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詩のようなもの‥。

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自作の詩(詩のようなもの)をまとめました。
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抱きしめてほしいのは好きだから…。

抱きしめてほしいのは好きだから…。

まるでお腹を空かせた捨て猫のように
身体を擦り寄せて甘えてみたい。

甘え方をしらないわたしは子猫のよう。
抱きしめてほしいのは好きだから。

覗きこむ瞳にこたえを見つけたいけれど
それ以上は求めていないの。

あなたに寄りかかりたい。
でもつぶれてはダメなんだ。

わたしが主導権を握りたいの
いつでも「さよなら」を言えるように。

最後までお読みいただきありがとうございました。

タイトルのイラ

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抱きしめたい。

抱きしめたい。

あなたが僕から離れようとする時には、
知ってか知らずか家族のことを話し出す。

あなたは何気なく僕との壁をつくっては、
さりげなく距離を保とうとする。
僕の心はその度ごとに、深く深くえぐられる。

あなたはいつも笑顔の向こうで淋しそうに泣いている。
僕に気づかれないように泣いている。

出来るなら、あなたを優しくギュッと抱きしめたい。
でもそんなことをしたら、あなたは僕のそばから
遠く遠く離れてし

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心の中で探してる

心の中で探してる

あなたの笑顔に会いたくて
心の中で探している。

愛することは素敵なこと
あなたが教えてくれました。

だけど
好きになってはいけないの…。

そして
もうすぐ逢えなくなる。

また日常が戻ってくる。
わすれてしまえ愛おしい日々を

全てをなかったことにしたらいい。

そしたら
わたしはここにはいない。

いいさ何もなかったさ…。
でもそれじゃぁダメなんだ。
想ってしまうことは罪なんだ。

わすれ

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向こうとこちら

向こうとこちら

日曜日の微睡み
ベッドの間にま
1週間の終わりとはじまり。

メールを開く指使い。
仕事の案件、すぐに返事を書かなくちゃ。
左の手ひら、前髪をかき上げ
使い慣れた相棒を打ち鳴らす。

「でも、直接話せたら…」

携帯を鳴らす。
すぐには出ない。

やっぱりメールで返そうか…

「はい」

彼の声は金属音のように響いていた。

しどろもどろになるわたし

電話の向こうで鳴く仔犬

「あっ、」

受話

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少し後ろを向いて…

少し後ろを向いて…

あなたの揺れる薬指
何気ない、たわいの無い会話が出来るようになって
ますますきゅっと笑いながらしかめてしまう。

厳しかった口調の時のはうがまだよかった。
少し距離をおいていた時のはうがよかった。
こんな出会いをするのなら…。

少し後ろを向きながら
前に向かって歩こう。

この気持ちは閉まってしまうんだ。
折角ふたり、仲良くなれたのだから。

「無理をしないでください」
「ご家族を大切に」
「あ

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両手いっぱいの檸檬。

両手いっぱいの檸檬。

両手にいっぱいの檸檬を抱えて、家に帰る。
薄くスライスして檸檬をつけるシロップは楓の蜜でつくりました。

ふたりは同じ部活で知り合い、ショートヘアのあなたは、明るく朗らかでみんなの人気者。

帰り道が同じ方向のあなたとわたしは、電車に揺られます。
あなたはわたしをドアの隅にかばうから、わたしの視界にはあなたしか入らない。電車のドアが開くたびに近づくあなた、揺れる度にドキドキする鼓動、わたしが緊張し

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こぼれる涙が確かにわたしを強くした。#シロクマ文芸部#月めくり

