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マスク文庫|ほわっとコンペ

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手作りスイーツほわっと協賛の小説&詩のコンペです。
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#ケーキ

ほわっとちゃんと黒ガトちゃん

ほわっとちゃんと黒ガトちゃん

ケーキって大変なのよね。

二人はしみじみ言い合いました。

冷蔵庫に入っているときは崩れないように気をつけなきゃだし、ショーケースにいる時はキリッと並んでないといけないし、お皿にのった時は食べる人に美味しいって言ってもらいたいから気が抜けないし。。。
とパウンドケーキのほわっとちゃん。

最近の悩み事としては、みんなマスクしていて顔が見えないことかしら。
どんな顔をしているのか食べる寸前まで見え

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『ほわっとちゃんと黒ガトちゃん』(♯ほわっとコンペ参加作品2)

『ほわっとちゃんと黒ガトちゃん』(♯ほわっとコンペ参加作品2)

「手作りスイーツ ほわっと」さん家で生まれた「バターチョコチップクッキー」4兄弟は、お店のケーキたちが大好き。

「みんな、だれが一番好き? ぼくは、ほわっとちゃんだ」と、バタークッキーが聞くと、
「ほわっとちゃん」「黒ガトちゃん」「黒ガトちゃんよ」
と、チョコチップクッキーの三つ子はいいました。

ほわっとちゃんは、「黒ガトちゃんは、ビターで大人なケーキ。でも、しっとり優しいんだよ」といいました

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ほわっとちゃんと黒ガトちゃん

ほわっとちゃんと黒ガトちゃん

「え、無理すぎ、ありえなくない?」
黒ガトちゃんはつぶやきます。

「どうしたの?」
ほわっとちゃんはたずねます。

「うちらのどっちかで迷う人多すぎじゃん?チョコとチーズなんてうまいに決まってんだから秒でうちじゃん。」

「確かに絶対おいしい組み合わせだよね。濃厚なのも羨ましい〜。でもね、発酵バターたっぷりでほわっほわの私も捨てがたい!って言ってくれる人もいるんだ〜。」

「あんたの見た目からし

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ずっといっしょ

ずっといっしょ

いつまでたっても、ほわっとちゃんが来ない。
約束を忘れちゃったのかな。

「黒ガトちゃん!」

バターの香りのほわっとちゃん。
お砂糖でできた、大粒なみだで走ってきた。
あぁ、そんなに泣いたらせっかくのおいしさが逃げちゃうよ。

「ほわっとちゃん、おそいよ!」
「ごめんね。ごめんね。お誕生日プレゼントが決まらなかったの」

差し出した両手には、めいっぱいのプレゼント。

お花の砂糖漬け
甘酸っぱい

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ほわっとちゃんと黒ガトちゃん

ほわっとちゃんと黒ガトちゃん

ねぇねぇ
ほわっとちゃん
次に行くお家はどこ?

ねぇねぇ
黒ガトちゃん
次は誰のところへ行くの?

ほわわ〜
ほわっと

心を癒しにいくよ

さみしくなったときも

心が痛くなったときも

かなしくなったときも

うれしい たのしいが
いっぱいなときも
どんなときも 

おいしい
やさしいきもちと一緒に

北海道から 
あなたのところへ

ほわわ〜
ほわっとちゃん

ほわっとちゃんは
なかよし 

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Love of Sweets:大地の恵みは心の恵み

Love of Sweets:大地の恵みは心の恵み

彼女は窓の外をぼんやりと眺めていた。どこまでもビルが立ち並ぶ風景…北国と全然違うなぁ。白黒のパトカーが通り過ぎると寂し気な苦笑い。ーふふっ都会の牛さんみたい。
彼女を見ていた小さな陰が二つ。何やらヒソヒソ話している。「必要ね」『必要だね』二つの影は、彼女のテーブルに自らの欠片をそっと置いた。「気付くかな?」『気づくかなぁ?』甘い香りに誘われて手元に目をやると、柔らかそうなパウンドケーキと香ばしそう

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『ほわっとちゃんと黒ガトちゃん』(#ほわっとコンペ参加作品)

『ほわっとちゃんと黒ガトちゃん』(#ほわっとコンペ参加作品)

青い空、どこまでも続く大地。
広い広い北海道の牧場で、子牛が迷子になりました。
ママ牛は、心配で泣いてばかり。
「ほわっとちゃん」と「黒ガトちゃん」は、子牛を探しに行くことにしました。

ふたりにとって牧場は大冒険。
小鳥たちが、おいしそうなふたりを見つけて、食べようとしてくるのです。
子牛は見つからないまま、すっかり夜になってしまいました。

「見つからないね」とふたりがしゅんとした時、足音が近

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