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角伴飛龍(旧dragon-et)
2023年8月26日 19:38
合宿も終盤にさしかかり、参加者にもどことなく疲れが見え始めている。 やるべきことは分かっていても、体がそれを拒否してきている。体が別の誘惑に誘導し、本来の目的を逸らしてくる。だが、これは人間の生理的現象であり、当然生まれうる心理である。 例えそれが奥多摩であろうとも、古民家であろうとも、元来有するこの心理を誤魔化し切ることは出来ないだろう。どんな人間でもどこかで集中の結び目が解け、綻びる
2023年8月26日 11:08
奥多摩合宿では同じような毎日が続くのではない。むしろ一年のうち最大八日間しかこの毎日を謳歌できないと言うことである。本来なら毎日いるべきである。 行うべき勉強があるとしたら、それは是非とも心地よい環境で行うべきだ。それは当然のことである。そして奥多摩以上の環境で勉強するという体験を、自分はこの合宿以外に知らない。例えば自分でこうした自然に囲まれた勉強できる環境を見つけることができるなら別だが
2023年8月24日 21:13
今日はとても晴れた。昨日の不安定な天気とは打って変わり、澄み切った青空が広がった。奥多摩合宿も早半分にさしかかり、とても時間の流れを感じずにはいられない。 松永先生が昨日から泊まっており、古民家の雰囲気もどこか変わった。松永先生が1人加わるだけで、合宿はよりエキサイティングになる。先生のワードセンスが笑いを誘い、学びを深める。合宿がより色鮮やかに、高みに彩られる。 先生によって、奥多摩
2023年8月23日 20:12
朝五時、起床する。というよりしてしまう。体が奥多摩でどうするかを覚えているかのようだ。生活リズムが奥多摩モードに切り替わると、まるで僕に別の人格が宿っていて、そいつが僕を叩き起こしているように感じる。 ウルトラマンを鳴らすと、参加者がのそのそと動き始める。集団生活ならではの光景だろう。まだ薄暗い古民家の中で、単なる床に寝そべっているだけの存在に命が吹き込まれる。 朝食を食べ、瞑想を済ます
2023年8月2日 20:07
午後の勉強時間は、みんな川に行ってきたこともあって、静かに学習している。まるで無心になっているようだ。それほど自分のことに集中できているのだろう。 ヒグラシの鳴き声が奥多摩のかしこにこだましている。先生と生徒との学びの声が聞こえては静まり、扇風機の風を割く音だけが常に聞こえる。縁側からは風が入っては止まり、汗でべたつく我々をじらしているかのようである。 そして気づいたときに深呼吸をすると、
2023年8月2日 13:53
先ほど昼食を食べ終わり、殆どの人が川へと行ってしまった。今日は晴天のためとても暑い。それ故に参加者はどうしても川に行きたいという面持ちであった。 その点自分はというと、川にいった後の疲れを恐れて行っていない。自分にとっては川に行くよりも奥多摩で作業できる時間の方が貴重に感じるからだ。 しかし中学生以下の体力は凄まじいので、川で遊んで後でも構わず作業を遂行できる。本当恐ろしい集団である。彼
2023年8月2日 08:20
奥多摩の朝はウルトラマンから始まる。ウルトラマンは光の国からやってくる。夜の帷が上がり、太陽が昇る。まるでウルトラマンの目覚ましは、そのまま朝を象徴しているかのようだ。 夏合宿の起床時間は四時半である。とても早く感じるが、全体のスケジュールを見れば、この時間設定はかなり最適化されていることが分かる。4:30 起床5:00 学習開始8:00 朝食 (*)変化あり 8:30 学習再開
2023年8月1日 20:41
時が経つにつれ、集中が途切れてくる。勿論集中というものは無限に続くことはないのでいつかは切れるものではあるが、合宿のこの時間帯においてはもう一つ別の理由が集中を削ぐ。 厨房から夕飯の香りが漂ってくる。空腹はどうしようもない雑念である。しかしながらこれがなければ生きていけない。合宿においては最後のラストスパートが一番辛い時間帯である。しかしここを乗り越えることができれば、合宿における集中の問
2023年8月1日 17:51
西武新宿線始発に乗り込んだ自分は、電車で何度も睡魔に襲われながら奥多摩古民家に向かった。学校の所為で参加日数が三日間に減ってしまったという歯がゆい面持ちで電車に揺られた。 御嶽駅に到着すると、先生に迎えを手配してもらおうとも考えたが、曇りで程よい気温で、何より久々の奥多摩だったので、古民家まで歩いて向かうことにした。 夏休みだからか交通量が多かった。おかげで自然にこだまする鳥の囀りや川の
2023年8月1日 13:21
「奥多摩見聞録」とは古民家夏合宿の記録をする試みである。記憶は共有できないが、記述はできる。その当たり前を実行するのが「奥多摩見聞録」だ。 ここでは2023年度の1回目と言うことで、見聞録におけるプロローグのようなものを書く。 例え三日間だけだとしても、行くことを躊躇わない。そのくらいの面持ちが奥多摩古民家では必要だ。八日間に渡って行われる2023年度奥多摩古民家夏合宿。自分から言わせて
2023年5月28日 22:17
もしこの世に上界下界という概念があるとしたら、奥多摩は上界であるはずだ。何故ならそれを否定しようとすると、「都会と自然とどちらが心地よいか」という問いが発生し、それを自然であると肯定できないはずがないからである。 人間が生物である以上、自然を拒むことは本能的にできない。全ての人間が美味しい空気を吸いたいと望み、自然からのマイナスイオンを感じたいはずだ。それは世の中のゲームやネットなんかをも超越
2023年3月4日 22:09
「氷点下」とあるように、この時の奥多摩の気温はマイナスにいっていた。吐く息は白く、肌に張り付くような冷たさが襲いかかる。自然の恐ろしさ、寒いだけならまだその末端中の末端にすら触れていないだろうが、我々のような一般人が「温かみ」というものの素晴らしさを理解するには十分すぎるものであった。 今回の奥多摩は、(と言っても一週間くらい前だが)、猟友会の方から鹿と猪の肉をいただいたことで、それらを全て
2023年2月26日 21:42
炎に一つとして同じ形はない。常に変化し、蠢いている。もはや一つの生物かと思う。それはおそらく間違いではない。人類は「火」を手にしてから進化が始まった。火をいかに自分たちの繁栄に生かすか。暖を取るためであったり、物を加工するためであったり、敵を排除するためであったり。それが新たなものを生み、現在までそれが繰り返されてきた。もはや切っても切り離せない関係性が、人と火にはある。 火を見ると途方もな