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【社内報の作り方】コンセプトって、どう決めるの?

社内報を創刊するにあたって、明確にしないといけないもの。その骨の部分が、発行目的、コンセプト、編集方針です。発行目的が大切なことは前回紹介しました。今回はコンセプトの作り方を考えていきたいと思います。

コンセプトは、個性の源

コンセプトは、媒体の性格を決める重要な要素です。例えば発行目的に離職率の低下があったとします。そのアプローチの仕方はさまざまです。ある社内報は、会社がいかに楽しいかをアピールします。給料が上がること、やりがい、福利厚生の充実、長年働く社員のインタビュー…。これらのアプローチをする上で大切なのは情緒的に訴えることでしょうか。理論的に訴えることでしょうか。答えはありません。しかし、その選択において、媒体らしさを醸し出すのがコンセプトです。

コンセプト例
・5分で読み切れる
・読めば読むほど会社が分かる
・とにかくやる気になる

5分で〜の場合なら、いずれの企画でも端的に伝えることが大事になります。インタビューは文字量が多く難しいかもしれません。読めば読むほど〜なら、逆に文字量が多くても、詳しいことが優先されるでしょう。しかし、読ませる工夫はかなり難易度が高く、どの企画も難航しそうです。とにかくやる気〜なら、常に離職率と向き合っているでしょう。一方お説教くさい話はNGです。そもそも離職率の話題には触れにくいでしょう。

コンセプトはある意味で選択です。ある種の可能性を捨てる作業でもあります。社内報において、あまり尖りすぎたコンセプトにする必要はありません。しかし、コンセプトが立っていれば、性格付けがしっかりされ、愛される媒体になることでしょう。

実はコンセプトを持たない社内報は、世の中に溢れています。それは経営側からの要求を満たす限り、大凡こうした一貫性ある話がひっくり返されるからです。しかし、だからこそコンセプトは大切です。軸があれば、どのくらいひっくり返されたかが分かります。

コンセプトは走りながら考えても、私は良いと思います。企業文化を尊重し、体現するものを考えましょう。

今回の一冊

五月女ケイ子著
五月女ケイ子のレッツ!!古事記

日本最古の歴史書。原文で読むには難しく、また登場人物の名前が長すぎる…。しかし、話はいずれも愛らしく、神話の割に人間くさい。こうしたコミカルな面を、とにかく楽しもう!と、親しみやすさをコンセプトにしたのがこの一冊です。当然研究者、受験生には役立たないかもしれませんが、古事記を知らない人には、これ以上の分かりやすさはそうそうないのでは。コンセプトの偉大さを感じる一冊です。

社内報の作り方|創刊編 各記事はこちら

VOL.01 発行目的を決めよう
VOL.02 コンセプトって、どう決めるの?
VOL.03 媒体を考える
VOL.04 ルールを決める編集方針
VOL.05 デザインを決めよう
VOL.06 経営計画盛り込めていますか?
VOL.07 ページネーションを決めよう
VOL.08 コーナー企画は数が命?
VOL.09 協力者はいますか?
VOL.10 アウトソーシング①
VOL.11 アウトソーシング②
VOL.12 アウトソーシング③
最終回 誰が決めるの問題


Connecting the Booksは、これまで培ってきたクリエイティブディレクター、コピーライター、編集者としてのノウハウを公開するとともに、そのバックグラウンドである「本」のレビューを同時に行うという新たな試みです。