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メルロ=ポンティの身体論ーー幻肢痛・身体図式・クオリア 紹介発表[1]

2010/01/12(都内医療系教育機関の教員を対象として実施した。なお、筆者は学部学生時代から主たる研究対象としてメルロ=ポンティの主要著作における該当箇所を原書の仏語と対照している。) 

*主旨と基本的位置づけ

本発表は、「主としてコ・メディカルスタッフに対する社会的ニーズに対応した教育の基盤となる研究プロジェクトの方向性」というテーマに沿って実施された。このテーマに沿う形で、今回の発表「メルロ=ポンティの身体論とケアとの接点」が行われた。本発表は、具体的なフィールドワーク(個別的現場の視察やニーズ調査)の実践段階に入る前に、そもそも社会(福祉領域)におけるどのようなニーズに対してコ・メディカルスタッフのどのような対応が可能でありかつ望まれるのかについてのある程度普遍性を持った「先行的・モデル的提案」を、基礎的・理念的なレベル[stage1]および実践的応用のレベル[stage2]の両面において私たち各自ががまず考え、その上で、それら構想を突き合わせコンセンサスとして共有することという「第一段階の課題」のうち、基礎的・理念的なレベル[stage1]の提示を担うものとして位置づけられる。


幻肢痛の問題圏へーー身体図式と意味の全体論

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