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哲学メモ

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哲学っていうとなんですが、考え事をただ書いていきます。
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#存在

「創造的想像力」

 以前、潜在的なものは、全て抑圧されたものである、と書いたと思う。私は存在論的な領野に、精神分析における抑圧を敷衍して使いたいのだ。スーフィズムでは神の慈愛の息吹が、潜在的なものを顕現する働きを持つ。世界の可能性、可能態として存在しているものを創造する時、それは世界に抑圧されていた存在を呼び起こすことなのだが、そこには慈愛が必要なのである。私たちが今必要としている存在は、きっと今まで無視され、忘却

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「形ないものと形あるものの関係性」

 エネルギーは意味の形相だと言って良い。
物質の取り得る形態、気体、液体、個体、これらがマクロな領域で顕現したもの、それが空、海、大地である。空と海と大地は、物質の取り得る三つの形態の象徴的なものと言って良い。

 物質というのは、エネルギーの一形態であるのだが、エネルギーの一形態であるが故、エネルギーが物質に転化したとしても、エネルギーが消えるわけではない。エネルギーはいわば潜在的に存在している

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「哲学的断片」アルケーとしての情緒

 直感が触れている融通無礙な場に、形而上的なもの全てが含蓄されているのではないか。融通無礙な場における最もシンプルな形式は、揺らぎである。揺らぎを波としてみてもいい。この波が働き合うことによって、融通無礙な場は融通無礙な場足り得る。阿頼耶識における元型とは、反復し固定化された波の働き合いである。元型は未だ具体的な事物ではないのだから、それは述語的な側面から考えられるべきである。述語的な側面とは、波

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哲学メモ

 死とは抑圧である。それは可能態の方に抑圧することである。或いは可能態へ還ることである。魂が死なないのは、存在するものがいくら消え去ろうと、それは可能態へ還る、という意味に過ぎないからである。可能態の領野は融通無礙である。そこでは他者や自己にはっきりした境界線がない。エヴァンゲリヲンで人類補完計画を企てた碇ゲンドウは、可能態の方へ行き、一つになることで唯に会おうとした。これはこれで一つの理路があり

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「哲学メモ」

 全存在を心的なものとした場合、現実に起きているものが心の領野であり、潜在的なもの、可能態が魂の領野である。潜在と抑圧は同じ構造を持っている。宇宙が始まる前から、魂は全てのものを潜在的に溜め込んでいた。それは抑圧されていると言ってもいい。換言すれば、全てを呑み込んでいたのであるが、ついにそれは爆発し、現世を表現するに至った。
 全ては魂の表現であるなら、自然に美を見出すことも妥当である。表現にはい

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