの一般女性が彼女に憧れ、支持するのはなぜか?
「無添加」のCMに起用されるそのイメージや好感度はどこから来るのか?

掘り下げてみると、変化してきた社会と女性の関係性が見えてきました。



どうも、えだまめです!
タキマキさんの毎日メイクの真似をしてみたら、薄過ぎて寝起きと何も変わりませんでした!
今回は、全女性の憧れといっても過言ではないタキマキさんの魅力を掘り下げ、さらに彼女に憧れる女性たちの変化ついて書いていきます!



専業主婦にもワーママにも、独身ファッションオタクにも人気な理由

タキマキさんは、現在3児の母。
母として、スーパーモデル、YouTuberとして目まぐるしい毎日を過ごされていますが、意外なことにモデルとしてはかなり遅咲きでした。

22才で結婚し、そのまま3人の子供を出産。夫の希望もあり、家庭へ入り20代の全てを家族のために費やします。
専業主婦の時代を経て、30代に突入してから雑誌VERYの編集者にスカウトされ、モデル業界へと足を踏み入れました。

最初はスカウトを断ったものの、家族からの後押しもあって渋々業界へ‥‥。
私が思うに、そのモデルになるまでの経緯が幅広い層の女性に支持される理由のひとつ。
しっかりと子育てに向き合い、家庭に入る決断をした20代のころの彼女は専業主婦層の支持を受け、その後子育てをしながらもモデル業に励む姿はワーママに支持される。
さらに、いくつになっても保守的にならずに、トレンドや独自のセンスを取り入れるファッションは、家庭のあるなしに関わらず多くのファッション好きに支持されています。

つまり、タキマキさんに死角なし!
全方位型モデルとして、他のモデルやママタレとは一線を画しているのです。


憧れるけど、彼女になりたくはない

(なれない)


しかし、ここまで分析して、気がついたことがあります。
もしファンである女性たちに「タキマキになりたいか?」と聞いたとすると、どうか。

私の場合は、「なりたくは、無いです。」
いえ、すいません。あんな天上人になれるとも思っておりません。(土下座)

具体的に言うと、タキマキさんの顔とかスタイルには憧れるが、モデル業と3人の子育てと豪邸の管理とインスタやYouTubeに載せられるレベルの食事をつくったりその他掃除や犬の世話などの家事全般をこなすのは一般人には無理ゲーすぎる!!

好感度が高い理由の大きなひとつが、この忙しさ。だと思うのです。
見ていて、大変なのは私だけじゃない。と思える、安心できるこの感じ。

そして何より、この死ぬほど忙しい状況を、「わたしがやりたいからやっている」と割りきっている、ということです。
これが、タキマキさん以前にはあまり見られなかったポイントではないかと(勝手に)思っています。


家事や子育てを思う存分頑張ってもいい。という流れ


昨今の風潮として、忙しいワーママが家事や子育てを手抜きして家庭を回すということを、周りが支持するという流れがあったと思います。
特に子育てをするママたちに向けてのメッセージは、「頑張らない○○」というキーワードがほとんどを占めていました。

しかし、タキマキさんは完全に逆を行っています。忙しい仕事に加え、凝った食事や完璧な掃除など、もちろんSNSに全て真実を上げているわけではないかと思いますが、一貫して世界観やポリシーは専業主婦時代とは変わっていない。そんな売り出し方をしている様に見えます。

そうなると、「頑張らない○○」を実践してきたワーママや、ワーママでなくともほとんど全ての女性は、彼女の異常な働きっぷりに完全敗北。
私たちはタキマキさんを前に、「燃え尽きたぜ‥‥真っ白にな‥‥」とあしたのジョー状態にならざる終えません。人は、完全な強者を前にすると、争おうという気すら起きないのです。

また、「頑張らない○○」に疑問を感じていた層は、タキマキさんを見て「あ、頑張ってもいいんだ」と勇気をもらったに違いありません。
もちろん、彼女の様に全てを完璧に‥‥というわけにはいきません。
でも、今の時期は子育てを頑張る。とか、今は夫に美味しく美しいお弁当を作りたい。という女性たちは、昨今の手抜きブームに身を潜めて一定数いたはず。
私も、初めての子育てで離乳食を頑張っていた時、既に子供が二人いてワーママだった姉に「離乳食なんて適当でいいのに」と鼻で笑われて悲しくなった覚えがあります。
タキマキさんの姿勢は、そんな思う存分頑張りたい人達の後押しになっているのではないでしょうか?

