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半世紀前から普通の人生に挑戦した車椅子おばあちゃんの物語

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語1~58
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#病院

半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語52

半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語52

「寒いからな、気をつけて帰れよ」

翌年の秋のことです
家族4人と母で恒例の軽井沢へ向かう車の中です
「きれいだねぇ」
「あ、ほらあの木もきれい」
窓の外には色づいた木々が徐々に増え始めていた時に
母の携帯電話がなりました。
「あ、〇子だ」
「もしもし」
「うん、うん、うん」

実はこの頃、父は腰痛を訴えていて、病院通いが続いていました。
この日は検査結果が出ることになり、受診の予約が入ってしま

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語53

半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語53

「何一つ恩返しが出来なかった」

その朝は珍しく雪が降り始め、大雪の予報が出ていました。
出勤時間にはまだあまり積もっていなかったので、
とりあえず出勤したのですが職場に近づくにつれて雪は激しさを増し、
いつもの通勤路はあっという間に雪景色に変わってしまいました
慣れない雪道を慎重に運転している時に妹から着信がありました。
「もしもし、おはよう、どうした?」
「じいじいが危ないんだけど、この雪じゃ

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語58

半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語58

「母が私の指を思い切り嚙みます」

「おめでとうございます」
「今年もよろしく」
いつものお正月のように実家の玄関先には
母の得意な煮物の美味しそうな匂いが漂っています。
「ああ、おめでとう」
そういう母の弱々しい声が返ってきました。
部屋を覗くと、ベッドに腰かけている母が辛そうにしています。
「具合悪い?」と聞くと
「ちょっとね、お腹がね」
みると、腹水がたまり、おなかがパンパンに張っています。

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