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茶道家のひとりごと

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茶道家・月桑庵道舜の茶の湯にまつわる彼是噺を表面を取り繕わずぶっちゃけて語ります。 流儀も禁忌も忖度もなし。 ただし、正しいと思えば君子豹変します(笑) 基本的には茶道のこ… もっと読む
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アルファポリス歴史時代小説大賞

アルファポリス歴史時代小説大賞

 残念ながら前回よりも低い順位でフィニッシュしそうな感じですね。

 現状は99位。明日にも100の壁から突き落とされそうな勢いです。

 今回は第一章完結して臨んだ大賞ではありましたが、やはり第一部完結ぐらいでないと駄目なんでしょうねぇ。

 今は充電期間と称して他の小説を書いています。奈良時代の架空小説です。怪奇ものというか伝奇ものっぽい感じに書き上げたいのですが、書いたことのないジャンルなの

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アルファポリス歴史時代小説大賞に応募

アルファポリス歴史時代小説大賞に応募

 6月1日から始まるアルファポリスの歴史時代小説大賞に応募することにしました。前回も応募しており、結果は69位でした。

 前回は5話×5000字=30,000字程度での応募でしたが、今回はもうすぐ書き終わる10話×6500字=70,000字ほどもあるので、少しは勝負になりますでしょうか。

 10話で1章。4部構成でここは起承転結の起に当たります。第一章の見出しは「動乱前夜」。

 動乱というの

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茶道衰退の原因は「敷居が高い」にある

茶道衰退の原因は「敷居が高い」にある

 またぞろ「敷居が高い」と使う人たちがいます。本当にこの誤用辞めませんか?

 特に茶人や茶道家の方々。

敷居が高いの誤用の拡大

 第一には誤用の拡大を推進してしまうからです。

 敷居が高いは「義理を欠くなどして、相手の家などに行きにくいという心理的状態を表す言葉」です。ハードルが高いというのは「気が引ける」とか「分不相応に感じる」ということです。

 日本語は正しく使いませんか?

 こう

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茶道に「映え」は要らぬ

茶道に「映え」は要らぬ

 Twitterで「どうしたらお客様が喜んでくれるかを考えて、お菓子を選び、器を選び、盛り付け方を工夫する、というのを今の言葉で一言でまとめると「映える」なのではないか」と言っている人がいた。

 果たして本当だろうか?

 私は茶道や茶の湯のもてなしに「映え」は必要ないと考えている。

 何故かといえば「映え」というのは「見た目」だからだ。見た目には、茶道や茶の湯の本質は無い。

 言葉の広がり

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旧暦のスゝメ

旧暦のスゝメ

生活は年末・催事は霜月

 月桑庵は旧暦で催事を行う。
 といっても生活は新暦であり、不便といえば不便である。
 
 しかし、寒中でもないのに師走と言われてもピンとこないのだ。

 クリスマスは新暦でするものなので、いいのだが、どうにも年の瀬という気がしない(苦笑)

 先日催した霜月の「お茶会へ行こう」が終わると年の瀬という気がしないでもないのだが、それでも、ピンとは来ない。

 それもそのはず

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本当の色

本当の色

 われわれが普段これはこの色と思っているものは単に光が反射し、拡散しなかった色が目に届いているからその色に見えるのだ……ということを認識しているだろうか。

 つまり、光源が変われば物質の色は変化するということなのだ。

 しかし、現代において、物をみるときに蛍光灯を光源として見ていることがほとんどである。これは、茶道家としてはいささか情けないと思っていた。

 何故かといえば、それがここ半世紀ほ

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私の茶道の原点

私の茶道の原点

 人それぞれ、茶道を始めたきっかけや、理由というものは違うだろう。
 
 なんの気無しに始めた人も居るだろうし、高い志を持って始めた人も居るだろう。和菓子が好きで始めた人や、私の母のように着物を着ていく場所が欲しくて始めた人(それだけではないのですが)もいる。骨董好きが高じて始めた人もいる。

