偶然。#ショートストーリー#青春
溝の口から乗り換えの電車は、銀色の車体に赤いラインが入った電車。
6号車一番目のドアの左側がいつもの定位置で、わたしがドアを背にして話しかけると、昴くんは手すりにつかまってわたしの他愛のない話に相槌を打って応えてくれる。
間近に迫る中間テストの話や先生や同級生の話題。そして、今度行ってみたいお店に誘うついでに「昴くんの家にも行ってもいい?」と聞いてみた。
「えっ、ごめん、イヤ、って言うか、ダメっ…でも何で?」
「そりゃまあ…友達として、「友達の家に遊びに行ってみたい」なんて普