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アイスランド旅行記1 真冬のレイキャビク

日本では夏至が過ぎたばかり、真夏が近づいていますが、今日は真冬のアイスランドのことについて書きたいと思います。

アイスランドの首都、レイキャビクは、世界で一番緯度の高い首都です。
東京の緯度は北緯36度なのに対し、レイキャビクの緯度は北緯64度です。

夏に白夜、冬に極夜になるのは北緯66.6度よりも北なので、レイキャビクでは冬至の日でも太陽が全く昇らないわけではないのですが、真冬の間はとっても陽が短いです。

2019年真冬に行った時の飛行機からの景色。文字通りアイスランドです。

2013年の12月中旬、初めてアイスランドに行ったとき、空港に着いたのは早朝でした。もちろん真っ暗です。
空港に着いたら街まで行けるバスが必ずあるとネットに書いてあったのですが、早朝の静かで暗い、小さな空港に本当にちゃんとバスがあるのか、少し疑っていました。
静謐な空港を黙々と進んでいくと、本当にバスが待っててくれていました。

当時、ちょうどアイスランドの産業の第一位が漁業から観光業に取って代わられたころで、人口30万人の小さな国ながら、観光サービスはとても整っていました。

バスが出発すると、アイスランド語なまりの穏やかな英語でのアナウンスとともに、真っ暗で何もないように見える景色をどんどん走っていきます。
30分ほどすると街に近づき、明かりが見えてきます。
マンションが間近に見えるようになると、どのお部屋の窓際にも、三角形に並べられたキャンドルの明かりがあることがわかります。
「マンションから支給されるのかな?」と思わされるほど、統一されています。

アイスランドだけではなく、北欧のクリスマス伝統のキャンドルの飾り方だということを後から知りました。

三角ではなく、丸いのもあります

初めての土地だったので、地図で見た限り街の中心地そうな宿をとっていました。
ロイガヴェーグル(Laugavegur)というメインストリート沿いにあります。
Laugavegurは、水の道という意味です。
メインストリートと言っても、こぢんまりしていてとてもかわいいです。

試験期間中に留学先から抜け出し、近いけれど急に全然違う憧れの国に本当に来てしまって、興奮してベッドの上で飛び跳ねていたことを今でもありありと覚えています。(詳しい経緯は前回の記事をぜひご覧ください😊)

まだまだ暗い朝9時ごろ、お散歩に出かけました。

レイキャビクのランドマークの一つ、大聖堂。朝の9時半ごろの写真です。

街を歩いていると、ところどころに、サンタさんのような格好をした小人のプロジェクションに遭遇します。アイスランドの精霊(トロール)とサンタさんが混合されたアイスランド版のサンタさんだそうで、全部で13人いるそうです。12月12日から24日にかけて、一人ずつ街にやってきます。
サンタクロースではなく、Yule Ladsと呼ばれていて、7人の小人のように、一人一人違うパーソナリティーを持っています。

建物の壁にプロジェクションされたYule Lad。左右にウロウロと動いていました。

アイスランドはまだ精霊信仰が残っていることで有名です。
新しい道路を作るときに、政府や自治体が精霊エルフとコミュニケーションをとることのできる人にお願いをして、エルフの会議に参加をし、そこに道路を作って良いかどうかを聞く、ということを現地のガイドさんから聞いたことがあります。
精霊からの許可がなければ道路は作れないそうです。もし許可なしで道路を作ってしまうと、交通事故が頻発してしまうそうです。

急に違う季節の写真ですが、真夏のアイスランド ロードトリップの景色
きっとエルフの許可が降りている道路

ちなみに、冬のアイスランドは道が凍ってもおかしくないほど寒いのですが、ちょうど北海道ほどの大きさのアイスランドは火山だらけで温泉だらけ、ほぼ100%の電力が地熱発電(!)で、レイキャビクの街中の道の下には温水が通っているので、歩道は全く凍りません。

ですが、本当に厳しい冬なので、真冬の車の運転は外国から来た人にはしてほしくないそうです。
街を出て観光に行きたい場合は、電車などはないので、観光バスツアーを利用するのが一般的です。

次回は、バスツアーでの真冬の遠足の様子をお届けしたいと思います。
(オーロラのお話も!)

真冬でもしっかりと太陽を浴びることのできる、日本の太平洋側育ちの私にとって、極夜はとても神秘的で心が静かになれる時間で、大好きでした。


レイキャビクの港からの景色。首都でもびっくりするほど空気が澄んでいました。
12時半ごろの穏やかな光

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