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荷花
2024年1月9日 17:37
裾野からふんわりピンク色に溶け出していく空の、茜の極まるところの、その先から生まれる風を吸い込んだ。足の先はとっくに靴の形にまるくかためられていて、タイツと靴のさわりが悪い。人が通り過ぎる。色硝子を透かして見たような音色がイヤホンから流れ込む。それはゆったりとした静寂で、そのなかに限りなく薄い破裂が混ざっている。 共犯が、愛より上だと思っていたころ、小さなソーサーカップをいくつも集めるような
2024年1月6日 17:41
感じる速度ってなんだろう。 水餃子の、つやんとひかるひだを見つめながらそう、思った。感じる速度が高まって、涙があふれるときの、あの解像度はなんなのだろう。まるっこい水餃子はスープの海で寝そべっている。つぶらな瞳が輪っかになってわたしを惑う。窓をきっかりしまっていて、午後の音が満ちている。近くにおいた冷水から雫が薄くのびている。わたしの頬に、わたしの手から、わたしの作った味が入っていく。おそるお
2024年1月5日 20:08
年が明けました。 一年を、暮れるとか明けるとかで表現するたびに、ひとひもひとよも変わらないのかもなと思ったりします。 時間の感覚ってほんとうにさまざまで、自分のなかでもさまざまで、それなのに一番はっきりしているものみたく扱われていて、その落差にたまにうっとりしてしまう。それは生きているに近いから。 まばたきの回数で空とべたならわたし今星空にいる、とかみたいな短歌を詠んだことがあるけ