そして、今までワーママ界隈は"子育てと仕事"という文脈でのみ語られていましたが、タキマキさんの生活には、"夫"の存在もちゃんとある。
子供を愛し夫を支えるという、旧世代の良妻賢母感も有りつつ、さらに経済的にも社会的にも自立した強い女性像も体現している、「ハイブリッド良妻賢母」。それがつまり、タキマキさんという存在‥‥いえ、"現象"ではないかと思うのです。


ワーママは次の時代へ


すみません。
熱く語りすぎて汗が出てきました。

さあ、いよいよタキマキ研究家としての自意識が芽生えてきました。(こわい)
※ちなみに彼女の存在を知ったのはつい最近です。

タキマキさんが推される理由。
それは前述の通りですが、纏めると、まず第一にモデルになった経緯(生き方)、次に圧倒的な忙しさ、そして家事や子育てを自分のやりたいことだと言いきる潔さ。
この3つが大きいと思います。

そして、研究家としてもうひとつ提唱したいのが、受け手である女性の変化です。
それは、「ワーママとはこういうものだ」という偏見やワーママ自身の思い込みが少しずつ変化しているのではないか、という仮説です。

自分のキャリアを諦めず、子育てと仕事を両立する"ワーママ"という言葉が根付いて久しい現在。しかし、この"ワーママ"という言葉には二つの側面があります。ひとつは、「経済的に、社会的に自立した強い女性」。もうひとつは、「こどもとの時間も自分の時間も十分に取れない可愛そうな女性」

不思議なことに、ひとつの言葉に全く相反する二つの意味が混在しています。個人的な見解ですが、その二つはどちらも事実。
SNSの普及により、当事者でなくともワーママのリアルなしんどさを目にすることも増えました。

ここに、「仕事も子育ても家事も自分のやりたいことである」という信条を持ち、その思いを体現しながら社会的に成功するカリスマが現れます。
こういった考えを元々持っていた人もある程度居たかと思いますが、何せ体現出来ていた人が余りにも少なかった。

このカリスマ=タキマキさんのような人が出てきたことにより、ワーママのネガティブイメージが崩壊していきます。
いえ、そもそも崩壊しつつあるイメージだったのかもしれません。
「可愛そうじゃないワーママ」を多くの女性が求めていたからこそ、今の時代にタキマキさんが爆発的な人気を博したのではないかと考えています。

女性が社会に進出し、男性然と振る舞うことでしか成功を掴むことの出来なかった時代が長く有りました。
そこから長い時間をかけて、ようやく女性の新たな選択肢が見えてきたような気がします。
それが、"女性として、母として、妻としてのポテンシャルをフルに発揮しつつ、社会的にも成功する"ということ。
女性は妻や母になることが成功だと言っているのでは無く、男性の様に振る舞わなくても社会で成功出来る‥‥むしろ、女性であるということを存分に楽しんだ上で家庭でも社会でも成功し、それを周りがとやかく言わない時代になった、ということです。

そこに至るまで、タキマキさんがどれだけの苦労を積んだのかはわかりません。
相当の苦労があったのではないか‥‥と推測してしまうのも、まだ私が「ワーママ可愛そうの定理」に囚われてしまっている証拠。
ワーママは苦労しなければ成功しない。そんな思い込みが、まだ女性の中にも確実に存在しています。

そんな思い込みが完全に無くなる日がいつか来るはず。そんな夢みたいなことを‥‥と思われるかもしれませんが、パワフルなタキマキさんを見ていると、そんな希望も沸いてくる。
やっぱり、勇気を貰えるのです。

自分がそんな存在になれるとは微塵も思いませんが、少なくともそんなカリスマを横目で見てひっそりと分析してみる。
そして、それを文章やポッドキャストで伝えることで、誰かの何かのヒントになれば良いなと思っております。

おわり


<お知らせ>
ポッドキャストで子育て関連の雑談をお話ししております。
是非一緒に、家事や子育てをしながらお聞きくださいね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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