こぼれる涙が確かにわたしを強くした。#シロクマ文芸部#月めくり

月めくりのカレンダー。
もしも、捲るごとに時が戻るなら、今まで捲ってきた何枚もの時間をわたしはあの頃まで巻き戻していくでしょう。

幸せだった日々、今は叶わない夢、もう一度やり直したい、あの頃へ。

あの時、あなたの話をもっとちゃんと聞いてあげてたら、何かが今と違っていたかもしれません。

歪んで狂って仕舞った人生に、途方に暮れるうつろな瞳。不安に押しつぶされそうになりながら歩く路、先の見えない暗

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月明かり。

月明かり。

ケンカして落ち込んで背中を丸めてうずくまる。
何かが少しでも触れたら、涙とともに崩れそう。

弱虫なわたしは、見捨てられて仕舞うのが怖いのに、素直になることも出来ないの。これまで、どれだけの人に「へそ曲がり」と呆れられて来たことか。

きっとあなたからも距離をおかれると思ったら、
一緒にいることが耐えきれなくて、わざとあなたから逃げ出した。

飛び出したアパート、追いかけてくるあなた。
ふたりの足

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哀しい小鳥 羽ばたけぬハネ#七文字七行詩

哀しい小鳥 羽ばたけぬハネ#七文字七行詩

哀しい小鳥
泣くずべもなく
見上げる夜空
羽ばたけぬハネ
月なお青く
無惨にも舞う
わたしの羽毛

わたしを抱いて
泣いておくれよ
怖がらないで
しあわせでした
想い出の中
あなたのもとへ
帰るわたしは

お読みいただきありがとうございました。

タイトルのイラストは
Tome館長 様 のイラストを使わせていただきました。
Tome館長 様 ありがとうございました。

フタリ。

フタリ。

視線の先にワタシを入れて、そっと優しく微笑んでいる。
言葉にならないフタリの会話、そっと触れる指先が一気にワタシを絡めとる。

包まれるアナタに
落ちてゆくワタシ。

「この時間は無駄遣いじゃなの?」と尋ねるワタシに
不意にアナタは背を向けた。
ワタシは不安になってアナタの背中に抱きつくと
「ボクだけの大切な人」と応えてくれる。

スクランブル交差点に立つフタリ、信号が変わると動き出す人波に
ぶつ

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僕から見た僕 #シロクマ文芸部

僕から見た僕 #シロクマ文芸部

『ただ歩く』

僕から見た僕は

僕自身のためと、家族のために『ただ歩く』
だけど、真っ直ぐには歩けない。

杖を使い、足には補助具をはめて
ひょこひょことまるでヒヨコのよう。
そして長くは歩けない。
家の周りをせいぜい一周するのが関の山。
残りの時間は車いす。

末っ子の息子

『お父さんは、歩けたんだ』
保育園の卒園DVDで、幼い僕を背負って走る父の姿を初めて見た。
僕が物心ついた時には、父は

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文章を読んでくれた友達が『好き』と言ってくれた箇所を紹介します(少し変えてあります)

文章を読んでくれた友達が『好き』と言ってくれた箇所を紹介します(少し変えてあります)

文章を読んでくれた友達が
『好き』と言ってくれた箇所を紹介します(少し変えてあります)

小さなジャムの空き瓶に
白詰め草と春ジオンの花が可愛らしく生けてある。
アパートの隅に咲く雑草を
「わたしみたいでしょ」と言いなが
部屋に飾る母はひとり。

続いてわたし自身が好きな箇所も紹介します(少し変えてあります)

「心配なの、お母さんがひとりで…。」と僕が言う
『ひとりで』なあにと可愛らしい瞳が尋ね

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三男坊のお父さん…集団就職列車に夢を乗せて上京してきた父

三男坊のお父さん…集団就職列車に夢を乗せて上京してきた父

父の日に父を思う
お父さん、わたしをここまで育てて下さりありがとう。
集団就職列車に乗って金の卵と言われて上京してきた父

三男坊のお父さん
一番上のお兄さんは頭が良くて学校の先生に
二番目のお兄さんは実家の農業の跡取りに
三番目のお父さんは家を出るしかなかったのかな?
何だか居場所がなかったのかな?

それとも、
周りに何もなく、バスを乗り継いでポツンと現れる集落の
淋しい田舎から飛び出したかっ

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獣のように怒ってる。

獣のように怒ってる。

息子にかけた一言の何が気に障ったのか
否、
わたしのかける一言より以前に、すでにあなたは傷ついていたのか

言葉で表現することが苦手なあなたは、
頭を両手でムシャクシャと掻きむしり、
すごい形相で肩で息をしながら怒っている。

言葉で表現するのが苦手なあなたは
地響きの如くに身体を揺らし
雄叫びを上げながら物に当たり散らしていく

テレビを倒し、テーブル上のものを払いのけ、力の限りに
あなたが叩き

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