パンケーキ
自作の詩(詩のようなもの)をまとめました。
路瑠のつぶやきをまとめました。
ショートショートなどをまとめていこうと思っています。 1000文字程度の短い作品です。よろしかったら、覗きにきてください。
企画に参加させていただいた、ショートショートをマガジンにまとめていきます。素敵な企画に参加させていただきありがとうございます。
路瑠(みちる)の日記(連載中)をまとめているマガジンです。
お風呂場にも聞こえてくるカタカタと回る洗濯機。 風呂上がりの息つくまもなく、終わらない家事に追われてる。 それでも夜のベランダに立つのはわるくはない。 洗濯カゴを抱えて、お気に入りの曲を小さくかけながら、 広くないベランダの隅から隅を色とりどりに埋め尽くす洋服たちは、 一日分の思い出とささやかな希望。 わたしはほんのひと時、掃き出し窓の枠に腰掛ける。 風がゆらゆらと洗濯物を揺らしている。わたしのココロも揺れている。 月が隠れて見えない曇りがちな夜だけど 窓から見える街
小さくうずくまり、誰かさんの温もりをまっている。 いつからなんだろう、こんなに自信をなくしてしまったのは ただ時間ばかりが過ぎて行く。わたしはぼんやりと、外の景色を眺めている。 家猫は、何を考えているの? わたしは無邪気な子どものように、大きな胸に抱かれていたい。 あなたの腕が、そっとわたしを包んでくれる。 何のかけ引きもいらない世界…。 気の利いたおしゃべりも、良い子でいる必要もないなら 疲れた心を委ねるだけでいい。ただそれだけで大丈夫。 もう誰かのために頑張らな
もしも僕が、君と同じように女の子だったなら 恋の相談にのりながら、そっと唇に触れるんだ。 人差し指でふっくらとしたその唇をなぞり、細い目をして瞳を覗き、頬から首筋に手をまわす。 不意を打たれた君が、大好きな片思いの彼のことをうっすらと想い浮かべたタイミングで、 「彼とのキスもこんなんかな…」て、君に言う。 もしもぼくが女の子だったなら、 そんなぼくの本気に、君は気づかない。 泣いたり笑ったり、飛んだり跳ねたりする天真爛漫の君が、 苦しそうに悩んでいる姿を僕は見ていられ
「昔の彼氏に似ているの」 僕の瞳を真っ直ぐに見つめながら、頬を両手でそっと包み込む。 「面倒はことは嫌いでしょ。」わたしもそうなのと言って、 キスしそうな唇をとがらせて笑ってみせた。 「お願い、ただ温もりを感じていたいだけだから…」 僕の背中に手を回す肩は思っていた以上に華奢で、 凛とした立ち姿に強さえ感じていたのに あなたはこんなにもかよわい人。 俯いたままのあなたは、何を考え黙っているの? いつもそうやって、ひとりで気持ちの整理をしているの。 頑張って、笑って、悩ん
guitarを弾く君とお家と…。 reformする時に選んだ壁紙は彼が選んだ暗い色。 少し複雑な顔した茶系が似合っている。 若い君が歳を重ねる毎に自分を知る様になり、 紆余曲折はあったけど、お気に入りに囲まれていく。
新しい家は、家族とともに創っていく。 団地を購入し、reformすると決めてから わたしたちは分厚いカタログを手に取り 取り寄せた壁紙一枚一枚を並べながら あーでもないこーでもないと言い合った。 ショールームにも行ったっけ。 忙しい忙しいと言いながら時間を取ってくれた息子たち。 決めていくことの多さ、限られた時間、何千万という大きな買い物。 思考が迷子になってくる 「…これが良いってYouTubeで言っていたから」と言うと 「そんな見ず知らずのおじさんの言葉を全部信じ
鏡の前に立つわたし、かくせない染みと皺 髪の毛は細く、痛んだ髪を見てはいられない。 わたしを映し出すもの全てを恨んでみても わたしの内側はわたし自身では変えられない。 みにくい姿はりんごの籠を抱えた老婆のよう。 暗い淵を歩くわたしに 「なんでそんなに俯くの?何も悪いことをしてないのに」 心配してくれるあなたがいる。 温かな声がわたしをつつむ。 背中からまわる優しさの腕は、そっとわたしを抱きしめる。 わたしの強ばっていた肩の力はぬけ、 頑ななこの身をあなたに委ねたいと
ごめん、わたしあなたを利用していたの。 あなたを好きになることで、 つらい局面を乗り切りたかった。 だれも助けてくれない状況は、 あなたを感じるたびに、 頑張れるような気がしていたから。 会うたびにあなたに触れたかった。 叶わない想いは、ただあなたを見つめることでしか 伝えることが出来なかった。 もうわすれよう。 もう思い出にしたい。 あなたは、わたしの想いに気づいていたのに、 いつもかわらない笑顔で知らないふりをしてくれた。 見つめると見つめ返してくれる瞳の奥が
