向かいの人 観察日記(仮) ハルミさん退職まであと・・
ハルミさんが転職してきて1年が経ち、Mさんの産休が明ける頃、わたしは別の不安を抱えていた。それは
Mさんとハルミさんの衝突。
なにせハルミさんが入社するまでは Mさんがおもらしっ子 だった、からだ。
彼女のおもらしは、ハルミさんと違って動きや言葉ではなく「オーラ」だった。
何かがあった時、何があったのか外側からは全く分からないとき、出社早々・・そのオーラで
小さな事務所の見えないはずの空気が、どんより曇って重くなることで目の前の酸素が薄くなり、呼吸が苦しくなるほどだった。
ハルミさんのおもらしが爆発なら、Mさんのおもらしは地雷型でむしろ静か。
どこにそこまで不機嫌になる要素があったのかは、地面の下に隠れていて全くわからない。
ただ唐突に返事が低く小さくなったり、目線も合わせたかと思えばスッとそらす。
ふたりの機嫌の良し悪しが分かってしまうのは
機嫌が良い、または普通との比較が と に か く わかり易いからだ。
普段の彼女たちは言葉使いやそれに伴う態度が「すぎる」ぐらい丁寧だからこそ、その落差に驚いてしまう。
いやもうねぇ・・・この10年で思うことは
嫌なことってそんなにありますぅぅぅ??
そんだけ嫌なことってなんなーーーん??
わたしが特に不思議なのは、ふたりとも会社のドア開けたときから不機嫌な日がある、ということ。
ここに来るまでにいったい何があったん???
関係ない人にそれをぶつける(本人はそう思っていないけれど、わたしはそう受け止めてしまう)ほどのことって一体なんなん???
あーーーーもーーー仕事がやりにくいっっ!!
わたしだけが過敏でそう感じてしまうのか?という点について補足しておくと・・
Mさんの地雷型おもらしは社長夫婦も感じて時々みんなでため息をついていたし、
ハルミさんの爆発型おもらしは、正面に座っていないMさんや社長夫婦も「機嫌が悪いね」と簡単に気が付くレベル。
話を元に戻すと、Mさんとわたしには
わたしが民法の婚姻年齢で子供を産めば、なんとかMさんを産めないこともない。という年の差があった。
だからこそ(本人はそう言われることを嫌がっていたし、口には出さないけれど)「若いからね」とか「当時の先輩ごめんなさい」と社会に出た頃の自分を思い返してひとり反省したりしながらなんとかやり過ごした。
そういうふたり(Mさんとハルミさん)が、産休明け
この小さな空間で何かをぶつけ合ったら・・と思うと、まだ何も起こっていない状態でひとり冷汗をかいていた。
が、産休明け復帰したMさんは
(この時ハルミさんがわたしの正面の席へ移動して「向かいの人」になった。)
なんとオムツを卒業していた。
=おもらしの回数が圧倒的に減っていたのだ。
しばらく穏やかなMさん。
もちろんわたしの心配していた「ふたりの衝突」もない。
その上で、おもらしの自覚有りだったMさんに
「すごく穏やかになったけど、何かあった?」←ある意味失礼。
と聞けば
「ハルミさんを見ていて恥ずかしくなった」
そして
「完全に甘えてましたね。
機嫌のいい人は努力してるんですよね。」とまで言った。
人って・・・変わるんですね。
そんなわけで
一難は去ったが、まだ一難。
ハルミさん退職まであと1日。
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