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2007年刊行のベストSF「虚構機関」

<SF(173歩目)>
改めて思ったのですが、現代SFを読んでいる一読者として、古き良き時代感あふれ新鮮でした。

虚構機関: 年刊日本SF傑作選
田中 哲弥 (著), 大森 望 (編集), 日下 三蔵 (編集)
東京創元社

「173歩目」は、大森望さんと日下三蔵さんによる2007年のベストSF。

読み進める中で、「八杉将司 うつろなテレポーター」のラストが決まっていてよかった。

しかし、最後の「伊藤計劃 The Indifference Engine」に持っていかれました。

60ページ以下の作品ですが、終わりの見えない地獄を描いたような作品。
一気に作品の中にどっぷり漬かりました。

最初のページの戦闘後の文章。このページから全力で読み進めていることに気づいた。
「つかみ」がすごいのかと感じました。

特に、伊藤さんの作品は「嗅覚」という感覚器官に訴える描写多い。
もちろん、想像もできない「匂い」なのだが、文章で読んでも「拒絶したくなる匂い」ですが、この瞬間から非日常の伊藤さんの世界に没入している。
「文字」は「読む」のですが、空いている他の感覚器官を総動員させるつかみがすごいのかも。

わずかな作品しか残さずに亡くなられたが、日本SFに与えた影響はとても大きく、かつ参考になる文章だと感じた。「文字」から、「耳」や「鼻」を刺激して物語を楽しませること。

とても参考になりました。

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