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良くできたドラマ

「私の名前は アリア。」

ありあ。。
アリア。。。
Aria・・・

なんだろう。
胸の奥がチクチクする。
ずっと深いところで何かがカチリと音を立てた。

どこかで会った?のか・・・。
駄目だ全然思い出せない。



「ごめん。ほんとに思い出せないや。
どこで会った?」

「ここから 遥か遠くの場所で
今とは 遥か遠い時間に。」

そう言って アリアは
今度は少し悲しそうな笑顔でビールを飲みほした。

「分かってた。わかってたけど 少しかなしいかな。」

「ごめん。」

「また いつかここで会おう。」

アリアは髪をほどいて ふふっと笑う。

「思い出せなかったんだから ビールおごってよね。」

じゃあ。と言って狭い店内から一瞬で出て行ってしまった。

「ちょ・・。」

いったい何だったんだろう。
アリアがビール一杯を飲み終えるまでの時間はまるで
良くできたシナリオのドラマの中に自分がいるようだった。

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