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2019/5/6文学フリマ東京の告知
こんばんは。夏休みも〆切りもギリギリに定評があるヒンメルです。
皆様、5月をどうお過ごしでしょうか?
去年引っ越したばかりで二度目の5月ではありますが、地元である沖縄とさして変わらない雨模様の多さに懐かしさを覚える今日この頃です。
そして、今年の上半期最大のイベントである文学フリマ東京が明日に迫っております。
去年の11月同様、今回も参加させていただきます。既刊「トカゲとカメのクオリアガーデン」
夜の終わりには小さな温もりを。
木々の囁きがよく聞こえる夜は、気をつけて集中しなくても彼を感じることができるから好きだ。
柔らかさの下に骨の硬さのある膝に頭を乗せながら、私は目を閉じる。
後頭部に彼の気配がそっとある。くつろぐ私に対して邪魔にならないように息を潜めて、吹いてくる風に合わせて身体を撫でてくれる。
彼が祖父から受け継いだという古い家の縁側は私が歩く度にキィキィと鳴いたが、今はじっと私達の体重を支えている。
ハッピーエンドは望まれない2
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昼休み、岡村が別のクラスに行ってしまったので、花柴を誘うことにした。
いつもメッセージアプリを開いて、一番やりとりの多い相手に文面を打ち込む。
トカゲ: 暇だったら一緒にご飯でもどうかな?
シキミ: なんですか気持ち悪い
トカゲ: 無理ならいいよ
シキミ: 行きます
トカゲ: それじゃ、教室で
幼児のヤダヤダ期の対処法として、あえてその嫌だを受け入れると幼児があっさり意
ハッピーエンドは望まれない1
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事件の翌日、生徒指導室に呼び出されて、豪打の件を色々聞かれた。
俺は保健室で森石が語った程度のことだけを説明し、他に余計なことは言わずにおいた。後で聞いたところ、花柴も同じだったようだ。
豪打たちは大きな怪我もなく、自分たちが悪いのだとちゃんと主張したらしい。何か森石に冤罪をかけるかと思ったが、あれだけされたら思うところもあるのだろう。それでも森石が窓を割ったのは事実である
いつもの学校生活 5
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授業中で誰も外にいない廊下を歩いていると、さっきよりは冷静になれた。
俯いたままの森石は黙ったまま傷を撫でている。今日はやたら触っているなとも思うが、どういう時にそうするのかは俺にもよくわかっていなかった。
森石と俺のクラスは中央階段からだと右と左で反対だった。それまで黙っていた森石に呼び止められる。
その目はいつも通りに凪いでいるのに、リュックの紐を握る手に力がこもっ