月が隠れて見えない夜には…。
お風呂場にも聞こえてくるカタカタと回る洗濯機。
風呂上がりの息つくまもなく、終わらない家事に追われてる。
それでも夜のベランダに立つのはわるくはない。
洗濯カゴを抱えて、お気に入りの曲を小さくかけながら、
広くないベランダの隅から隅を色とりどりに埋め尽くす洋服たちは、
一日分の思い出とささやかな希望。
わたしはほんのひと時、掃き出し窓の枠に腰掛ける。
風がゆらゆらと洗濯物を揺らしている。わたしのココロも揺れている。
月が隠れて見えない曇りがちな夜だけど
窓から見える街灯が、かわらずわたしを灯してくれる。
背の高い欅の樹々が『怖くないよと』囁いている。
わたしはギュッとひざを引き寄せた。
いつからなんだろう、自分の気持ちを上手く話せなくなったのは?
頑張って、頑張って、心が折れるまで頑張って、
伝えたくて、伝えたくて、でも全部の想いは出しちゃだめなんだ…。
しゃくり上げて泣くことを止めない子どもが、
叱られて、当たられて、放り出された庭先。
あの日も月が隠れて見えない夜だった。
捨てられることが怖くなった大人は、顔色を変えずに生きている。
だけどココロの奥の奥、あの日泣いていた幼い子どもは、誰かに『もう大丈夫だよ』と言って欲しいと持っている。昔も今もこれからも、ずっとずっと…。
窓から見える街灯が、わたしのために灯ってる。
あなたはいつもとかわらない優しい暗さで、わたしのことを
見つめてる。
最後までお読み下さりありがとうございました。
自分を模っているのは、幼い時からのことがらとことがらの小さい事実の積み重ね…。わたしも皆様と同じように生きづらさを抱えながら生きています。
きっと毎日がハッピーエンドの方なんていらっしゃらない。
人を傷つけない程度の嘘をついたり、誤魔化したり。
肩と肩が触れ合うほどに近くにいるのに、互いの掌にある電話を見つめる相手は、途方もなく遠くにいるように感じたり。愛しているのに一番付き合いづらいのは自分だったりと…。
同じnoteの街に住んでいらっしゃる尊敬する方が
優しくお声をかけて下さいました。
『書くことは、自分を助けることだから…。』
本当にそう思います。
書きたくても、書きたくても、書かないままの夜もあるけれど、
リアルな世界で表現できないもどかしさをそのままにしていたら
生きていくことが出来ないから。
吐き出しているのではなくて、
ただ生きている証を表現したいだけ。
どんなに細やかことだって、
わたしを創っている大切な宝物なのだから…。
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