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Reunion

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少年Aと少女B

少年Aと少女B

あ、こっちに来る。

カフェのしあわせそうなお客から
何かをとったらしい少年が
青信号の歩行者の波に混じった。

ヨレたシャツのしたに蠢く
絶対に生きてやるというエネルギー。

それでいて、全てを諦めているような背中。

目が、

離せない。

わたしは立ち止まって
そのヨレた背中をずっと見ていた。

彼は角の喫茶店の前で ショーケースに並ぶ
色褪せた食品サンプルを眺め
少し悩んだように見えた

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宇宙に聞いてみた 後編

宇宙に聞いてみた 後編

前回 かなりドキドキしながらのブログ公開でしたが
たくさんの反響ありがとうございます。

ゼウ氏へ聞いてみた 後半の動画です。

++チャプター++

・5Gの人体への影響は?

・混乱期を乗り切るために

・地球にある資源は本来無限にある
・わたしたちが取り戻す古代の叡智って?

・2020年以降に生まれる子供の特徴ゼウ氏からのメッセージの一部です

ゼウ氏からのメッセージの一部です

”常識を

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もし、このままの文明が続いていたら

もし、このままの文明が続いていたら

もし、今コロナが流行してなかったら
第三次世界大戦が起きていたかもしれないとしたら?

地球にはたくさんの未来の可能性があるけど、
その中からわたし達は戦争を選ばなかった。

今起きていることからのメッセージは
とても明るく力強いものでした。

詳しくはブログ内の動画にて。

月曜日10時15分から
zoomヨガやります。
(zoomとはLINEの複数同時会話のような感じです。アプリな

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あの流星を合図に

あの流星を合図に

オリオン座から ひとつ
星が流れてきた。

遠く遠く想像すらも追いつかないほどの遠い場所で

遥か遥か氣の遠くなるほどの時間の向こうから。

あの星が 宇宙に漂っていた頃
僕たちはあそこにいたのだろうか。

3つ星がならんだ
三角ゲートのあの場所に。

遥か遠くから 悠久の時間を超え
今ここで。

あの流れ星を合図に
尾を辿ろう。

君と待ち合わせた場所を教えてくれたから。 

届かない手

届かない手

「アリア!」

そう叫んだのは自分。なのだろうか。

記憶の奥。

手を差し伸べるオレ。

届かない手。

辛すぎて忘れることなんかできないと思ってた。
けど辛すぎたから 忘れようとしてしまったのだ、この肉体が。

「マスター。ご馳走様。」

急いでいつもの金額にビール一杯分をプラスしたお金をカウンターに置き
荷物を抱え外に出る。

ありあは どっちに向かっただろう。

右か 左か

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良くできたドラマ

良くできたドラマ

「私の名前は アリア。」

ありあ。。
アリア。。。
Aria・・・

なんだろう。
胸の奥がチクチクする。
ずっと深いところで何かがカチリと音を立てた。

どこかで会った?のか・・・。
駄目だ全然思い出せない。

「ごめん。ほんとに思い出せないや。
どこで会った?」

「ここから 遥か遠くの場所で
今とは 遥か遠い時間に。」

そう言って アリアは
今度は少し悲しそうな笑顔でビールを飲みほした。

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いつか会った

いつか会った

「つまり 石はデータを記憶するってこと?」

「そう。おもしろいでしょ。でもよく考えたら
レコードだってデータの記憶してるし
写真だってそういう事だよね。」

「うん、まぁ。」

「バーコードみたいに刻まれてて 触れることで
そのデータをダウンロードできるんだって。」

「え?誰でも?」

「そう 誰でも。」

そう言って 彼女はまたビールをとても嬉しそうに飲んだ。

「でも。石を触ってそんな風に

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石の記憶

石の記憶

いつだったかな。やはり行きつけの居酒屋で
不思議なひとに出会ったことがあった。

いつものようにカウンターで 
炙った烏賊をつまみに飲んでいると
隣から優しく懐かしい香りが ふわりと漂ってきた。

ここ大丈夫ですか?

長いストレートの髪がはらりと肩から滑り落ちた。
女性はその髪を耳にかけて笑った。

えぇ。空いてますよ。

屈託のない笑顔に 少しどぎまぎしながら答えた。

良かったぁ。

そうい

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夢までの距離

夢までの距離

そもそも記憶とはなんだ。

脳が覚えてることと定義しよう。

僕が実際に見聞きしたものや、体験したこと。

それが記憶となるのはわかる。

じゃあ 夢は?

夢で見たことと現実を脳は同じように認識するらしい。
どこかの脳科学者だかが言っていた。

つまり夢も記憶の一部となるということだ。

でも 今日僕がここで思い出そうとしている
これらは夢のようで 違うような。
もっと遠く。
距離も時間も 漠然

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記憶

記憶

ここがどこなのか。

僕は自分の手のひらを見つめ
手を動かしてみた。

動く。

自分の身体。

だな。

じゃ この記憶は?

誰のモノだ?

確実に僕の一部を形成しているこの記憶は
いったい誰のモノなのだろう。

目の前にあるまたもや冷めてしまった珈琲をすする。

僕は昔から生きたくなかった。

死にたかったというわけではなく
ただ漠然と生きてるのがもうしわけなかった。

この記憶とこの想いは

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カルマ

カルマ

いやだ

みんなと一緒がいい。

そう強く願った時
頭の中で声が響いた。

「あなたがこのお仕事を断るのは構いません。
あなたの代わりにやってくれる誰かを探し
お願いすればいいだけのことです。
ただしその時に 
他の誰かが永遠と思われるほどの長い間
あなたが感じたその思いを背負うことになります。」

もし この話が本当だとしたら

「あなたは自分ではない他の誰かに
辛い思いを永遠にさせてしまうこと

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ノアの箱舟

ノアの箱舟

「お待たせいたしました。ブレンドです。」

「あの、これ。
疲れてるとき 私が良く入れるものなんです。」

そう言っておさげの彼女が 新しいコーヒーとともに
生クリームとシナモンスティックを持ってきてくれた。

「え?」

「差し出がましいことをしてすみません。
よければでいいので入れてみて下さい。」

「あ、ありがとうございます。」

語尾が消え入りそうになりながら やっ

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腐海

腐海

いや
そんなこともないか。

自然は、

地球は、

人間を追い出そうとしているのかもしれない。

世界中で 年々厳しくなる自然環境。

予想もしなかった災害の多発。

僕は ニュースを見るたびに
風の谷のナウシカの腐海を思い出す。

人間にとっては害のあることが
実は 地球の再生のための活動だということ、
なのかもしれないと。

大量発生する虫にもきっと意味があって。

流行する病気にも もしか

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森の杜の守

森の杜の守

人々の苦悶の表情が網膜に焼き付いてるようだ。

目を開けて 煙草の脂で煤けた喫茶店の壁を見つめたが
叫び声まで聴こえてきそうで 耳を塞ぐ。

夢から覚めた後も 本当に見てきたかのように思い出せる。
少しずつシーンを変え 脳内のミッドナイトシアターで幾度も上映される
この夢を見るたびに 自分がこうして生きていることを申し訳なく思う。

意識を少しずつ いまこの場所に戻してくる。

ここは 令和の東京

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