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#文芸評論

【意志のために意志を捨て去る】喪神状態のススメ

【意志のために意志を捨て去る】喪神状態のススメ

どうも、ザムザ(@dragmagic123 )です。今回は小説家・五味康祐の時代小説『喪神』を取りあげます。この小説では夢想流という剣術が描かれているのですが、その流派では意志よりも本能を重視するのです。これは欲望を制する克己や勇気などを否定するもので、その点で意志と自由と幸福とを結びつけがちなわたしたちには意外なものだと言えます。この記事ではそんな夢想剣の実態を掘り下げてみます。

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小説を書くのに自分には知識や経験もないからって悩んでるヤツは学識もなくて世間知らずの田舎娘が世界文学の名作書いてるから心配せんでえーで

小説を書くのに自分には知識や経験もないからって悩んでるヤツは学識もなくて世間知らずの田舎娘が世界文学の名作書いてるから心配せんでえーで

 みなさん小説って書きます? 書かない? 書かないってこともないでしょ〜。この記事を読むときぐらいは「書いてる人」ってことにしておいてくださいな(笑)

 小説を書いてると「あたしって才能あんのかな〜」とか「自分に小説を書く資格なんてあんのかな〜」なんてことを考えることってありません? ない? ないってこともないでしょ〜。まぁ、あるってことにしてくださいな(2回目)

 世の中には「小説家になるに

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人が捨て去ることのできる最高にして究極のものとは意志であり、それを捨て去ることによって真に本来の欲望そのものの状態で生きられる

人が捨て去ることのできる最高にして究極のものとは意志であり、それを捨て去ることによって真に本来の欲望そのものの状態で生きられる

 小説を読んでるとさ、考えてみたくさせられるときってあるじゃん?ない?いやいや、あるんだよね。これって考えてみたらどういう風景が見えてくるだろう〜とか、どこに連れて行かれるんだろう〜とかさ。あるんだよね。そういうあれが。

 ワイが今回躓いたのが(おい)百年文庫の「90 怪」の先頭に入ってる五味康祐の『喪神』って小説。そんな長くなくて、36ページくらいかな。時代小説でさ。妖剣と言われてる「夢想剣」

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