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森の杜の守

人々の苦悶の表情が網膜に焼き付いてるようだ。

目を開けて 煙草の脂で煤けた喫茶店の壁を見つめたが
叫び声まで聴こえてきそうで 耳を塞ぐ。

夢から覚めた後も 本当に見てきたかのように思い出せる。
少しずつシーンを変え 脳内のミッドナイトシアターで幾度も上映される
この夢を見るたびに 自分がこうして生きていることを申し訳なく思う。

意識を少しずつ いまこの場所に戻してくる。

ここは 令和の東京。

今日初めて入った喫茶店だ。

目の前の森は 100年前に100年後の今
森が出来上がるように計算して作られたものらしい。
計算された人工の森。

自然の森とはやはり違うのだろうか。

東京のど真ん中のこの森には タヌキやカブトムシがいるそうだ。
人の手が作り上げた自然。

地方からは どんどん森がなくなっていってる。
緑の木々やきのこの代わりにギラギラと光るソーラーパネルが
森を埋め尽くしている。


もし次に またこの地球に生まれてくるとしたら
ミミズになりたい。

僕たち人間が汚してしまった土を
もくもくときれいにするためだけに生きたい。

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人間は破壊しすぎた。

木々や水や土、風までも傷つけ汚してしまった。

それなのに 自然はまだ人間を助け受け入れてくれている。



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