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2018/11/25の第二十七回文学フリマ東京に発行した個人誌のサンプルになります。 noteでは一部…
(目次に戻る) 動物園の中にあるレストランは、休日を楽しむ人々で長蛇の列ができていた。…
(目次に戻る) 息子には黙っていて欲しいと先に告げたその人は、俺が見てきた大人もどきと…
(目次に戻る) どうやら少しばかり寝てしまったらしい。腕時計の針が最後に見た時よりも三…
(目次に戻る) 地下から階段を上って地上に出る。遊園地特有の音の奔流と日の光に目眩がし…
(目次に戻る) 夕飯後、森石がテレビをつける。いつもなら俺が合わせたチャンネルをなんと…
(目次に戻る) 最近、登校の際の日課ともいえる朝の下駄箱チェックを終えて上履き袋を片手に廊下を歩いていると、運動部の掛け声が窓の向こうから聞こえてきた。 朝はエネルギーのいる時間だ。一般的生活サイクルだと余計にそう思う。夜は闇に隠れることができて、布団に入れば何も考えない時間を過ごせる。本来は怠け者である俺が、そんな夜の後に朝日の眩しさに立ちくらみを起こすのだ。俺は朝がつらいものだとこの町に来て初めて知った。 それでも俺は運動部しかいないような早朝に学校へ行き、自分
(目次に戻る) 花柴はテストが好きだ。それは中間、期末に限らず、授業内で突発的に行われ…
(目次に戻る) 作ってきた弁当をたいらげても昼休みが残っているのは、岡村が別のクラスの…
(目次に戻る) 少しばかり時間がかかってしまったが、森石のリュックを回収することはでき…
(目次に戻る) 授業中で誰も外にいない廊下を歩いていると、さっきよりは冷静になれた。 …
(目次に戻る) 定期的に見る悪夢はだいたい過去のリプレイだ。それでも夢だ。記憶通りなら…
(目次に戻る) いつも通りに弁当と朝食を二人分用意して、覚醒の遅い同居人がふらつきなが…
(目次に戻る) 机に突っ伏していると、登校してきた岡村に挨拶ついでに声をかけられた。 身体を起こすと、鞄をかけながら心配そうな目を俺に向けてくる。 「大丈夫か?」 「平気だよ。ただの寝不足」 大丈夫と聞かれると平気と答えるのがテンプレートだ。実際、今日の睡眠が快適でなかったのは嘘じゃない。 「何か悩み事か?」 なかなかに鋭い質問だ。 茶化すこともできたはずなのにそう聞いてくるということは、俺はよっぽど悪いように見えているらしい。 「悩み事なら常に山積みだよ」