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両手いっぱいの檸檬。
両手にいっぱいの檸檬を抱えて、家に帰る。
薄くスライスして檸檬をつけるシロップは楓の蜜でつくりました。
ふたりは同じ部活で知り合い、ショートヘアのあなたは、明るく朗らかでみんなの人気者。
帰り道が同じ方向のあなたとわたしは、電車に揺られます。
あなたはわたしをドアの隅にかばうから、わたしの視界にはあなたしか入らない。電車のドアが開くたびに近づくあなた、揺れる度にドキドキする鼓動、わたしが緊張し
こぼれる涙が確かにわたしを強くした。#シロクマ文芸部#月めくり
月めくりのカレンダー。
もしも、捲るごとに時が戻るなら、今まで捲ってきた何枚もの時間をわたしはあの頃まで巻き戻していくでしょう。
幸せだった日々、今は叶わない夢、もう一度やり直したい、あの頃へ。
あの時、あなたの話をもっとちゃんと聞いてあげてたら、何かが今と違っていたかもしれません。
歪んで狂って仕舞った人生に、途方に暮れるうつろな瞳。不安に押しつぶされそうになりながら歩く路、先の見えない暗
僕から見た僕 #シロクマ文芸部
『ただ歩く』
僕から見た僕は
僕自身のためと、家族のために『ただ歩く』
だけど、真っ直ぐには歩けない。
杖を使い、足には補助具をはめて
ひょこひょことまるでヒヨコのよう。
そして長くは歩けない。
家の周りをせいぜい一周するのが関の山。
残りの時間は車いす。
末っ子の息子
『お父さんは、歩けたんだ』
保育園の卒園DVDで、幼い僕を背負って走る父の姿を初めて見た。
僕が物心ついた時には、父は
文章を読んでくれた友達が『好き』と言ってくれた箇所を紹介します(少し変えてあります)
文章を読んでくれた友達が
『好き』と言ってくれた箇所を紹介します(少し変えてあります)
小さなジャムの空き瓶に
白詰め草と春ジオンの花が可愛らしく生けてある。
アパートの隅に咲く雑草を
「わたしみたいでしょ」と言いなが
部屋に飾る母はひとり。
続いてわたし自身が好きな箇所も紹介します(少し変えてあります)
「心配なの、お母さんがひとりで…。」と僕が言う
『ひとりで』なあにと可愛らしい瞳が尋ね