まるでお腹を空かせた捨て猫のように 身体を擦り寄せて甘えてみたい。 甘え方をしらないわたしは子猫のよう。 抱きしめてほしいのは好きだから。 覗きこむ瞳にこたえを見つけたいけれど それ以上は求めていないの。 あなたに寄りかかりたい。 でもつぶれてはダメなんだ。 わたしが主導権を握りたいの いつでも「さよなら」を言えるように。 最後までお読みいただきありがとうございました。 タイトルのイラストは 笑い猫 様(細村 誠 様)のイラストを使わせていただきました。 笑い猫
あなたが僕から離れようとする時には、 知ってか知らずか家族のことを話し出す。 あなたは何気なく僕との壁をつくっては、 さりげなく距離を保とうとする。 僕の心はその度ごとに、深く深くえぐられる。 あなたはいつも笑顔の向こうで淋しそうに泣いている。 僕に気づかれないように泣いている。 出来るなら、あなたを優しくギュッと抱きしめたい。 でもそんなことをしたら、あなたは僕のそばから 遠く遠く離れてしまう。 あなたは僕を利用しているのかもしれない。 あなたが生きていくために僕が
引越しが決まりました。 20歳の時からコツコツ貯めていた貯金を頭金にして 古い団地を購入することに決めました。 現在住んでいる町は、小さいながらも過不足を感じさせない、とても落ち着いた雰囲気で、親子2世帯3世帯で住み続けている方がいらっしゃるほどの人気の町。 わたし達ふたりは、25年前に引っ越してきました。 この町で、子どもを授かり、この町で子育てをし、この町で義理の父の介護もはじまりました。子育てと介護の両輪で奮闘するわたしを優しいこの町は支えてくれました、そして主人が病
あなたの笑顔に会いたくて 心の中で探している。 愛することは素敵なこと あなたが教えてくれました。 だけど 好きになってはいけないの…。 そして もうすぐ逢えなくなる。 また日常が戻ってくる。 わすれてしまえ愛おしい日々を 全てをなかったことにしたらいい。 そしたら わたしはここにはいない。 いいさ何もなかったさ…。 でもそれじゃぁダメなんだ。 想ってしまうことは罪なんだ。 わすれてしまえ愛しい日々を 涙が頬をつたったあの夜を わすれられる温かな言葉も だ
日曜日の微睡み ベッドの間にま 1週間の終わりとはじまり。 メールを開く指使い。 仕事の案件、すぐに返事を書かなくちゃ。 左の手ひら、前髪をかき上げ 使い慣れた相棒を打ち鳴らす。 「でも、直接話せたら…」 携帯を鳴らす。 すぐには出ない。 やっぱりメールで返そうか… 「はい」 彼の声は金属音のように響いていた。 しどろもどろになるわたし 電話の向こうで鳴く仔犬 「あっ、」 受話器の向こうの向こうの向こうから 柔らかくあたたかな声が聞こえてくる。 神様…
あなたの揺れる薬指 何気ない、たわいの無い会話が出来るようになって ますますきゅっと笑いながらしかめてしまう。 厳しかった口調の時のはうがまだよかった。 少し距離をおいていた時のはうがよかった。 こんな出会いをするのなら…。 少し後ろを向きながら 前に向かって歩こう。 この気持ちは閉まってしまうんだ。 折角ふたり、仲良くなれたのだから。 「無理をしないでください」 「ご家族を大切に」 「あなたが倒れたら…かなしいですから」 外はくろ 窓の向こうはオレンジ色した温かな
『ありがとう』と声にならないあなたの瞳がささやいた。 もう動かないあなたの右手をわたしの胸に引き寄せて、返事の代わりにわたしの右の指先があなたの頬に優しくそっと触れてゆく。 巡り行く季節がつむじ風のようにわたしを悩ませて通り過ぎていく。涙に枯れたのはほんの一握りの出来事だったのに、あなたと過ごした美しい季節までわたしからかすめ獲っていく。途方に暮れるわたしの思考は留まったままもう何も考えまいと淀んでいる。 幼い時に怪我をした傷が未だに鈍く痛むのはなぜなんだろう?きっと痛いの
にわかに我が家の身辺が忙しくなって仕舞いました。 突然の立ち退き要請。しかも2月中に退去。 わずか3ヶ月半の準備期間。 「猶予はあるのか?」と伺うと 「こちらも解体業者を押さえているから立ち退き時期は譲れません」と言われて仕舞いました。 障がいを抱えた家族の引越しは、精神的にも、経済的にも大変なのに、提示された立ち退き料は一般的とされている金額。安心して住める様に住宅を改善する必要あるので、足りない分はこちらの貯金を取り崩すこととなり、負担も大きい。手すりをつけたり、段差を