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少し後ろを向いて…

あなたの揺れる薬指
何気ない、たわいの無い会話が出来るようになって
ますますきゅっと笑いながらしかめてしまう。

厳しかった口調の時のはうがまだよかった。
少し距離をおいていた時のはうがよかった。
こんな出会いをするのなら…。

少し後ろを向きながら
前に向かって歩こう。

この気持ちは閉まってしまうんだ。
折角ふたり、仲良くなれたのだから。

「無理をしないでください」
「ご家族を大切に」
「あなたが倒れたら…かなしいですから」

外はくろ
窓の向こうはオレンジ色した温かな世界。

こうやって労わって送りだす。

わたしには、指輪はもう無い。









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