#読書感想文
ボリス・ヴィアン『心臓抜き』──心臓は停止し、天国は閉ざされる
『心臓抜き』(L'Arrache-cœur:1953)は、改題される前の草稿では『女王と小娘たち』というタイトルであった。またこの段階では、著者ボリス・ヴィアン(Boris Vian, 1920-1959)自身の自伝的要素が強い作品だったという。クレマンチーヌは彼の母親であるイヴォンヌの面影が色濃く投影されており、クレマンチーヌ=イヴォンヌはまさに「女王」として三人の子供たちに権力を振りかざすエゴ
もっとみる高野秀行『辺境メシ ヤバそうだから食べてみた』感想
丸山ゴンザレスさんと同じくクレイジージャーニーで知ったノンフィクションライターの高野秀行さん。早稲田大学の探検部に所属し、その頃からハードな旅にチャレンジし、同部では今でも伝説的人物だとか。ちなみに、丸山さんの憧れの人物の一人でもあり、裏社会ジャーニーにも出演している。
元々(?)は幻獣や珍獣を探したり、辺境の地域の文化を紹介したりといった内容の著作が中心だが、本著はこれまで高野さんが世界各地で
アンソニー・ボーディン『キッチン・コンフィデンシャル』感想
アンソニー・ボーディン。1956年ニューヨーク市生まれ。フランス人の血を引く父親はコロンビア・レコードの重役、母親はジャーナリストという恵まれた環境で育つ。温室で甘やかされ、苦労せずともそのまま上流階級の大人になるのだろうと純粋に信じていたボーディンは、少年時代にバカンスで訪れた父親の祖国フランスの地で、食の楽しみに目覚める。飛び級で高校を卒業し、ヴァッサー大学に入学。友人から紹介されて始めた皿洗
もっとみる丸山ゴンザレス『アジア「罰当たり」旅行 改訂版』感想
※2022年10月執筆。
そういえば昨日の昼間にクレイジージャーニーの再放送が流れていたそうで…電車の中で丸山ゴンザレスさんのInstagramのストーリー見て知ったので、視聴出来ず癇癪起こしそうになった。
とはいえ過ぎたことは措くとして、今月から同番組が復活するとの由、長らく待っていたので本当に嬉しい。すっかりテレビは観なくなったが、久し振りにリアルタイムで観たい番組が出来て感謝。ヤラセでもな