 そんな中私は「黄金の茶室」に魅せられた口である。
 
 これを言うと大抵「黄金の茶室だって?成金趣味が

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年賀状と和歌

年賀状と和歌

 毎年、年賀状は自分でデザインすることにしている。これはグラフィックデザイナーとしてせめてもの矜持だ。

 寂しいことに、年賀状を辞める人が増えている。さらには、年賀状をネットで送信するという味気なさで済ます人も。

 私は毎年百枚ほどで、母が四十枚ほど。思いがけないところから届いたりして、予備に十枚ほど置いておくが大抵全部使い切ってしまう。

 年賀状のデザインは年始の飾りにしており、毎年、玄関

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リモート稽古の可能性

リモート稽古の可能性

 コロナにおいてリモート稽古という形をとってみた――といっても、なんのことはない、スマホでテレビ電話を繋ぐだけである。

 やってみると意外と、よく動きが見える……というのは、目敏いからだとよく言われるが、合理的な動きになっていないと余計な部分が動くことを論理的に理解できていれば、おかしな点を指摘できる。

 茶筅の振り方、姿勢、音……などで、どの程度の煉り具合か分かるし、照りが出ているかどうかも

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丸目と台目の点前の違い

丸目と台目の点前の違い

 我が家には百円で落札した葭棚がある。
 届いたものには仕付棚もなく、中柱が流木のような枯木の雰囲気ある独特の物で、雰囲気はやや藪内好に似ていた。

 しかし、誰の好みものか分からない。

 その上、台目の点前をするのに、棚がないのは不便である。そこで、板を購入して、手許にあった煤竹を利用し、なんとか仕付棚を取り付けてみた。

 これで一応の恰好がついたので、ひとまず「道舜好」ということで、お茶会

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定家緞子

定家緞子

定家緞子とは?

 定家緞子は名前だけみると藤原定家に因んだのか?と思えてくるのですが、残念ながら違います(笑)

 京都島原の妓女・定家太夫の打掛に使われた裂地で、宋代末期〜明代初期のものだと言われています。

 残念ながら、定家太夫がどんな人であったかというような逸話は残されて居らず、詳しいことは分かりません。

 京都の花街は足利義満によって設けられ、二条柳町でしたが、江戸時代に六条三筋町に

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なかなか無い「馬上杯」茶盌

なかなか無い「馬上杯」茶盌

 変わった持ち方をする茶盌といえば、馬上杯茶盌がある。

 なんと長高台を手で握り込むのだ。

 私は二つ、馬上杯茶盌を持っているが、この数を増やしたいと思っている。しかし、なかなか気に入ったものがない。

 特に作家にこだわりはないが、気に入らないものは出来れば使いたくないのが人情である。

 旧暦二月は初午の月で、これは稲荷神社の祭りだが、茶の湯では千宗旦が稲荷を大事にしたことから、宗旦狐なる

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茶席で子連れを嫌う人・歓迎する人

茶席で子連れを嫌う人・歓迎する人

 十年来の茶友でありながら、何年ぶり?かに会う知り合いの女性と初めて二人で食事とお酒をいただきました。その席で出た話題が、「子供を茶席に連れて行ったときの相手の反応」です。

子供は未来の茶道家 彼女は0歳の時からお母様がお茶券を買われて連れて行っていたという筋金入りのお茶人家庭。

 だからかどうか分かりませんが、本人も向上心が高く、お茶が大変好きで、私が話を聞いていてもハッとさせられることがし

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道具組みってなんだろう

道具組みってなんだろう

それぞれの道具組み お茶会において、掛軸を主題として、様々な茶道具を組み合わせ、主題にそった物語を作ることを「道具組み」といいます。

 近年の主流は季節感をわかりやすく盛り込み、絵柄で感じさせる手法ですね。見た目も華やかで、素人目にも分かりやすく、とっつきやすいことから、多くの方がなさる道具組みです。

 その一方で、道具本来の意味や意義、道具の景色や見立てによって季節感を示す手法も根強く残って

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