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ローマの日々 [Daily Romans]

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ローマ人への手紙を日々少しずつ、ゆっくり味わい、瞑想する旅をします。
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#罪

31.ローマ2:6-8 人間の行いへの神の報い

31.ローマ2:6-8 人間の行いへの神の報い

ここでパウロは、人間のどのような行為を考えているのでしょうか。殺人、姦淫、窃盗など、同胞に対して極悪な行為でしょうか?

いいえ。

ここでいう善行とは、「栄光、誉れ、朽ちないもの」を求めることです、 これらはすべて、神ご自身のためのものです。逆に、神を無視した行為は、利己的な行動になっていく、と。

神を神としてあがめない人(ローマ1:20)は、永遠の命からほど遠いのです。

それどころか、自分

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28.ローマ2:2 神のさばきと刑罰を意識して

28.ローマ2:2 神のさばきと刑罰を意識して

互いにさばき合っている人間の上には、もちろん神のさばきがあります。"私たちは知っている "とパウロが言う通りです。では、互いに裁き合う者たちは、神が天から自分たちを見下ろしてさばいていることを知っているのでしょうか。

たとえ口では神を認めていても、無意識にさばき合うことが習慣になされているのであれば、上から裁き、非難できる全能の神である神を認めていないことは明らかなのです。

パウロはローマの聖

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27.ローマ2:1 "互いにさばき合う"という人間の性質

27.ローマ2:1 "互いにさばき合う"という人間の性質

もし二人の泥棒が互いに悪人呼ばわりして喧嘩していたら、滑稽です。でもそれは自分を悪人だと知られないようにするための演技であるかもしれません。

すべての罪人はそのように仮面を被っている、とパウロは言っているようです。けれども、誰一人として、仮面を被っているからと神のさばきを逃れられることはできません。

しばしば、私たちは他の人よりも良い人間であると認められようと努めているものです。

一体何が目

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(3)ローマ2:1-29 神のさばきと下される刑

(3)ローマ2:1-29 神のさばきと下される刑

人間どうしでなされる罪の行為について教える宗教、道徳規範は、ややもすれば互いに批判し合うための道具に早変わりしてしまいます。自分が変わるべきところを、相手のあら捜しをし、相手に変化を求めるような人間関係に陥ってしまうのです。人の基準ではなく、神の基準があることを知ることで、誰がより正しいかを競うのではない、いつくしみ深い神の判断を仰ぐ姿勢へと変えられるのでしょう。

27. "互いにさばき合う"と

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22.ローマ1:22-23 神の栄光を人間の欲望に変える

22.ローマ1:22-23 神の栄光を人間の欲望に変える

偶像とは、人間の欲望を表したものです。さまざまな偶「像」を崇めることは、人間自身の欲望を崇めることなのだ、とパウロは言います。

人間は、神の栄光を、人間自身の考えの結果に置き換えてしまったのでした。

言い換えると、人間は自分の考えだけを崇める者となった、ということです。意識せず、自分を神のようなものとしてしまっているのです。(ピリピ3:19)

この世の目に見える物事については、人間はますま

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21.ローマ1:21 神を神としてあがめない

21.ローマ1:21 神を神としてあがめない

万物は神によって創造され、万物は神のもの。

もちろん私たち人間も、のはずです。ところが人間は自分勝手な思いのままに、自分を、そして万物を使ってしまっています。

「このからだは自分のものだ。他の誰も、自分の考えや計画に干渉する権利などない。私が自分ですべきことを、自分のしたいことのように決めていくのだ。もしそれを妨げようとするものがいるなら、たとえそれが神であろうとも、それに対して怒りを向けるの

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20.ローマ1:19-20 神の義が人間に明らかにされている

20.ローマ1:19-20 神の義が人間に明らかにされている

神が人間の不敬虔と不義に対して怒るのは当然のことでしょうか?

もし人間が神を全く知らず、そのために無視し続けているだけだとしたら、神の怒りは当然のこととは言えないように思えます。

けれども、人間は神についての知識は持っているはずなのです。というのも、神ご自身がこの世を創造なさった時以来、さまざまな働きを通して人間にご自身を示してきていたからです。

その証拠に、どんな民族にも必ず宗教があります

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19.ローマ1:18 神の怒りが啓示されている

19.ローマ1:18 神の怒りが啓示されている

神の義は福音に啓示されているのに対して、神の怒りは天から啓示されている、とパウロは言います。

神は実に、その愛のうちに、人間と一つになることを願っているのですが、人間の不敬虔と不義の問題のゆえに、そのままでは決して一つにはなれず、人間の祈りもかなえられない状態に陥っているのです。

しばしば聞く言葉に、「神が怒っている」というのがあります。人間は、なぜか神の怒りを知っているのです。

それが、神

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(1)  神の怒り

(1) 神の怒り

ローマ人への手紙 1章 18-23節

天から啓示されているとパウロが言う神の怒りについて。

自分が罪人だなどとは思えない私たちに、人間の現状を直視させてくれる言葉が続きます。早くやり過ごしたいような気にさせられる個所ですが、自分の本当の姿をしっかり見つめなおす機会を与えてくれる箇所でもあるのです。

でも、さまざまな人間の欲から生じる罪の行為がなぜ人間自身でとどめられないのか、その根源にあるの

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