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【社内報の作り方】誰が決めるの問題

 社内報の作り方創刊編の最終回は、社内の承認プロセスの整理です。この企画誰のOK取ったんだ!とならないようにしましょう。

まずは手順を知る

 まずは確認の場面がどこに発生するか、作成の手順を知るところから始めましょう。

①企画会議
②ページネーション作成
③取材先選定
④初校
⑤再校
⑥念校
⑦色校正
⑧校了

 このうち、決裁を仰ぐ場面は通常、②ページネーション作成時と、⑥念校のことが多いです。

社内報は経営ツールだから…

 では誰に決裁してもらうのか。これは大抵経営トップです。もちろん例外はありますが、それでも取締役以上でしょう。これはプレゼンを受けた後、社内で稟議をあげると思いますが、その時に必ず明確にしておくべきです。また担当、課長、部長、取締役、社長と段階毎に上申する会社がありますが、もし月刊ならすぐに破綻します。できれば担当と課長とで制作会社と詰めて、直接社長に確認を取れる承認ルートにしましょう。

社長確認後…

 社内報あるあるなのは、念校時の社長確認でどんでん返しがあるパターン。私も過去何度か経験があります。修正を制作会社にお願いするのは辛いですね。とはいえ、仕上がっていない状況では社長には見せにくいのも事実。フランクな社長であれば中間チェックを、そうでなければ宿命と思って、修正前提のスケジュールを組みましょう。ちなみにページネーションの段階でも社長確認は必須です。経済案件の抜け漏れは命とり。絶対にコンセンサスをとりましょう。

任せた!となれば勝ち

 面白い社内報を作っている会社は大抵、現場の裁量に委ねられています。逆もまた然り。でも、社長から任せられないのは、やはり社内報の発行目的があやふやだったり、編集方針がぶれぶれだったり、もしくは原理主義的だったりするからです。経営者は一貫性と臨機応変さを好みます。これを矛盾と捉えるか、違う次元と捉えるかは、担当者のセンスかもしれません。

創刊編の最後に

 今回が創刊編の最後になります。社内報担当になってしまった人へのエールの気持ちで綴ってきました。社内報はめちゃくちゃ楽しい仕事です。絶対会社が好きになります。その第一歩である創刊のワクワクを楽しめるよう、実務面では細かく詰めておきましょう。そしてぜひこの連載をガイドに楽しんで素敵な社内報を作ってください。【終】

今回の一冊

山崎豊子著
花のれん

 吉本興業を作った吉本せいの女一代記。落語から漫才へ。時代を先読みし、大阪を笑いの都に育てた文化功労者のビジネスプロフィールは生々しく、常に生きるか死ぬか。裏切りあり、離別あり…。どんな状況でも前向きでぶれず、でも臨機応変。経営者とは、創始者とは、商売とは何かを教えてくれる一冊です。

社内報の作り方|創刊編 各記事はこちら

VOL.01 発行目的を決めよう
VOL.02 コンセプトって、どう決めるの?
VOL.03 媒体を考える
VOL.04 ルールを決める編集方針
VOL.05 デザインを決めよう
VOL.06 経営計画盛り込めていますか?
VOL.07 ページネーションを決めよう
VOL.08 コーナー企画は数が命?
VOL.09 協力者はいますか?
VOL.10 アウトソーシング①
VOL.11 アウトソーシング②
VOL.12 アウトソーシング③
最終回 誰が決めるの問題

Connecting the Booksは、これまで培ってきたクリエイティブディレクター、コピーライター、編集者としてのノウハウを公開するとともに、そのバックグラウンドである「本」のレビューを同時に行うという新たな試みです。